(GMT)Barbarossa:Army Group Center(1999/05/01-02)




【SG概要】
95年に出た(GMT)Typhoon!を第1作とする、3W時代から続く東部戦線シリーズの最新作で、フルマップ4枚の地図には、北はバルト海に面するメーメルから、南はプリピャチ湿地までが描かれ、緒戦時における独軍北方軍集団と中央軍集団の全てが含まれる。
1ターン2日、ユニットの規模は、機械化が連隊、歩兵は師団規模(リサーチは精緻を極め、多数の独立部隊や小部隊が登場)。最大の特徴はゲーム手順にあり、独軍は基本的に移動・戦闘だが、赤軍は戦闘・移動の為、独軍が事前に張り付いていてくれない限り、歩兵の参加する組織的攻撃ができないようになっている。また赤軍には司令部があり、その指揮範囲内でしかまともな部隊運用ができなくなっている。これらのシステムにより、自然と41年の独ソ戦が再現できる。こう書くと赤軍が一方的にやられる、いつものバルバロッサSGかと思うだろうが、さにあらず。充分なテストプレイに基づくであろう勝利条件(決められたターンまでに占領しないとVP無し)に加え、限定メイアタックという戦闘システムにより、赤軍部隊は攻撃できなくとも独軍に張り付く事によって不利な戦闘を強要できる為、独軍としても、雲霞のごとく押し寄せる赤軍を、振り払いながら目標を奪取しなければならない辛さがある。しかも突進する機械化部隊には補給も届かず、側面防御の歩兵も追従できない為、電撃戦の痛快さと孤立の恐怖を同時に味わう事になる。したがって当SGはベテランが独軍、お気楽者が赤軍を担当するのが望ましい。

【ゲーム展開】
今回は初めてのプレイとあって、北方、中央の両軍集団を使用する、国境を含むマップ2枚の開戦10日目までの5ターンシナリオ(シナリオ3+4)を6人でプレイ。
 ドイツ北方軍集団を担当したAoKさんは、対する赤軍のSebTさんとは好敵手であり、今回も蹂躙攻撃多用で一気に突破を目指すが、5対1程度の比率による蹂躙は失敗も多く3ターンまでに盤端から突破を果たさなくてはならないものを、5ターン終了時点でそれも果たせず。逆に赤軍の積極的反撃により虎の子の戦車連隊が包囲殲滅される一幕もあって結局、この方面では赤軍の作戦的勝利となった。
 一方、主題の中央軍集団は、ホトの第3装甲集団を、こういうイベントには欠かせない宮城・石巻市のYaGitさんが担当して、地図の東端に達する突破を見せたが、白ロシアの首都ミンスクには触れることができなかった。グーデリアンの第2装甲集団は当初、YoshKさんが全て担当して緒戦の突破を果たした後、土曜半ドンの針灸治療院を終え、はせ参じたDoBSさんが包囲の左腕を分担し、ブレスト・リトフスクを根元とする包囲の右腕をYoshKさんが持って、包囲網を締め続けた。しかし突破前進を最優先して、ブレスト攻城用の列車砲や巨砲を後方に置いた為、一度も射撃する事無く2ターンに引き上げられる羽目に。この責任を痛感したYoshKさんは3ターンに歩兵戦力だけで強襲し一撃で陥落させたが、ブレストのVPは2ターンまでしか得られないと知ってガックリ。3人の独軍を相手に奮戦する赤軍を担当するのは、100ページになんなんとする和訳を僅か1ヵ月で作り上げた、我等が“訳聖”YaGさん。中央軍正面の赤軍はセットアップ時、戦線後方の各所に多くの部隊が分散されており、のちのち組織的反撃も可能かと思われたが、司令部の非機能化(そもそも近くに司令部が無い)により単に道路上の障害としての役目しか果たせなかった。それでもSebTさんの自慢げな反撃成功に触発されて、大胆にも局地的反撃を試みたYaGさんであった。結局この方面では赤軍の戦略的勝利となった。
 結局、最終5ターンを終えたのは2日目の14時半。勝敗的には、独軍が初めてのプレイという事もあって、このSGの特徴たる、サドンデス並みに厳しい時間的VP設定を満たせず、(史実と比べて)独軍の大敗という結果となったが、勝った赤軍だけならぬ独軍4人も、充実感に満ちた感想を述べ合っていた。今回参加したメンバー以外にも、このSGに大いに興味を持っている者が多いだけに、9月第2週の80人部屋2日間例会ではバルト海から黒海に至るバルバロッサ作戦全域("Barbarossa:Army Group South + Center")を、5人ずつ計10人で対戦するビックイベントが今から楽しみである。


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