(GAMERS)CWR(南北戦争連隊級):This Hallowed Ground:「リトルラウンドトップ」シナリオ(1999/05/01-02)




【SG概要】
既存のCWB(南北戦争旅団級)システムはそのままに、部隊規模を細かくして個々の戦闘をより楽しもうという連隊級シリーズの第1作。フルマップ5枚を使用して、有名な1863年7月のゲティズバーグの戦いを、1ターン15分、1戦力50人、大砲1門単位で再現。
特徴は、実際に命令書を起草して部隊に受領させる命令システムと、攻撃部隊が自らの損害に恐れをなして勝手に退却しだす攻撃中止チェックがある事。手順は指揮統制・移動・戦闘といった平凡なものだが、射撃解決の際に同時に最大7個(射撃結果2個、士気判定2個、落伍兵1個、指揮官死傷2個)のダイスを振る為、回転の速い頭脳が要求される(!?)。
この連隊級では、個々の戦力が直接数字で表示されるようになった上に、拡張線が無くなり、戦力の減少(兵員の死傷)も直接マーカで表して、プロットは落伍兵だけとなったので、旅団級より実際のプレイは楽になった。
命令は今まで通り軍司令官から軍団長に与えられるが、分遣命令として師団や旅団に与える事も可能。新たに旅団長がユニット化され、指揮統制と士気修正という2つの能力を与えられている。これら1個旅団につき連隊ユニットが、3〜8個あるので柔軟な運用が可能となった。ちなみにゲームタイトルは、ゲティズバーグの戦死者墓地完成を記念して行なわれたリンカーンの演説(人民の人民による人民の為のってヤツ)冒頭の「我々は今、“この神聖な地”に集い〜」から採られている。

【ゲーム展開】
2月に行なわれた大野さんと宮岸さんによる(GAMERS)CWB:シャイローが不完全燃焼に終わったのを観て、残念に思った三浦さんと会長が、ビックゲームの名の下に小針さんを巻き込んでの対戦強行。当初小針さんは「ピケットの突撃」シナリオを主張するも、無謀と判断した会長(訳すのは俺だぞ!!という強みもあり)の一存で、2マップ(最低2マップないと、ビックゲームとは呼べまい)シナリオのうち、最も劇的かつセットアップし易い、このシナリオに決定。和訳も、このシナリオ対戦に必要な物に限定した戦時急造版として1週間で完成。GW直前の例会で5ターンまでテストプレイし、好感触を得たので実行の運びとなった。担当としては、三浦さんが北軍全て、小針さんが南軍のマクローズ師団、会長が残ったフッド師団を受け持つ。
 テストプレイに於いて、桃の果樹園に対し(会長の強硬姿勢に押されて不本意ながら)大掛かりな突撃を仕掛けるも、散々に撃ち白まされた小針さんのマクローズ師団であったが、今回は準備砲撃によって敵の戦線に穴が開くのを期待して遠距離砲撃戦を開始。一方、デビルズ・デン方面のフッド師団は、性懲りもなく1個旅団を分遣・大迂回させてリトルラウンドトップ(以降、小丘)背後に至る「ビックアラウンドトップ作戦」を発動しようとするも結局、独断専行に成功せず、やむなく史実通り正面突撃で小丘まで駆け登る「血塗られた道」をゆく。
対する北軍は1ターン目からヴィンセント旅団がまさかの独断専行に成功し、小丘保持を目指して早くも進軍開始。桃の果樹園でも戦線の整理強化を図り、小針さんを牽制。デビルズデン頂上にも砲兵を登らせ「寄らば散弾発射」態勢を整える。
予想外のヴィンセント旅団先行で小丘頂上への競争に焦るフッド師団は、師団長直卒でデビルズデンに押し寄せ、激烈な射撃の応酬の末、幸運にも岩上の砲兵ともども北軍を敗走させる事に成功。行軍隊形で脇を摺り抜けた1個旅団は、小丘の裾野へ走り寄る。これに対し北軍も、デビルズデンから連隊をシフトさせて、その側背を突く。デビルズデンから小丘の裾へと伸びきったフッド師団は、これによって孤立の危機に直面したが、小丘から引き返したテキサス連隊の逆襲によって、北軍2個連隊が逆包囲されて壊滅。恐れをなした北軍は、複合ZOCによって南軍の正面突撃を防ぎつつ、デビルズデンと小丘との間にある僅かな低地をキラーゾーンとするべく砲兵を集中。これを指揮しようと移動中の(特別指揮官)マクギルバリーが、小針さんの放った遠距離砲撃によって死傷、砲兵6個同時射撃の夢破れる。しかし北軍の反撃とそれに対する逆襲の隙に、小丘頂上にはヴィンセント旅団が進出し、史実通り南軍による小丘 占領は無理かと思われたが、30分に及ぶ攻防戦の末、2個連隊が崩壊したヴィンセント旅団がまさかの攻撃中止(2ダイスで3以下)を出して、直後の独断専行チェックには成功した為に、ルールチェックで一時中断。結局1度撤退して、そこで新命令受領・再進撃可能という形に落ち着いた(後日、攻撃中止は独断専行で打ち消せると判明)。これよって棚ボタで小丘の支配権を得たフッド師団であったが、それまでの激戦でどの旅団も半壊状態で、現状を維持するだけでも辛いとしう苦境に陥る。一方、桃の果樹園方面でも効果の挙がらぬ遠距離砲撃に業を煮やしたマクローズ師団が、最も士気の高い旅団を北軍戦線に突入させ一時大混乱に陥れるも、やはり近距離からの猛烈な防御射撃を受けて壊滅、「I Have No Brigade!」状態に。これに飽き足らぬ会長は自らの戦区で、もはや打開策が見つからぬ為、執拗に次なる突撃、それも砲兵を追従させる形での突撃を主張。会場に持参した特攻批判・大西滝治郎誹謗中傷本「神なき神風」の影響で、大西化著しい会長の突撃精神論(小針註:会長は『あと20門。あと20門砲兵隊が突撃すればこの戦いは勝てる!!』と発言。確かに距離を縮めると火力は倍になりますが、移動中に射撃を受けると戦力が半減する可能性が高く、結局変わらないだろうという判断で突撃砲戦術は取りませんでした)に、小針さんハタ迷惑。桃の果樹園と小丘との間にあるデビルズデンと森を含むフックズ・リッジでもこの間、激戦が続いており、左右から南軍に攻められて次々と北軍連隊が潰走し、背後の友軍を弾き飛ばす事態となっていた。極端な兵力不足に陥ったフッド師団など、デビルズデンの頂上をロングストリートの警護部隊であるピストル装備の騎兵僅か50人で守る始末で、射撃するたび「岩場の用心棒」と笑われていた。
 結局2日目15時の時点で全19ターン中10ターンまで(ゲーム時間で150分)プレイされ、南軍死傷3,900、落伍3,750、北軍死傷3,100、落伍3,200人を出し、桃の果樹園の占領が絶望視されるなか、南軍の敗色濃厚と判断された。


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