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第75回 工房の 小箱の仔犬たち
最初に其れに気付いたのは、輝豸雄だった。
夜中に、なにか、庭で物音がしたような気がして、目覚めたのだ。
「其処にいるのは誰?」 輝豸雄は庭に向かって問いかけた。
返事は無かった。
「確かに音がしたのになぁ。」 気にはなったが、眠たかったので寝てしまった。
そして 翌朝、
「お〜い、輝豸雄っ!まだ、寝てるのかぁ〜。」
「てでおく〜ん、凄いよォ。」
みんなの呼ぶ声で、輝豸雄は目覚めた。
「捨て犬だよ〜。」
「3匹も、いるんだよぉ。美味しそうだよねぇ。」
「ぃ、いやぁ、食べられないと思うけど、、、。」
「誰が捨てたんだろうねぇ、、、。」
「お〜い、朝っぱらから何騒いでるんだぃ?」
「あっ、くま旦那。おはようございます。実は・・・・・・・・・。」
騒ぎの輪に、くま旦那も加わって益々工房の庭は賑やかになった。
今日も忙しい工房の一日が始まろうとしていた。
第76回に続く