もどる
第80回  工房の バナナ問題

「え〜、以上で明日の遠足の説明会を終わります。
 何か、質問は?」
「はいっ、先生。」
「何だ?」
「おやつはいくら持って行っていいのですか?」
「うん、おやつは300円までだ。」
「じゃぁ、先生。」
「今度は何だ?」
「バナナはおやつに入りますか?」
「う〜ん、、、、そうだなぁ、、、。」
「どうなんですか、先生!」
「よし、バナナは、おやつじゃない ことにしよう。
 うん、みんな、今度の遠足では バナナはおやつじゃないぞ。」
「わ〜い!」
「わ〜い、わ〜い!」
「その代わり、おやつはキッカリ300円だからなっ!
 オーバーしたヤツは遠足に連れて行かないからな。」




    「善かったね〜、バナナはおやつじゃないんだって。」
    「うん、よかったね〜」
    「・・・・、・・・・、・・・・・。」
    「ん?」
    「どうしたの?」
    「いや・・・、、、。」
    「どうしたのさ?」
    「今時、300円で何が買えると思う?」
    「!」
    [まったく、騙される処だったぜ。」
    「?」
    「先生達はよ〜、バナナという飴で、自由におやつを買う権利を俺たちから奪ったんだ!
     許すまじ、体制!自由民主主義の敗北だぁ!
     300円分のおやつじゃ、お腹が一杯にならないぞ〜!」
    「第一、バナナ、バナナって、バナナがそんなに偉いのかよぉ〜。」
    「うん、バナナは偉いよ。」
    「!?」
    「えっ!」
    「だから、バナナは偉いよ、うん。 うちの畑で採れたバナナなんて凄く偉い様な気がするよ。」
    「なんなら、明日持っていく?」
    「そ、、、そんなに凄いの?」
    「うん、凄いよ。」




    


「た、確かに、、、。」
バナナは凄い食品なんだと改めて実感する輝豸雄だった。

                                                   第81回に続く