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第93回  工房の 大 番 頭

「お〜い、もう計算は終わったか〜?」
「ちょっと待って〜。」
「ってぇ〜。」
「えっ〜と、
 もう一回計算してっと。
 願いましては、レイキャシ 一セットォ〜
          おねティ 一セットぉ〜
          リセヴィネ 一箱ぉ〜
          ディスガイア 一セットォ〜
          ムーミンズランチ 一セットォ〜 では。」
「どうだ〜い?」
「〜ぃい?」
「う〜ん、何回計算しても、御明算にならないんだよなぁ〜。」
「そうかぁ〜。
 やっぱりくま旦那さん、そんなに無茶な買い物してないんじゃないの?」
「そうかなぁ、、、。随分買っていたように見えたんだけどなぁ。」


  

「これだと、もっと儲かっていていい筈なんだよなぁ〜」
「そうかい?」
「うん、
 今回は、鼻メガネもまぁまぁ売れたし、
 ガシャ機やら、松葉杖やら、なんだかんだと売れたんだよなぁ。」
「そうかぁ、だったらもうちょっと儲かっててもいいよな。」
「よな。」
「うん、そうなんだよねぇ〜。」
「くま旦那、嘘の値段申告してない?」
「一応、パンフレットとネットで確認したんだけど、嘘は吐いてないみたい。
 嘘は前回で懲りたんでしょ(笑)。」
「そうだよなぁ〜。値段誤魔化してたのがばれて、くま女王さんに ボコボコにされてたんもんな。」
「もんな〜。」
「そうだったねぇ〜。」
「まっ、そんなに大きく違っているわけじゃないから、
 くま女王さんには、このまま報告書出しとくよ。」
「そだな〜、じゃ、後は頼んだし!」
「だしっ!。」
「りょ〜ぅかいっ!」
「次回はもっと儲けようねっ!」
「お〜!」
「ぉ〜!」





輝豸雄達の会話を物陰で聴いていたくま旦那は、
ひとり、心の中で懺悔していた。
 ” 輝豸雄、、、、。すまん。
   計算が合わないのは、お前のせいじゃないんだ。
   俺が買ったモノはそれだけだが、
   おねティと、リセヴィネは4セットずつ買っちゃったんだよぉ〜。
   ごめんな、輝豸雄。こればっかりは、くま女王にも お前にも 言えなかったんだよ。”


 ” ボコボコ だけは もうごめんなんだよ、輝豸雄、、、、、。”


くま旦那の懺悔(心の中)は、何時果てることなく続いていた。
                                                   第94回に続く