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第82回  工房の 対外試合

 フレー! フレー! 4組!
     頑張れ! 頑張れ! 4組!


  チアガールの声援が校内に響いていた。 
  今日は、クラス対抗野球大会の日だ。


輝豸雄達のクラスは苦戦していた。
初回いきなりフォアボールの連発で3点を失うと、
2回は何とか凌いだものの、
3回に2点、
4回・5回に各1点を失うなど、守りきれていなかった。

攻める方でも、
4番・5番が本来の調子でなく、
ランナーを貯めるものの、後一本が出なかった。

6回の攻守が終わった。
得点は、 7−2 。

最後の攻撃だ。
突然、4組のピッチャーが乱れた。
フォアボールが続く。
ヒット!
ツーベース!  初の連打だ!

堪らずに、4組はピッチャーを替える。
代わり際を叩く。
ヒット!
この回、2点目だ。 得点は、 7−4 。

 キャー 負けないで〜
    頑張れ〜 4組ぃ〜!


声援を背に、ピッチャーが立ち直る。
三振!
連続三振!

ついに、7回裏、ツーアウト、ランナー無し。
観客が、息を飲んでスタジアムを見守る。
最後のバッターが、バッターボックスに入ろうとした時、
監督が叫んだ。
  「ピンチヒッター、輝豸雄!」

    

「輝豸雄っ! 負けたらお前の責任だからな!  死ぬ気で打って来い!」
「よっ、よし。  が、頑張ってくるよぉ〜、、、。」

 バッターボックスに向かう輝豸雄の足は震えていた、が、しかし、その心は熱く熱く燃えていた。

                                                   第83回に続く