第135回定例会報告

(2000/09/17)


 この日は、午後に台風が関東直撃か!?という、風雲急を告げる空模様の中、総勢33人(顔見せのみ3人)の盤上の志士らが集まり、以下の13タイトル19戦が行なわれました。
 当日は(GMT)“Ukraine 1943”が、同時に5セット対戦(参加12人)された上、(コマンド誌34号付)“Drive to the Baltic!”も同時3セット対戦(参加6人)されて、他の卓では(MiH)3Tシリーズ最新作ヴェリキエ・ルーキをシミュレイター誌元編集長で作戦Qの神様鹿内さんと新保さんが、また(MiH)3Tシリーズ第1作Turning the Tablesも同時にプレイされるなど、総勢33人中、実に22人が東部戦線ものをプレイしているという期せずして、めくるめくような『ロシア戦線例会』となりました。
 特に3列あるテーブルの並びの内、1列がブチ抜きで5つのウクライナ'43が並ぶ様は、まさに壮観と言う他ありませんでした。
 それにしてもミレニアムである今年の夏は、(GMT)Ukraine 1943と(コマンド誌34号付)Drive to the Baltic!という傑作・作戦級ゲームに恵まれた、忘れ得ぬ年になりそうである。
 なお今回の例会では、ここ最近の新会員急増のため、単なるプレイ場所提供サークルに近い(会員間の顔繋ぎが少ないという)嫌すぎな展開を危惧して、夕方5時でゲームはお開きとして、部内オークションを兼ねて懇親会を行ないました。

(1).(GMT)Ukraine 1943:8ターン終了まで
 前回の例会と陣営を入れ替えて、これがウクライナ6戦目のYaGさんvs4戦目のSebTさんとの名人戦。今や練度最高と豪語するSebTさんの鼻をあかすべく、YaGさん揮下の赤軍は巧妙な牽制と強烈な主攻とを織り折り交ぜつつ進軍。前半は丁々発止の攻防が繰り広げられていたものの、独軍得意の装甲軍団ヒット・エンド・ラン戦法もいつしか捕捉されて、最後には3個軍団とも包囲殲滅させるという史上空前の敗北を喫してしまった。VP的にも7ターン・シナリオで考えると、独軍サドンデス負けという展開にSebTさんショック。
 朝10時くらいからプレイ開始されて、夕方4時半ごろには8ターンを終えていたので、慣れれば充分にプレイアブルであり、ゲームで最も面白い7ターン・シナリオを満喫することができるだろうと、さらに評判を上げたのであった。

(2).(GMT)Ukraine 1943<:8ターンまで
 こちらはソロプレイ研究の鬼UeMさんと、オリンピック開会式の日に3人戦を行なって悪夢の3ターン独軍サドンデス負けを喫したKaWSKさんとの対戦。朝一で来場し、10時前にはプレイを開始する気合いの入りようで、特に赤軍を担当したUeMさんの「猪突猛進こそ我がモットー」という怒涛の進撃の前に独軍は、5ターンサドンデスこそ免れたものの、8ターンには独軍がドネツ鉱山地帯を保持してはいるものの、その北ではドニエプロペトロフスクを巡るドニエプル河攻防戦に発展していた。
 かくして次回例会では、YaGさんとUeMさんとで独ソのゲームバランスを賭けて“真打ち同士の対戦”が行なわれることに決定した。またKaWSKさんも連続した悪夢の敗戦に懲りることなく、さらなる研究を進めたいとのコメント。
 プレイすればするほど深みにはまるUkraine 1943こそ、20世紀のウォーゲームが辿りついた最高傑作と確信して止まない。

(3).(GMT)Ukraine 1943:3ターンまで(4人戦)
 プレイヤーが揃うまでと始められた(GJ58)機動部隊'42カードゲームが盛り上がり、そのまま(KP)モノポリーに移行していたので、まともに本作のプレイが立ち上がるか不安だったが、始まってしまうと好評を博していた。プレイ開始が遅れた理由としては、他に、ユニットを切ったUkraine 1943が5セット揃わなかったので、その場でSoGaさんがユニットを切ってからプレイされた。4人の内、SzKさんだけ1回プレイ経験があるだけで他は今回が初プレイ。
 独軍をKonDさんとSoGaさんで、赤軍をDoBSさんとSzKさんが担当しての対戦で、ハリコフ前面での機動戦と、南のドネツ丘陵地での力押しとが印象的だった。

