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第76回  工房の 秘密の練習風景

「さぁ、もう一回やってみようかぁ!」 輝豸雄の声が響く。


  「うっ、まだやるんですかぁ?」
      「お腹が空いたよぉ〜。」
「本番まで時間が無いんだよ。しっかりやらないと、いかんでしょうがっ!」
  「は〜い、はいはい。」
      「は〜ぃ。」

  


 「ハーッハッハッハッハッハ
  そうです
  はるか遠いニューギニアの
  火力発電所から
  100万ボルトの電線を
  ひた走り
  ただいま参上
  日本の皆さん
  私がデンセンマンです」





  電線に
  雀が三羽止まってた
  それを猟師が
  鉄砲で撃ってさ
  煮てさ焼いてさ
  食ってさ

  ア ヨイヨイヨイヨイ
  オットットットッ

  ア ヨイヨイヨイヨイ
  オットットットッ

「政太郎っ!声が小さいっ! ベンジャミンっ!もっと大きく鞭振って!」
  「は〜い。」
      「は〜ぁ〜ぃ。」
「じゃぁ、もう一回やるぞっ!
 ハイッ!」

工房の忘年会は近い。
輝豸雄達の練習は、秘密裏に、しかし確実に、進んでいた。
                                                   第77回に続く