江差かもめ島



江差には海にぽっかり浮かんだ島、かもめ島があります。名前の通りかつては独立した島だったと考えられるのですが現在は堤防と埋立地により陸続きになっていて簡単に渡ることができます。江差港は歴史のある港でその繁栄の要因としてはやはりこの島が外海と隔離された入り江を形成し天然の良港であったことが大きいと思われます。そしてこの島は江差のシンボルとして小さな観光地になっています。

観光的な色彩を感じるのは島の入口です。お土産屋があったり、島の台地の上には宿があったりするのです。かつてはかなり賑わったのでしょうが時代の流れに取り残されたのかのように寂れた雰囲気が強くなっています。このような観光地の状況は全国各地で見られる現象で昔は1泊する観光地であったのが交通の利便性が向上したことにより日帰り客が多くなりこんな風体を呈していくのです。そうはいっても魅力的な場所であることは昔と変わっていないのです。



島をめぐる遊歩道には台地の上と下どちらにもあります。島の下の遊歩道はかつては崖直下あり、今もその痕跡はずっと残っているのですが、危険性から立ち入り禁止になり海上を渡っていく新たなものが造られました。その遊歩道は歩くとなかなか楽しく距離もけっこうあります。終点から台地に上ってぐるりと一周することができるのです。加えて岬に行く歩道などもあるので半日くらいのんびりすることもできるでしょう。



かもめ島の入口に係留されているのは開陽丸。徳川幕府最後の軍艦で残っていた資料により復元されました。館内は展示室にもなっています。



北海道旅情報巻頭  3-9.ぐるり海岸線紀行

江差かもめ島