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第38回  工房の 一家団欒

輝豸雄には、家族の記憶が殆んどない。

倶馬美小母さんに抱かれているこの写真をみても、
輝豸雄には、家族の実感というものを感じる事が出来なかった。

  

自分は、何処から来て、何処に行くのか。
家族って何か?
自分って何か?

今、この工房で働いている瞬間が、一番楽しいなぁ、輝豸雄は素直にそう思う。

                                                   第39回に続く