例会報告

(1999/07/11)


 先日の日曜日(7月11日)に行なわれた、横浜SG協会(YSGA)の模様を御報告いたします。当日は、21名もの参加を得て、以下の10タイトル11戦が行なわれ、シミュレーションゲーム暗黒時代にあってパラダイスを想わせるがごとき大盛況ぶりでした。さらに早春の初参加以来、ずっと来てくれている新人さん3人が今回を機に入会を決められ、今後ますます活発化する事が予想されます。
 今回は、私自身(AH)For the People(カードで一手ずつ交互にプレイするシステム)の南軍として苦境に立たされた上、会の雑務に追われて、他のゲームプレイを詳しく見る余裕がなかったので、分かる範囲でしかレポートできません事を、お詫びしておきます。

 また、今回の例会では秋のビックゲーム企画に向けて、超人的なルール翻訳者YaGさんの尽力で、(GMT)Barbarossa:Army Group Centerの完訳に続き、Barbarossa:Army Group Southの完訳、June 6の完訳が立て続けに配布され、それぞれ15部、10部と製本・用意していたにも関わらず、対戦希望者が多過ぎて、部数不足をきたすという、異様な盛り上がりをみせていました。
 (GMT)Barbarossa:Army Group Centerは、そのルールブックの分厚さ(102P)も何のその、対戦に二の足を踏んでいたメンバーにまで面白さが伝わり、次回の2日間例会において、堂々10人参加による3シナリオ同時対戦が決定しました。


(TERRAN)The Legend Begins「ロンメル登場」から開始するキャンペーン 第1回
 天才デザイナーと、会内で高い評価を受けるマーク・シモニッチ氏デザインによる北アフリカ・キャンペーンゲーム。以前、対戦後の感想として「いつかキャンペーンをプレイしたい」とAoKさんが書いていたのを読んだFred.牛さんが対戦を申込んで、今回からキャンペーンプレイを行なう事となった。
 詳しい対戦経過は見ていなかったが、彼らの隣で北方軍集団をプレイしていたDoBSさんが、このゲームの購入を決めていたほど面白いものだったらしい。

(AH)ASL(CRI)「第3の橋:アルンヘム」キャンペーン:第1回戦
 秋のビックゲーム企画に合せて(9月=マーケットガーデン)、ちょうどその頃にクライマックスを迎えるよう開始された当キャンペーン第1回。
 フロスト大隊がアルンヘム橋を確保すべく、夜間を利用して橋周辺に進出したものの、完全隠匿配置の独軍との衝突を恐れる余り、広範囲の地歩確保に至らず、不利な態勢で第2回戦を迎える事となったらしい。今回はお互いに探り合いに終始し、独軍守備隊の装甲車が1輛破壊された他は、両軍合せて数個分隊が死傷するにとどまった。

(GMT)June 6
 完訳ルール(60P)も配布され、皆にその面白さを知ってもらおうと、2度目の上陸キャンペーンに挑戦した訳者のYaGさんと、ノルマンディー狂のSebTさん。
 (GMT)Barbarossaシリーズの影響か、勝利得点獲得地点の確保に厳しいターン制限が課せられる連合軍は、カランタンの早期確保を狙い、カランタン郊外の独軍降下猟兵スタックを艦砲で釘付けにし、比較的順調な上陸を果たしたが、チット引きの妙で、独軍第21装甲師がダブルムーブとなり、英第6空挺が突破攻撃により一層され、さらに英軍の先鋒が叩かれるにおよんで、上陸1日目から反撃できると、独軍を担当したYaGさんも御満悦。その後、米軍方面では3ターン(上陸6日目)までにカランタン、イジニー、バイユーが米軍の手に落ちたものの、英軍方面ではSS第12HJ装甲師が、絶妙なタイミングで反撃を成功させ侵攻海岸にまで肉薄する活躍をみせ、連合軍のSebTさんを苦悶させていた。

