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第78回  工房の 冬支度

「暖ったかいよなぁ〜。」
「うん、暖ったかいよね。」
「えへへ。」
「でへへ。」
「うふふ。」
「あはは。」

   

それは、昨日の夜の事だった。
輝豸雄達3人は、夕食後 くま女王に呼び出された。

  「おい、今日は別に失敗しなかったよねぇ。」
  「お皿も割ってないし、ニンジンも残さなかったし。」
  「ぼ、ぼくも3杯しかお代りしなかったよ。」
  「なんだろうねぇ〜」
  「なんだろうなぁ〜」
  「美味しいものかなぁ〜」






「はいっ、コレ アンタ達に。」
くま女王の手には、暖かそうなセーターとマフラーがあった。
「えっ!」
「うっ!」
「あぅ!」
「アンタ達 こんなに寒くなっても、冬眠もしないで頑張ってくれてるから、
 御褒美よ。
 今年の冬も随分と寒いみたいだけど、頑張ってね。」
「ありがとうございます〜」
「ございます〜」
「います〜」




” 寒い朝でも、心ひとつで暖かくなる ” それを今 輝豸雄は実感していた。
                                                   第79回に続く