updated Aug. 24 1998
派遣110番によく寄せられる質問と回答例(FAQ)


質 問 と 回 答 例 (F A Q)

2400. 派遣先がいやで、ようやく派遣期間が終わったのに、派遣先が私を気に入り、派遣会社(派遣元)が勝手に派遣を継続する約束をしたが
 労働者派遣の多くは、派遣元と派遣先が期間を定めて労働者派遣契約を締結して行われます。また、労働者派遣契約の内容を派遣元が派遣労働者に就業条件明示書で労働者に伝えて行うことが義務づけられています。
 派遣は、指揮命令を受ける派遣先によって労働条件や労働環境が大きく影響を受けるきわめて特殊な法律関係です。派遣労働者として働くことについては、労働者派遣法によって労働者の同意が必要とされています(労働者派遣法第32条)。

 労働基準法第32条(派遣労働者であることの明示等)

 1 派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、当該労働者にその旨を明示しなければならない。
 2 派遣元事業主は、その雇用する労働者であつて、派遣労働者として雇い入れた労働者以外のものを新たに労働者派遣の対象としようとするときは、あらかじめ、当該労働者にその旨を明示し、その同意を得なければならない。


 労働者にとって重要な一定の派遣先で何時まで働くかは、あくまでも、派遣労働者本人の意思によるのが基本原則です。使用者が異なるという意味では、出向と同様ですので、労働者の同意を得るのが基本です。派遣の更新にあたっては、労働者本人の意思を配慮しないで、派遣先との間で勝手に派遣を承諾する派遣元の対応は、労働者派遣事業の適切な運営だけでなく、法的にも認められないことです。

 とくに、労働者派遣は、派遣される人(労働者)を特定してはいけません。派遣元が自信をもって派遣元との労働者派遣契約に基づいて、適当な労働者の同意を得て派遣することになっています。派遣労働者を特定して派遣を受入れようとする派遣先の態度は、このような制度の趣旨を誤解していますし、その点を指摘して、制度の本来のあり方を説明するのが派遣元の役目です。
 登録型派遣労働者の場合には、労働者派遣契約では1年の期間があっても、派遣元との間では労働契約で6ヵ月などの短期間の契約期間が定められていることが多いと思います。
 労働者派遣契約の期間は通常1年と限定されています。一部の業務を除いて、本来であれば、労働者派遣は臨時的な業務増大などに対応するものです。労働者派遣契約の更新は例外であるということになっています。労働者は、2回まで更新を認める(3年以上の同一派遣先への労働者派遣は認めない)旨の通達を出しています。
 ご相談の事例が3年以上の継続派遣であれば、この同一派遣先への派遣は3年上限を理由の一つにして、派遣就労を拒否することができます。

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