*私も、前日の土曜日に、初めて(GMT)June 6を(3ターンまで)対戦しましたが(SPI)大西洋の壁+ロンゲストデイをプレイアブルにした(普通の意味で言うプレイし易さではなく、(SPI)大西洋の壁は御免だけど、June 6ならやれるかなという程度)、意外に面白いので驚きました。チットによって活性化できるのが師団単位なので(高価な軍団活性化でも行動はあくまで1個師団ずつ)、チット毎にできる事が限られ、プレイはスムーズに進む感じです。いつもながら10面体サイコロを使う戦闘なので振り幅が広く、緒戦の独軍でも、サイの目続き無しなら攻撃してみようかなという気にさせてくれます。反撃が成功して突破前進、継続攻撃なんて嬉しい結果が出たりすると、たまりません(侵攻初日の独21装甲師による反撃が魅力的に見えるSGは珍しいのでは?)。
 ただ問題は、マップが大き過ぎる(フルマップ2枚をL字型(縦と横)につなげる)ので、半端なテーブルでは広げられない事(私はフスマを外してそれをテーブルに載せ、その上に広げました)。そしてルールが煩雑に感じられる事(斬新な戦闘結果表や、コマンドコントロール等)。昨今のゲーマー事情を考慮してか(?)ソロプレイを念頭において作られたようなマップ(全ての記載が独軍側(大陸側)から読めるようなチャート、ターン表記)にも驚きました・・・\(゚o゚)/。

(GMT)Barbarossa:Army Group Center「北方軍集団」シナリオ
 会誌夏の増刊号の記事締切が11日だったので、記事を書き上げてから遅まきながら例会場に現われたAoNさんとDoBSさんとの対戦。こちらも詳しく展開をみる事ができなかったが、今回独軍を担当したDoBSさんは「この対戦でルールを完全に理解できた」と語り、中央軍・南方軍一緒の購入を決めていたので、面白かったに違いない。

(GMT)ロスト・ビクトリー
つい最近までこれのソロプレイ研究をしていたUeMさんと、YoshKさんとの対戦。途中、太公捨 立謀さんも加わっての3人戦。 赤軍の攻撃は、戦運に見離されて各地で頓挫、小規模の突破にとどまった模様。それでも戦線各所の補強・火消しに大わらわの独軍は、後方のパルチザンに割ける兵力がなく、多くのユニットが補給切れとなっていた。ただしどうもこのゲームで赤軍が史実通りハリコフに到着するのは厳しいようだ。

(AH)For the People
今までいつも北軍を担当し、南軍の攻めが甘いなどとぬかしていた私でしたが、今回初めて南軍を受け持ち、その難しさに圧倒されました。西部において北部侵攻を目論んだ最強軍(Longstreet+石壁Jack)はミシシッピィー河を渡河したところで退路を遮断(背後の河川要塞を、迂回侵攻してきた北軍に次々と破壊占領)され、無為に壊滅。東部でもマナサスにばかり兵力を集め、後方のリッチモンドに1兵力しか置いていなかったのを西バージニアから突かれて陥落。そのターン中にマナサスの南軍北バージニア軍が引き返して奪回し、産業基盤は焼かれなかったものの、リーが戦死(勿論死傷表はオプションで発表されたもの使用)。呪われた事に北バージニア軍に配属した騎兵将軍(スチュワート、フォレスト)が立て続けにカードで殺され、防戦一方に。
その後、サバンナに上陸した北軍に深南部を荒され、東部では南軍を消耗させる為の波状攻撃が続き、結局63年夏に南軍が迎撃でリッチモンドを空けた所を「リッチモンドへ進撃!」カードでポトマック軍が入城。先の迎撃戦で1戦力にまで激減していた北バージニア軍(指揮官はASジョンストンが戦死して、ビューレガードが執っていた)が、それに対して劇的な迎撃を行ない壊滅。
かくしてリッチモンド陥落、バージニア州北部支配、西部と東部で2個軍壊滅と戦意(SW)を激減させる条件が重なり、グラントの出る幕もなくサドンデスで完敗した。
 対戦後話し合った南軍戦略としては、下手に北部侵攻など考えず、西部ではミシシッピィ南岸に出張ってきた北軍を叩く為の1個軍、東部ではリッチモンド守備兼予備の1個軍、マナサス前線の1個軍、深南部に北軍が上陸してきた場合、早期に叩き返すための1個軍を設置し、4以上の生産基盤を有する都市には最低1戦力(カードによりタダで盗られないようニューオリンズ沖の要塞にも)を配備。港の防衛は要塞でなく都市に守備隊を配備(要塞に配備していて内陸からその港を無血占領され遊兵と化す場面が見られた為)と、史実でLongstreetら防衛主義者が主張した通りの結論となった。これぞシミュレーションの醍醐味!?。

