大夕張と大夕張鉄道の痕跡(平成2年3月・平成15年8月)


大夕張に寄せて
大夕張に南大夕張から歩いて一度訪れたことがあります。 シューパロ湖の湖岸をゆっくり歩いていくと駅の跡を利用した公民館が点々と続きます。 昔どんな風景が広がっていたのかなかなか想像することさえできませんでした。 鹿島へ着くと閉まった商店が多いながらも商店街が立ち並び、少し道をはずれた場所には炭鉱住宅を払い下げしたのか鉄筋二階建ての住宅も2棟ぽつんとありました。 そんな中で商店の取り壊し作業が1軒進められていました。 バス停であった老婆が私に語りかけてきました。 向こうの山にスキー場ができればこの街はまたにぎやかになる。 反対運動もあるから無理かもしれないけどこの街がまた活気を取り戻して欲しい。 そんな言葉を投げかけられました。。

夕張岳のスキー場は貴重な高山植物もありほとんど不可能ですし、つくるべきでもないでしょう。 でもこんな言葉を目の前にしてしまうと大夕張の喧騒がよみがえって欲しいと切に思ってしまいます。 シューパロのダムの嵩上げ工事によって大夕張も水面下に姿を消してしまいます。 昔、夕張から独立して市になる話もあった鹿島地区は無人の地となります。




■青葉トンネル跡

南大夕張からシューパロ湖に向かう途中にあるトンネル。 ダム建設に伴う国道改良工事により道路トンネルとして生まれ変わった。



■覆道跡

シューパロ湖のダムのすぐ先には鉄道の覆道跡があります。



■旭沢橋梁

南大夕張から行くと明石町手前にある旭沢橋梁。この構造物は平成15年8月にもほぼ90年と変わらず存在していることが確認できました。下弦トラス橋という珍しいもので普通では上部に造られるトラスが下部にあるのが特徴で強度的にも十分なものがあります。



■旧明石町駅舎

大夕張市街の入口にあった明石町駅の駅舎です。 大夕張鉄道廃止当時に何らかの形で転用され、その後使用されなくなった可能性があります。



■旧大夕張駅舎

大夕張市街の中心地にあった大夕張の駅舎です。 この駅舎は大夕張鉄道廃止後も地域公民館として活躍していました。 洋風?のおしゃれな建物です。



北海道旅情報巻頭  3-1.炭鉱町を旅する
大夕張と大夕張鉄道の痕跡(平成2年3月・平成15年8月)