もどる
第36回  工房の 一世一代の大ピンチ

「はっ!」
一瞬の出来事だった。
決して、気を抜いていたわけではない。
「うっ!」
輝豸雄の首に巻き付いた鞭がじわりじわりと、絞まってきた。

「あっ、輝豸雄ぉっ!」
「てでおく〜んっ!」
二人の叫び声が、辺りに響く!



坊や達、、ダメよぉ〜、
  こんな処で遊んでいちゃぁ。

どうしたのぉ?
  おね〜さんが、一緒に遊んであげるから
其処でおとなしくしていなさいっ!


甲高い笑い声が響き渡る。



「輝豸雄〜!」
「てでおく〜ん、大丈夫ぅ?」



は〜い、それ以上近付いちゃダメよぉ〜、
  おとなしくしてたら、
    すぐに楽になるわよぅ〜!



「ぼ、ぼくは、大丈夫だから、、、。」
絞められた咽喉から、
輝豸雄が声を絞り出す。
「二人とも、は、早く此処から逃げて、、、、」

「何言ってるんだよっ!」
「そうだよっ!」
「お前を残して帰るなんてっ!」
「そうだよっ!」

「み、みんな、、、、。」

「早く替わってくれよぉ〜、お前だけ楽しんでないで、俺にもおね〜さん紹介しろよぉ」
「そうだよっ!ずるいよ、てでおくんっ!そんなに楽しそうな事、早く替わってよぉ〜」
「おれも、おね〜さんと遊びたいよぉ〜」
「ぼくもっ、ぼくも遊ぶっ!ぜったい遊ぶっ!」

「お、おまえ達、、、、、。」
この状況を見て、どうしたらそんな考えが浮かぶんだと、
小一時間ほど問い詰めたい、輝豸雄だった。
                                                   第37回に続く