(4).(GMT)Ukraine 1943:3ターンまで
 YSGAでのウクライナ功労者(16人が船便で注文した中、ただ一人航空便で他に先駆けて入手され、それを快く翻訳テストプレイ班に提供していただいた)赤軍hiRamtさんと、珠算塾でのウクライナ初戦で戦線維持の罠に陥って押し切られた独軍YoshKさんとの対戦。
 秩序立った攻勢で着実な進撃を図る赤軍に対し、独軍は積極反撃で対抗。それゆえにベルゴロドを陥した赤軍はハリコフへの途上で進撃が止まり、北端部とドネツ鉱山地帯でのみ小規模な突破口を穿っていた模様。

(5).(GMT)Ukraine 1943:2ターン終了まで
 独軍会長vs赤軍Satoh副長との対戦。お互いに夏休みの泊り込み戦以来1ヵ月のプランクを経ての対戦で、しかも千客万来の対応と西部戦線SGの写真撮影に追われてターンはさして進まず。それでも実に考えさせられるゲームなので、1ターン毎の展開の妙を満喫。泊り込み戦では戦線維持に血道をあげて滅んだ独軍なので、今回は後顧の憂いを振り払って果敢な反撃に終始した独軍であった。それに加えて武運にも恵まれ、赤軍戦車軍が出てくる度に、独軍無損害のままでその撃退に成功。アゾフ海沿岸のタガンロークを赤軍に陥とされたものの、それ以外の戦線では赤軍は戦力補充に務めざるを得なくなった。時間があれば次ターンから再び赤軍の攻勢が発動しそうだったので、とても惜しい対戦となってしまった。

(1).(コマンド誌34号付)Drive to the Baltic!
 仙台ボードゲームクラブ会長の田部井さん(事、志と異なり、今は横浜在住〔この4月に転勤〕なれど、仙台と横浜を繋ぐ掛け橋〔駐浜大使〕として毎回例会に参加)と、公私共にゲーマーたるAoKさんとの対戦で、6ターンまでプレイされた。
 田部井さんが赤軍を担当されて平押しで戦線を北上させるも、独軍は順次戦略移動で歩兵師団をリガ方面へ送って、北方軍集団(第18,16軍)の殆どが脱出に成功していた模様。

(2).(コマンド誌34号付)Drive to the Baltic!
 今回が例会初参加のkshrさんが赤軍を担当され、SaKNさんと5ターンまで対戦された。両軍ともベストに近い部隊運用の末、遂にはSS第3装甲軍団を呼び寄せてしまい、東リガ市方面で激戦を繰り広げていた。

(3).(コマンド誌34号付)Drive to the Baltic!
 旅行で伊豆に行かれた帰りに直接参加された(赤軍)CEDERMTさんと、前回本作をプレイ中に熟慮の余り頭痛を訴えられた(独軍)Endohさんとの4ターンまでの対戦。
 戦線のくびれから突破進展を図る赤軍に対し、北方軍集団(第18,16軍)から兵力を抽出し続けてリガ前面に堅陣を張る独軍。これからその堅陣を迂回して、リガ・ストランド方面へ走り続けようとする赤軍と、それに対応する独軍とで勝負は白熱の度合いを強めていきといった所で、時間となってしまった。
 この、万人にお勧めしたい傑作ゲームも慣れれば1日で10ターンは進むようになるので、諦めずに精進していきたい。

(MiH)ヴェルキエ・ルーキ:9ターン中5ターンまで(鹿内さん絶賛!)
 かつて(GDW/HJ)White Deathが扱ったのと全く同じテーマ(1942年11月16日〜43年1月19日にかけて行なわれたソ連軍の冬季反攻。スモレンスク北方でレニングラード方面からウクライナまで南北に連なる大鉄道線の遮断と、スターリングラード包囲戦へ独軍増援を送らせない為の牽制を企図しての攻勢。(コマンド誌17号付)独第48装甲軍団にも関連記事あり)を扱った、(コマンド誌34号付)Drive to the Baltic!のシリーズ最新作。これまで多くの血涙を誘ったスナフ!チットが無くなり、その代わりに戦闘結果表の極端な目の結果として反映されるなど、システムは全面改訂された。
 このシリーズ第1作目である(MiH)Turning the Tablesこそが、最もテーマとシステムがマッチしていると考え、シリーズ2作目である(コマンド誌34号付)Drive to the Baltic!でさえ安易なシリーズ作品であり、ましてや3作目のヴェルキエ・ルーキに至ってはルールが全面改訂(第2版ルール)されて、改悪ではないかと疑っていた鹿内さんでしたが、実際にプレイされてみてその予想が全く的外れなものであったとの事。
 ターニングもバルチックも広くプレイされたゲームだけに、そこから得たノウハウをヴェルキエ・ルーキでは絶妙に盛り込んでおり、プレイ前の評価は心地好く裏切られて、プレイ後の感想は「TtTシリーズ中システム、展開とも実に絶妙で、これが最も面白いのでは!?」という全面的肯定となっていた。プレイ後、鹿内さんは、コマンド・マガジン中黒編集長に、ヴェルキエ・ルーキの付録化を強く勧めてみたいとおっしゃっておられた(でも付録化は早くても2001年秋頃?)。YSGA内でもゲームの出来が非常に危惧されていただけに、一刻も早く実際にプレイしてみたいものだ。

