夕張市南部地区再訪

夕張市南部地区再訪


約5年ぶりに三菱南大夕張鉱のあった夕張市南部地区を訪れました。

新夕張−夕張のメインルートからはずれる南部地区は閉山後、人口は激減したものの国道沿いを中心に人家はまだ点在しています。 新シューパロダムの建設により水没する大夕張と違い、これからもこの地区は人が歴史を刻んでいきます。 南大夕張鉱の炭鉱住宅が集中していた菊水町は炭鉱住宅はすべて撤去されました。 しかしながらわずかにその入口にあった商店街が建物としては残っています。 住んでいる人がいるのか窓にビニールを張った家もまだ何軒かありました。 半分くずれかけた建物の横で暮らす様子は違和感があるようでいてなんとなく調和している不思議な空間です。 商店街の脇にはゲートボール場までできて人の姿もちらほらしていました。

急激な人口減少の時に起こった社会空間の崩壊が減少が止まった時点で再形成され安定したのでしょう こんなのんびりした雰囲気は何か心をほっとさせるものがありました。

南部地区の話題としてもうひとつあるのは炭鉱鉄道の客車保存の問題でしょう。 私が行ったときはこれ以上の客車の腐食を防止するため客車にブルーシートがかけられていました。 明治から走り続けた貴重な客車で保存の必要性もわかるのですがここまで腐食が進んでしまった状況でどう対応すればいいのか、 完全に復元をするにはどのくらいの費用がかかるのか解決しなければならない問題は多いと思います。 多くの人にこの車両の存在を知ってもらうにはやはり石炭歴史の村で保存するのがいいのではないかと私は思います。 私としても微力ながら寄付をしたいと最近考えています。

晴れた青い空のもと、シューパロダムの工事は進んでいました。 短期間で栄枯盛衰を経験したこの地はこれからどのように変化するのでしょうか。


北海道旅情報巻頭  3-1.炭鉱を旅する