= 土浦といえば、やっぱり花火だね! 参考資料 =

花火のオールスター戦
これが全国花火競技大会だ!(秋田県大仙市)


 
 ここでは土浦全国花火競技大会の紹介をするにあたりまして、秋田県大仙(だいせん)市大曲地区の全国花火競技大会(通称・大曲の花火)について紹介しようと思います。ただし、秋田県は作者 まるしん の地元ではないゆえ、あくまで「あらましのみ」の紹介にとどめます。もし、実際に観に行かれる場合は,大仙市の公式ペイジや地元の方の個人ペイジの情報を併用されることをお勧めいたします(98.8.22撮影)。
 
 
大会提供花火。とにかくすごすぎ!

 
★【大曲】全国花火競技大会の概要
 秋田県・大仙市大曲地区の花火競技大会(以下「大曲の花火競技大会」と記します。)は、毎年8月第4土曜日に、大仙市大曲地区の雄物川畔(JR大曲駅から約2km)で行われます。発数は約15000発。'06年の人出は約75万人とのことでした。
 シーズン末(というか、シーズン外)の土浦全国花火競技大会を「花火の有馬記念」「花火の『紅白』」とたとえるなら、シーズンまっただ中のこちらはさしずめ「花火の日本ダービー」「花火の『24時間テレビ』」,そして「花火のオールスター戦」といえるでしょう。作者 まるしん は,'98年の大会に茨城からはるばる出撃してしまいましたが(爆)、まさに驚かされ、新たに認識させられの連続。以後、'01年には2度目の、そして'04年から'06年まで3年連続して遠征をかけています。
 一方、残念なのは、(花火自体には関係ありませんが)大会当日どういうわけか雨にたたられることが多いこと。大曲の花火競技大会は土浦のそれと異なり原則として雨天決行ですが、雨では花火が観づらいことには変わりありません。ちなみに、'99年・'00年・'02年・'03年はいずれも雨予報だったため、作者 まるしん は大曲市(当時)遠征を企てるも、結局実行は見合わせています。

★【大曲】伝統と権威をもつ競技大会
 大曲の花火競技大会は、1910(明治43)年以来、一時中断はあったものの、'06年で第80回を数える伝統的なもの(土浦全国花火競技大会を5回上回る回数)。大曲の花火競技大会の正式名称は単に「全国花火競技大会」で、「大曲」や「大仙」という地名が入りません。この花火競技大会が伝統と誇りをもっている証拠です。

★【大曲】「昼花火」がある!
 大曲の花火競技大会は、競技として「昼花火」の部(17:00〜)があるのが特徴です。昼花火は太陽のもとで打ち上げられる花火で,爆発後に残る煙の色などで勝負します。昼花火自体観られるところがごく少なく、競技としてはここが唯一です。昼花火の競技は17:40くらいで終了、中休みののち、夜花火の部(18:50〜21:30)へと続きます。

 
 
昼花火 熱気に包まれる雄物川畔

 
★【大曲】夜花火の種目は?

(1)10号割物の部
 花火のサイズの中で最も美しく広がり、そして最も奥が深いと言われているのが10号玉(尺玉)です。大曲の競技大会では、芯入割玉(花火の基本となる、同心円状にまん丸に広がる花火)と割物自由玉(それ以外の花火。例えばしだれ状になったりする。)の2発をひと組して、その技術を競います。

(2)創造花火の部
 1964年(昭和39年・第38回大会)から採り入れられた部門。創造花火とは簡単に言えば、「花火は丸い」の概念に必ずしもとらわれない花火のこと。大曲の創造花火は「8号玉10発」と「速射連発130?発(持ち時間2分30秒)」の2者択一で、前者の場合花火の形がタイトルに合致しているか、後者の場合はそれに加え「打ち上げのリズム」なども審査の対象になります。
 なお、大曲の花火競技大会には、競技としての「スターマインの部」がありません。しかし、最近はすべての業者が、上に挙げた2者択一において速射連発形式のほうを選択しており、大曲の「創造花火」は、事実上スターマインのようなものになっています。ですから、土浦の部門に置き換えれば「10号玉」と「スターマイン」の2部門が存在すると考えてもよいでしょう。
 