(MiH)Turning the Tables
 hiRamtさんの紹介で初参加されたHaykyさんが、見学だけでいいとおっしゃっておられたのを、せっかく東京から来られたのだからと、太公捨 立謀さんがその場で口頭説明してプレイされた。戦闘チットによる不確定要素たっぷりの展開に、Haykyさんも感激されていたご様子と見た。

(GMT)Operation Shoestring
 6ターン(42年9月3週)までプレイされ、お互いに平地に出ると砲撃でボカスカに叩かれるので、密林に潜みつつ攻防の準備に余念がなかった。最後の方では日本軍が戦闘機用滑走路方面で威力偵察を行なってみたものの、案の定米軍に撃滅されてしまった模様。今回のプレイでは堀場さん自作のルール修正を施し、さらなるプレイアビリティの向上を図っていた。

(AH)Breakout:Normandy
 ノルマンディーものは(AD)ノルマンディー上陸作戦(お互いブラインドで上陸準備する好ゲーム)しかプレイしたことのないhirotoriさんに、手練のGREGさんがルールを口頭説明してのプレイ。少々毛色の変わったゲームだけにその展開が危惧されたが、それは杞憂に過ぎず、hirotoriさんもその面白さに感激されていた。

(Jedko)ヨーロッパ・アット・ウォー
 モスクワ陥落でドイツが勝利したものの、和訳ルール補完作業の為のテストプレイとしては、なかなか成果があった模様。やや古いゲームだけに穴を埋めるべき箇所が散見されるが、基本的に(翔SS)ヒトラー帝国の興亡に勝るとも劣らない面白さがあると言える。

(TAC24付)バトル・フォー・ジャーマニー 「レッドスター・ホワイト・スター」シナリオ
 最終ターンまでプレイされ、ベルリンが西側連合軍によって占領されたとの事。

(Columbia)積木のパシフィック・ビクトリー
 鹿内さんも以前から絶大な興味を寄せられていた期待の新作である(コロンビア)積木の太平洋戦線を、平本さんの紹介で初参加されたSzKさんが持参され、さっそく口頭説明してさわりだけでもと3人でプレイされた。対戦約束のゲームが控えているため2ターンほどプレイされただけであったが、それでも参加者は口を揃えて「これは面白そうだ」と賛を惜しまなかった。コンポーネント的にも美しく、特に日本軍の木製プロック(積木)が鮮やかなオレンジ色なので、「ひよっこ特攻」こと九三式中練複葉機(赤トンボ)を想わせて胸を突かれた。

(日本コマンド誌2号付)ベルリン'45
 上記ジャーマニーを終えた國學院大SG研のTyujoさんとIsiGMさんがプレイ。独軍オーデル河戦線が崩壊した第3ターンまでプレイされていた。

(GJ58)機動部隊'42カードゲーム(4人戦)
 YSGAのマルチ好きメンバーMiuさん、KonDさん、DoBSさん、YaTさんが(Jedko)ヨーロッパ・アット・ウォーを終えてプレイ。

(GJ61)建艦競争カードゲーム(5人戦)
 夕方近くにメインのゲームを終えた面々でプレイされていた。GJのカードゲームは非常によく出来ているので、艦船ファンにはたまらない面白さがあるのだろう。

(KP)モノポリー
 ファミリーゲームの王道モノポリーが、機動部隊'42を終えた面々でプレイされ、盤石の盛り上がりを見せていた。


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