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第129回  工房の 未 確 認 捕 獲 物 体
「なぁなぁ、一体全体、コイツって 何だと思う?」
   そう言って、甘栗は右手を大きく突き上げた。
「 ゲ ゲロゲロ 」
その、一見、カエルにも観える生き物は、奇妙な鳴声(?)をあげた。
「カエルだよ、カエル。
 きっと、新種のカエルだよ、食べるとおいしいよ、きっと。」
   麝弐猪がそう言った。
「 ゲロゲロ ゲ〜ロ 」
「輝豸雄は どう思う?」
「そ、そうだなぁ。う、宇宙人じゃないのかなぁ。」
「こんな変な宇宙人がいるかよっ!
 宇宙人ってのは、もっと格好良くて、強いはずだろ〜。」
「そうだよ、輝豸雄くん。
 こんな宇宙人いないって。」
「う〜ん、、、。
  
  
” でも、やっぱり、 宇宙人じゃないのなかぁ〜 ” 
   声にこそ出さなかったが、輝豸雄はそう思っていた。
                                                   第130回に続く