YSGA 第93回定例会

(1997/03/23)


 3月は年度末ということもあって参加14名(対戦11名)とやや少なめでしたが、対戦SGの方は予定のゲームが終わると、引続き別ゲームを開始するなど内容の濃い例会となりました。対戦されたSGは(P-Rim)CHOSIN、(AH)Breakout:Normandy、Hannibal、(COM)日本機動艦隊、(ツクダ)甲斐の虎、(S&T129)Harvest of Death、(COL)War of 1812 の7ゲーム8プレイ。以下に各ゲームの大まかな展開を報告いたします。

(P-Rim)CHOSIN 4人戦
朝鮮戦争において仁川上陸後、満州に迫る勢いの米海兵第1師団に対して中共義勇軍5個師が包囲殲滅を計るというSG。1ターン6時間、1ヘクス400メートル。1950年11月27日夜間、CHOSIN(長津湖/長津江)周辺のハガル里、柳標里、東の丘に分散する海兵群(小隊・中隊規模)に大隊規模の中共軍が押し寄せる。
第1ターンは夜間で霧が立ち込めたので人海戦術のイメージ通り「伏せる」事なく突撃を敢行、しかし待ち受ける米海兵の激烈な防禦射撃(155重砲から4.2インチ迫撃砲、対戦車砲、重機関銃の間接砲撃含む)でたちまち31ステップロス、この火線を潜り抜け肉弾戦に持込んだ中共軍は、米海兵に17ステップロスを与えるも、自らもまた追加11ステップロスを喰らう。中共軍僅か1ターンで42ステップロスを払い中共プレイヤーの士気にも大打撃を与えた。
2ターン目(深夜・晴)中共軍引続き米軍に隣接したまま突撃を継続、再び猛烈な防射を喰らって21ステップロス。但し今回は中共側は多くの部隊に「伏せ」隊形を命じた為、損害は半減したものの突撃自体も腰砕けとなり米軍に5ステップロスを負わせただけ。
3ターン目(28日AM吹雪で視界隣接ヘクスのみ)中共軍は撤退を開始、米軍は吹雪を突いて反撃を行ない、更に14ステップロスを与えた。米軍は反撃の過程で4ステップロス。4ターン目、中共軍山中に逃げ込み損害無し、米軍深追いを戒め円陣内へ撤収、火力強化を計る。これを見た中共軍プレイヤー再戦を誓って投了。
4ターンで中共軍76ステップロス!米海兵26ステップロスという血も凍る結果に。

対戦後の感想:
ファイアパワー方式のツボを押さえた比較的簡単なシステムで面白い。中共軍はイメージ通りの力押しを敢行すると皆殺しにされてしまうので(移動した敵に対する防禦射撃には+2ダイス修正)、ASL/SLみたく突撃期に1HEXだけ前進できるルールを活用して米軍に隣接する。ターンは長いのだから日中は山影に潜伏し、夜間に一撃離脱して米軍を悩ませる。米軍の圧倒的火力で中共兵はバタバタと斃されるが、中共軍担当者は「どうせ国共内戦の国府軍捕虜で編成された朝鮮派遣軍だ、この戦いで党への忠誠心を試すのだ」といった非情さを持てる人でなければ早期モラル崩壊か?

[補足]
見てくれが作戦級風なので、ついうっかり突撃を行ってしまい、このありさまです。中共軍は補充が思ったより少ないので、損害を押さえつつ慎重に行動し、国連軍が弾薬を使い果たした頃に総突撃を敢行するのがベストだと思います。
なお、この日のプレイは、ERRATA無しで(存在を知らずに)行いました。
ERRATAで、中共軍の夜間突撃に関するルールや、国連軍の山地帯での行動制限などが追加されたので、もう少し中共軍も粘れるようになると思います。