★【大曲】土浦から大曲へ・創造花火の流れ
 業者は、創造花火に関しては、まず7発打ち上げ形式の「土浦」で作品をデビューさせ、スターマイン形式の「大曲」で完成させるという図式ができているようです。実際に、ある年の秋の土浦花火競技大会で見かけた想像花火の作品が、翌年夏実施の大曲花火競技大会の創造花火の作品の中に組み込まれているのを見かけることがあります。また、'06年の大曲の花火競技大会においては、全作品がBGMの入ったものでした。それゆえ、音楽と花火が合っているかどうかも審査の重要なポイントです。
 したがいまして、大曲の花火競技大会は、土浦にもまして「会場近くで観るべき」花火です。

  • ちなみに、「土浦」のスターマインの部でもBGMを入れることは妨げられていません。以前はBGMが入る作品はごく少数でしたが、21世紀に入って以後、BGM付きのものが多くなっています。
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    ★【大曲】気合いの入った余興スターマイン
     先述のとおり、大曲の花火競技大会の創造花火は事実上スターマイン形式ですが、やはり「創造花火」という名目ゆえ、「真正スターマイン」に比べ、打ち上げのテンポは多少ゆっくりです。しかし、大曲の花火競技大会でもスピード命(…?)の(真正)スターマインは観ることができます。具体的には、おおむね競技花火3業者ごとに挿入される「余興広告仕掛け花火」の際に揚がるのですが、大曲の大会では「競技部門としての」スターマインが存在しないからか、余興スターマインに対する気合いの入れ方はものすごく、土浦の競技(真正)スターマイン並みの規模をもちます。また、スターマイン形式以外にも、10号玉数十発を2〜3秒おきに連続して揚げる余興広告花火などもあり、競技外の花火も目を離すことができません。
     

    ★【大曲】事実上のメイン・大会提供花火
     競技会主催者サイドで打ち上げる「大会提供花火」も、競技外の余興(・・・と表現するのは気が引けるのだが)花火のひとつです。これはBGMの入ったいわゆる「(大曲流)創造花火」なのですが、な、なんといちどきに5カ所くらいから打ち上げられるとんでもないもので,まさに大スペクタクル
     これがラストでなくプログラムなかば(20:40ごろ)に組み込まれているのは、帰りの混雑分散目的かもしてませんが、大会提供花火があまりにもすごすぎるため、直後に競技花火を打ち上げる業者がかわいそうなくらい。実際、これを観て帰る人も多いのですが、「競技大会」が本筋ゆえ、最後の出品業者が打ち上げを終えるまで見届けるべきだと思います。


     
    ★【大曲】余談・電車に注意
     
    駅前広場の「改札」  大曲の花火競技大会を観に行くにあたって,気をつけなければいけないのは,電車。特に「帰りの足」です。「混雑するけどとりあえずすんなり乗れる」土浦全国花火競技大会の状況を見てきた作者 まるしん にとっては、まさに落とし穴でした。大曲では花火観戦終了後、電車に乗る前にあらかじめ駅前広場にならぶことが必要(雨だったりすると大変)で、方面によっては次に出る電車に乗れずに1〜2本待ちすることもあります。

     その要因は、どう考えても電車1本あたりのキャパシティの違い。すなわち東京近郊で電車を延々15両つないでいる場所と、地方で4〜5両そこそこの場所の違いです。もし仮に同じだけの人数が花火終了後駅になだれ込んだ(注:近年の大曲・土浦の両競技大会の人出は、ほぼ同じ)としたら、その状況の差はおおかた想像つくでしょう。

    駅前広場の「改札」

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