(SPI)パットン第3軍
当初対戦する筈だった國學院大學SG研のSoGaさんがレポート提出で不参加となった為、CEDERMTさんと(その奥さんとで!)3人戦。
マルチゲームに参加する女性は何度か見たが、パットン第3軍のような本格的SGをプレイする女性というのは初めて見させていただいた・・・\(゚o゚)/
 こんな珍しい対戦だったにも関わらず、詳しいゲーム展開の方を見逃したのは残念無念である。その後、夕方にCEDERMTさん夫婦が帰られた後、旅行帰りで立ち寄ったKonDさんが、その後の米軍を引き継いで相手をしていた。

(MiH)クラッシュ・オブ・タイタン
新たに会員となられたSaKNさんと、副会長Satohさんとの対戦。SaKNさんが独軍を担当し、猛攻を繰り返すも大規模な突破は果たせず、史実に近い形の戦線を形成していた模様。和訳に間違いがあり少々混乱したものの、唯一閉会間際(ミーティング中)までプレイされていた。

(GJ)大日本帝国の盛衰
発売当初購入できず(YSGAに参加する前でGJ誌の存在を知らず)絶版と聞いて、ユニットまで完全コピー自作したInaBさんとYaTさんとの対戦。緒戦時、ジャワ沖で日本軍に痛撃を与えるのに成功した連合軍だったが、その後日本軍は空母を一隻も失う事なく、一時ブリスベーンにまで侵攻した。しかしラバウル、マリアナと侵攻してきた米軍(英軍はラングーンに大軍で押し寄せ中)に、日本は装甲空母大鳳を含む全機動艦隊を出撃させて、夢の大決戦。壮絶な空母戦の末、日本軍逆上陸に成功、ガン・ホー・クリフ状態となった。その頃、大戦艦大和は一隻でラバウルの米侵攻艦隊に突入し、米戦艦を沈めた後、米重巡によって打ち沈められた。結局、マリアナの米侵攻艦隊を撃退した形で終戦を迎えた日本が勝利。
 それにしても(GJ)大日本帝国の盛衰の人気は凄じい。プレイしやすいように拡大カラーコピーされ、ハードマップ化された「盛衰」が、複数持込まれている状況だ。新人のSaKNさんも購入できなかったので、何とか再版されないものだろうか?>GJ誌関係者様

(Try Soft)カタンの開拓×2
皆からの購入圧力(カタンを買うのは君しかいない)に負け、YSGA初のカタン・オーナー(今回入会を決めたカタン・マスターのYaTさんを除き)となったMiuさんが、For the Peopleで快勝後、その場でビニールを破いて、駒を抜き、隣で「盛衰」に興じるカタン・マスターのYaTさんに助言を受けながら、4人で2度プレイ。これならマルチ嫌いのメンバーにも楽しめると大好評!?。今後、1時間(EP)戦国大名に続き、会のスタンダードとなる予感が。


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