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第112回  工房の  6月 の 第3日曜日 

「くま旦那さんっ! 早く!早くっ!」
「なんだよ、輝豸雄。」
「何だっていいじゃないですか、今日は6月の第3日曜日なんですから。」
「? 第3日曜日ぃ?」
「そうですよ。 忘れたんですか?」
「なんだったっけ?」




   夕食後、くま旦那は輝豸雄達に急に呼び出された。
   何でも、スペシャルなイベントを企画したらしい。
   確かに、昨日の夕方辺りから、3人でバタバタしているなぁ、とは
   思っていたが、
      「まさか、イベントとは、、。 一体、なんのイベントなんだろう?」




「じゃぁ、ココで待っていてくださいね。」
「は、はぃ、、、。」
「いいって言うまで、入っちゃダメですよ。」
「ハイハイ。」
「返事は一回ですよ、くま旦那さん。」
「は〜い。」
「くすっ(笑)。」




   どれくらい待っただろうか。
   おそらく、数分にもならなかっただろう。
   部屋の中から、子熊たちの呼ぶ声がした。


「くま旦那さ〜ん、どうぞ〜。」
   「入っても、いいぞ〜。」
      「どうぞ〜。」
          「ぅぞぉ〜。」


しっかりと空調の効いた部屋の中でくま旦那を待っていたのは、、、、



        

「じゃ〜ん、くま旦那さん、 ちちの日 オメデトウございま〜ス!
   「じゃ〜ん、 立派な ちちの日だろ〜! えっへん!」
       「ちちの日 おめでと〜!」
            「めでとぅ〜。」


「お、お前達、こっ、この、、、。」


「毎年、6月の第3日曜日は、 ” ち ち の 日 ” で、
 立派な ちち を持った女の人を呼んでお祝いするんですよね、くま旦那さんっ!」
「俺たち、去年くま旦那にそう教わって、今年は一生懸命に頑張ったんだぜっ!なっ、麝弐猪っ!」
「うん、ぼくたち、がんばっちゃった!」
「ちゃった〜、ちゃった〜。」



「あ、貴方が、くま旦那さん、、ですか、、、、、。」

水着の女性がくま旦那を キッ! と睨みつけて話し始めた。

「あっ、いや、その、、、。」
「あ、貴方。 
 こ、子熊たちにいったい何を吹き込んでいるんですかっ!」
「い、いえ、ぼ、僕は、何も、、、、。」
「何にも知らない子熊ちゃんたちを使って、
 なんて破廉恥なっ!」
「いや、、、、、。
 その、、、、、。」
「嫌なのは、こっちです。」
「あの、、、、。」

くま旦那、絶体絶命の ちちの日 だった。
                                                   第113回に続く