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第40回  工房の ペコちゃん誘拐事件

其れは、確かに其処に存在した。
何時、何処から、どうやって其処に遣って来たのか。
輝豸雄たち3人は、顔を見合わせて溜息を吐いた。


「確か、最初は 串八 だったよな」
「そうそう、其の後、 天一 でラーメン喰ったよな。」
「で、其の後は、」
「もうちょっと飲もうって輝豸雄が云い出したから、」
「そうそう、 カプリチョス で乾杯したよな。」
「俺かぁ!?」
「そうそう。其の後、また、今度は がんこ寿司 で飲んで」
「そうだっけ?」
「 長浜 で、博多ラーメン食べたよね。」
「俺は食べてないぞっ!」
「ま〜たまたっ!もうっ。」
「えっ、2度もラーメン食べたっけ?」
「食べたよ。」
「俺は、食べてない!」
「俺も、食べてない。少なくとも 長浜 には行ってない!」
「行ったって。2人とも本当に憶えてないの?」
「お前が酔っ払ってたんじゃないのかよぉ。なぁ、輝豸雄」
「う〜、う〜ん。」
「たしか、誰かが、 甘い物が食べたい って言い出して」
「それは、お前が言い出したの」
「そうそう。」
「みんなでイチゴショートケーキ食べたよねぇ。」
「はっ!」
「!?」
「!!!」

   

「と、云う事は、、、、、、、。」
「この娘は、、、。」
「四条河原町の「不○家のペコちゃん」だっ!」
「善かった〜。やっと身元が割れたよ」
「良かった良かった。」

「さて、、、、。」

3人の間に、一瞬の沈黙が走る。
「お前だろっ!」
「お前だろっ!」
「お前だろっ!」  三人が一斉にお互いを指差した。



誰が、不○家に彼女を送っていくのか、
輝豸雄たちの話し合いは、何時果てる事無く続いていた。
                                                   第41回に続く