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図書館員SF
last update 2017-09-24
図書館が出てくるSFリスト補遺:図書館は出てこないが図書館員が出てくるSF, ファンタジー&ホラー
図書館は出てこなくても、魅力的だったりへんてこりんだったり、実在したり、そんな奴はいねぇだったりの図書館員・司書が出てくるSFとファンタジーのリスト。
お断り
- 図書館の場面で出てくる図書館員・司書はここには入りません。
- 『華氏451度』の人たちは図書であって司書ではないのでここには入りません。
- 情報検索用人工知能 | コンピュータ司書で蔵書と一体化しているものは図書館とみなし、ここには入れません。
SF
- 『旅立つ船』 / A・マキャフリー&M・ラッキー ; 赤尾秀子訳.
- 東京創元社, 1994(創元SF文庫)4-488-68304-5
- p.22(図書館じゃないけど)アレクサンドリアの大図書館の、最初にして
最後の女性司書ヒュパティアが登場します。 岡本@名大図書館さま
- 『宇宙嵐のかなた』 / A.E.ヴァン・ヴォクト ; 浅倉久志訳.
- 早川書房, 2006.5(ハヤカワ文庫SF ; 1563)4-15-011563-X
- p.88-92で,地球帝国宇宙戦艦スター・クラスター号中央図書館主任司書のジェーンが登場,<五十の太陽>文明の背景について説明する。大艦長のグロリア・セシリー・ロール殿下とは食事を共にする気の置けない関係。
中央図書館は館長室から「三分の一マイル離れた」ところにあり,主任司書のオフィスがあることしかわからない。(2006-06-19)
- 「至福一兆」/ J.G.バラード ; 宇野利泰訳.
- 『時間都市』所収. 東京創元社, 1969.5. (創元SF文庫) 978-4-88-62906-9
- 主人公ジョン・ウォードとヘレン・ウェアリングは下町にある図書館に勤めている。彼らの涙ぐましいスペースの使い方には同情を禁じ得ない。(2009-07-14)
- 「<新死>の条件」 / チャイナ・ミエヴィル ; 日暮雅通訳.
- 『爆発の三つの欠片』所収. 早川書房, 2016.12. (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ ; 5030) 978-4-15-335030-4
- 2017年8月23日,ガイアナのジョージタウン在住の図書館員ジェイク・モリス(53)が<新死>の最初の発見者になる。(2017-09-24)
ファンタジー&ホラー
- 『フーコーの振り子』 / ウンベルト・エーコ
- 文芸春秋,1993 4-16-313780-7,4-16-313790-4
- 伝奇or歴史改変ものしているし、ラストシーンはたぶん某古典幻想文学(違う?)のパロディだし、語り手はフリーのレファレンス・ライブラリアン(そういう職業はなりたつのか?)なのでこの範疇に入るかなと。
- 「逢ふを待つ間に」 / 今邑彩
- 『つきまとわれて』 中央公論社, 1996.9 4-12-002641-0
- 電子妻育成ソフト「マリッジ・ゲーム」のキャラクターとして司書が登場する、だけですが。
「ぼくは、三人の中から、「山本しのぶ」という女性を選び出した。彼女は二十四歳になる、図書館の司書をしている女性で、小柄で色白、性格は物静かで読書好き、父親はさる大手企業の課長、母親は生け花の先生をしている中流家庭に育ったと設定されていた。」
連作ミステリーですが、幻想味がかなりあるのでいれました。
- 『タイタス・クロウの事件簿』 / ブライアン・ラムレイ ; 夏来健次訳.
- 東京創元社, 2001.3 (創元推理文庫) 4-488-58901-4
- 「黒の召還者」「名数秘法」でタイタス・クロウの知人である、大英博物館稀覯書部の学芸員について言及される。「少し変わっていて」「正直で純粋な性格」。禁断の書物を見せてはくれなくても内容についての調査はしてくれる。
- 「縛り首の木」でたぶん同一人物であろう学芸員が作家ジェラルド・ソーンに『水神クタアト』をクロウが所蔵していることを教える。
- 『闇に歌えば ナイト・コーリング』 / 瀬川貴次.
- 集英社, 1998 (スーパーファンタジー文庫) 4-08-613292-3
- 既出の「ドライ・オア・フレッシュ」(紹介コメントを読む)の作者の別名義による作品。
不治の病におかされた元非常勤司書の室井翔子が出てきます。婚約者である大友広海とは、図書館で顔は見かけていましたがその後病院で再会してから親しくなりました。図書館に関する記述は以下の通り。
p141「彼女、公立図書館の司書のバイトをしていた」
p179「その存在を知ったのは近くの公立図書館。彼女はそこで働く司書だった。」「細い腕に重い本を何冊もかかえて書架をまわっている姿をよく見たし、カウンターでの応対も丁寧で、図書館の仕事が好きだから積極的に動いているように見えた。」「その彼女が図書館からいなくなったのは突然だった。他の司書に尋ねるのもはばかられ黙っていたが、喪失感は大きかった。」
p191「小さな子供をさとすような、優しく静かな口調だった。図書館で子供に絵本を読み聞かせるときもこんな口調で語るのだろうか。」
あとがきによると、作者自身も以前「図書館でバイトしていた」そうです。
宮島史江@二松学舎さま
- 「故郷の廃家」 / 都筑道夫
- 『阿蘭陀すてれん』所収 筑摩書房, 2004.6. (ちくま文庫 . 都筑道夫恐怖短篇集成 ; 2) 4-480-03967-8
- 語り手の級友、柴山は図書館員らしい。「図書館の仕事をやめたわけじゃ、ないんだろう」というセリフのみだが、幽霊見たさに廃屋に泊まり込む浮き世ばなれした人物。
- 『バジリスクの魔法の歌』 / パトリシア・A.マキリップ ; 原島文世訳.
- 東京創元社, 2010.4. (創元推理文庫) 978-4-488-52011-3
- 「トルマリン学院の楽士は、楽譜の目録を作るより演奏したいそうだ」
- 主人公カラドリウスは,トルマリン家の音楽蔵書の目録を作る仕事につき,宿敵ペリオール宮殿に司書として出入りするようになる。
- トルマリン宮殿が炎上したとき持ち出された楽譜は巻物や冊子に書かれており,まったく整理が付かない状態で音楽室の櫃の中にいれられている。(2010-11-08)
- 『王都の二人組 : 盗賊ロイス&ハドリアン』 / マイケル・J.サリヴァン ; 谷口悟訳.
- 早川書房, 2012.3. (ハヤカワ文庫 ; FT541) 978-4-15-020541-6
- 「書籍が三百八十二冊、巻物が五百二十四点、まとまっていない紙誌が千二百十三枚でした」
- ウィンズ修道院の司書、マイロンが登場する。マイロンは読んだ本をすべて記憶しており、焼き討ちにあって失われた修道院図書館の全蔵書を独力で元に戻そうとしていた。主人公たち旅に出たマイロンは書物で読んだ古代に関する知識で冒険の手助けをすることになる。(2012-05-04)
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