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第21回  工房の 大ピンチ!

「す、すまん。俺の不注意で皆に迷惑がかかってしまって、、、。」
涙声で、緋沙詞が話していた。

大会まであと数日。
みんな一生懸命練習していたのに、
大将だった緋沙詞先輩が交通事故に遭うなんて、、、。
みんなが肩を落とした。
マネージャーの輝豸雄も同じ気持ちだった。

みんなの努力を、
そして、誰よりも頑張っていた緋沙詞先輩の努力を、
一番知っていたのは、輝豸雄だった。

  

重い沈黙が支配する。
誰もが、口を開こうとしない、いや、出来なかった。

「みんなっ、どうした!
 緋沙詞の事は残念だが、いつまでもクヨクヨしてても仕方ないぞ!
 さぁ、練習だっ!。」
コーチの声に皆が驚く。
「でも、コーチ。2人では試合に出られません!」
「そうですよ、大会に出られないんじゃ、練習したって仕方ないじゃないですか」

「三人目なら、其処にいるじゃないか」

「へ?  ほぇ?」

                   レギュラー選手、輝豸雄の誕生だった。

                                                   第22回に続く