もどる
第157回  工房の 聖バレンタインの夜

「はい、これアンタ達に。」
そう言って、くま女王は、輝豸雄達に小さな包みを差し出した。

「えっ、、、。」
「ぼ、僕達に、、、。」
「貰えるのか? 本当に貰っていいのか?」
「何言ってるのよ。 いいに決まってるじゃない。
 アンタ達に買ってきたのよ。  それとも、チョコ嫌いだったっけ?」
「あ、ありがとうございますっ! くま女王さんっ!」
「ありがとうございますぅ〜〜。」
「あ、あ、あ、ありがどうございばず、、。」
「やだ、ちょっと。 なによ。
 甘栗くん、何泣いてるのよ。」
「だっで、だっでオデ、うばれでばぎめでじょごべいどぼらっだんばぼん〜。
 ぶれじぐで、ぶれじぐで、、、  オデ、オデ、、、。」
「もうぅ、何言ってるのよ。
 ね、もう涙を拭いて、お鼻もかんで、、、。
 もう、なんだか、、、もう。」
そういうと、何だか照れくさそうにしながら、くま女王は部屋を出て行った。






      

翌朝のこと。
輝豸雄達3人は、改めて昨夜くま女王さんから貰ったチョコレートを眺めていた。

「えへへ、、、。」
「うふふ、、、。」
「ふふん、、、。」

3人は、溢れ出る喜びを隠す事が出来なかった。
                                                   第158回に続く