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と、ビクビクしながら歩いていたら、背中をドーンと叩くやつがいた。振り返ると、子どもが何かわめいている。おいおい、びっくりさせないでくれ。それと、ケーキのクリームだらけの手でおじさんのコートに触らないでね。
ああ、そこの道端でおしゃべりしてるおばさん、私はあやしい者ではありません。こっちをじっと見るのは止めて、おしゃべりを続けて下さい。
道でおしゃべりをしている人が多い。けれど、私が歩いて行くと、おしゃべりを止めてこっちをじっと見る。向こうも警戒しているのだろうけれど、こっちも怖い。どうも、カメラを取り出して撮影できる感じではない。
海に逃げる
というわけで、海岸通りに抜け、海など撮ってみる。
私が行ったとき(1997年3月)、バーリの港には、大勢のアルバニア難民が押し寄せていた。インチキねずみ講の問題で暴動が起き、無政府状態となってしまったからだ。イタリアのマスコミは連日プーリアに押し寄せる難民のニュースを報道していた。プーリアには、かつてオスマントルコの支配から逃れてきたアルバニア人難民の村がいくつかある。プーリアは、大昔からギリシャの政治状況に影響を受けてきた。親戚を頼ってやってきた難民も多いらしい。
ノルマン城でエジプト展
神聖ローマ皇帝フリードリッヒ2世が建てた城を見に行く。
現在、城は美術館としても利用されている。私が行ったときには、古代エジプトの宝物展が開催されていた。
最初、中で何をやっているのかわからず、どんな美術館なのかをチケット売場で聞いてみた。答えは”Bello!”の一言のみ。ただし、大きなゼスチャー付きで愛想はやけにいい。南イタリア的解説に感服し、チケットを買うことに。さて、展覧会はなかなか充実した内容だったのだけれど、フリードリッヒの遺構とエジプト展がごちゃ混ぜになって、妙な気分。しかも、その日は旅行日程の最終日だった。プーリアで訪ねたぼろぼろの街の記憶が、エジプトの黄金の鮮烈な輝きでかき消されてしまったような。やはり、プーリアに黄金は似合わない。
空港と中央駅との間はバスが運行している。切符はバスの中で買える。旧市街の中は、ちょっとデインジャラス。新市街も一人歩きには注意が必要とのこと。カメラを首からぶら下げて歩いていたら、おじさんに注意された。”この街は危険だから、バックの中にしまいなさい”と。