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"Michael"と"Michele"
で、仕方なくマンフレドニアからはタクシーに乗った。まったく高くついたぜ。
しかし、その日の苦難はそれだけでは終わらなかった。
モンテ・サンタンジェロは、”聖天使の山”という意味。"Angelo"は大天使ミカエルのことを意味する。で、ミカエルはフランス語ではミッシェルとなる。だから、この街は、フランスの有名な"モン・サン・ミッシェル"と同じ名前ということになる。
それでもって英語ならマイケル、独語ならミハイル…。そう、シューマッハもハッキネンもゴルバチョフもジャクソンもみ〜んな同じ名前なのだ。
さて、その日の私は、"ミカエル"(Michael)という名のホテルを目指していた。事前にインターネットで見つけたホテルだった。タクシーの運ちゃんに聞くと、”よく知ってるよ。いいホテルだよ。”ってな返事が返ってきた。そんなわけで、住所の説明は不要と安心し、海から山へと一気に駆け上がって行くような道の風景を楽しんでいた。
ところが、着いたところは"ミケーレ"(Michele)という名のホテルであった。しかも、値段が高そう。これは違う。
"ミケーレ"のフロントで確かめてみると、別に"ミカエル"というホテルがあるとのこと。道も教えてくれたので、予定通り"ミカエル"までタクシーで連れて行ってもらった。
ところがである。なんと"ミカエル"は満室のため宿泊不能。たまたまその日は、結婚式に出席する新郎新婦の親族で、部屋がいっぱいになったようだ。かくして、私はまた最初の"ミケーレ"に戻ることに。今度は徒歩だ。結局、"ミカエル"ではなく"ミケーレ"に泊まった。
もっとも、これは結果的にはよい選択となった。"ミケーレ"は、見た目は近代的だけれど、スタッフがみな暖かく迎えてくれて、どこか家庭的な感じがあった。部屋は快適だし、値段も思っていたほどは高くはなかった。
二泊したけれど、ホテルのレストランはいつも私一人の貸し切り状態。朝夕と4度お世話になった。客が一人だけだというのに、多彩で新鮮な食材が使われているのには驚いた。しかも、値段の割には手の込んだ見た目にも美しい料理を出してくる。客が少なくても、きちんとした準備を整えているところは立派。
その"Michele"を観に行く
さて、この街の見所は何と言ってもサン・ミケーレ・アルカンジェロ聖所記念堂。とにかくミケーレだのミカエルだのが重要な街なのだ。
その昔、この地には大天使ミカエルが出現したと伝えられている。そのため、かなり古くから巡礼地として知られていた街だった。ノルマン人が南イタリアに進出することになったのも、この地への巡礼がきっかけになったと言われている。ノルマンディにも同じ"モン・サン・ミッシェル"があることだし、そこで間に合わせればよかったろうとは思うが、わざわざここまでやって来ていたらしい。
記念堂は巨大な建物で、入口から入ってみると、延々と続く階段を降りて行くことになった。
実は、この宗教施設の中心部分は洞窟。洞窟のある斜面を覆うように、いろんな建物が造られている感じなのである。洞窟には大勢の人が集まり、祈りを捧げていた。なかなか神秘的な空間だった。
奥にある祭壇では、大理石の"Michele"の像を観ることができる。小さいけれど、とても美しい像だった。