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第118回  工房の 気 だ る い 午 後

「ねぇ、輝豸雄くんっ!」

  「誰ぇ〜。」

「ねぇってば、輝豸雄くんってばっ!

  「誰ぇ〜。」

「もう時間だよ、交代だよ〜。」

  「誰ぇ〜。」

    


「いい加減にしてよ、輝豸雄くんっ!」

麝弐猪は、ちょっと怒っていた。

工房の午後はかつてないほど、暑かった。

                                                   第119回に続く