(AH)Breakout:Normandy
上陸時、オマハの独軍全く損害なく米軍恐慌。しかし英軍カーン早期奪取、その後堅持で勝利を掴む。プレイした2人はアルンヘム・システムのゲームは当ゲームしか経験ないが、とても気にいって今回で4-5回目の対戦。当ゲームは連隊級で上陸から1週間しか扱っていないにも関わらず何時ターンが終わるか分からないスリリングさもあって、Normandyらしさが満喫できると絶賛。ルールが取っ付き難いけど、1回プレイすれば簡単に理解できるとの事。


(AH)Hannibal
何十回対戦されても(多分YSGAでは50数回目)、定石なんて生まれない絶妙なバランスを誇る天才デザイナー・シモニッチ氏の傑作SG。今回はカルタゴ側のカード運が最高に良く、アルプスを消耗無しで越えてローマ軍との決戦を2枚目の二重包囲で勝ち、攻城具、二重攻城カードを携えてローマ進軍。2ターンにしてローマ陥落、カルタゴのハンニバル勝利。


(COM)日本機動艦隊「第2次ソロモン」
ノートPCを使ってオリジナル索敵システムを構築したので今回はそれを初使用。お互いの地図上にはダミーマーカさえ置かれず、文字通り手探り状態での海戦となった。一撃必殺の空母戦を熟知するが故にお互い空母艦隊の機動が慎重すぎ、空母同士の決戦は生起せず。代わりに飢島ヘンダーソン基地砲撃を目論む戦艦陸奥艦隊との水上艦同士の遭遇戦が多発、文字通り鉄底海峡と化していた。結局ヘンダーソン基地は壊滅、米軍の感想「陸奥を撃沈するのはムツかしぃー」


(ツクダ)甲斐の虎「上田原の戦い」
謙信上洛の予定がルールブックを忘れてきて急遽このSG対戦へ。即読即戦。簡単なシステムでなかなか戦国合戦らしさもあり好評。今回はNormandy組もHannibalを終えてこれを対戦したので、2回も上田原の戦いが展開された。村上義清、家臣を救うために突出し武田の重囲に陥り討ち取られる。


(S&T129)Harvest of Death
最近、映画ゲティズバーグ、グローリーを観て南北戦争づいているメンバーと即読即戦。リトルラウンドトップ周辺だけを扱う4分の1サイズマップで旅団規模。マストアタックなのでリトルラウンドトップで激しく争奪戦、しかし5ターンに南軍がマップ北端のThe Angleまで到達、Devil's Denを保持している分南軍優勢だったが、損害が多くて痛み分けか?1ターン5分ほどのお手軽SGだけど面白し、特にChosinみたいなブラッディなゲームの後にはネ。


(COL)War of 1812
先日仙台から出張ついでに遊びに来た元メンバーからこのSGの面白さを聞き、早速手に入れて即読即戦。1812年の五大湖周辺での米英戦争を積木のナポレオンシステムで。横長の地図で兵力の分配が戦略眼の問われるところ。3年目の4ターンまで小1時間で対戦、展開としては米軍やや押され気味といったところ。 


次回は4月13日(日)。今年の5月連休(5月3・4日)ビックゲーム大会にて対戦予定の(SPI)ハイウェイ・トゥ・ザ・ライヒ(日本語ルールは独自に完訳した物。HJ版ルールは暴力的嘘に満ち満ちている為)とドライブ・オン・スターリングラードの練習、その他諸々です。
ちなみに(WG誌55号)OKINAWAは3日間かけて全27ターンを対戦&リプレイ記録しましたので、近々ゲームジャーナル誌にリプレイ記事を送るつもりです。プレイヤーは沖縄という、魂の潰れそうな重いテーマに真面目に取り組むため十冊余りの沖縄戦本を読破して対戦に臨みました。このSGは太平洋物に有りがちな(おまけに雑誌付録)いい加減さが全然無く、テストプレイも充分行なわれているのでルール、、ゲーム展開とも不条理な点は一切見当たりません。隠れた傑作とはこんなSGの事でしょうか?以上

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