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第17回  工房の龍玉  その2 (完結編)

「願いはかなった」 神龍は そう言い放つと
光とともに、消えていった。
と、同時に、輝豸雄がせっかく命懸けで集めて来た7つの龍玉も
光とともに、四方に散って行った。

「?  あれ?」 呆気にとられていた輝豸雄の廻りで
眩い光が溢れ出す、、、、!
眩しさに耐え切れず、思わず目を閉じた輝豸雄だった、、、、が、

「ん? くんくん!」  芳ばしい胡麻油の香りに我慢できなくなって、輝豸雄は目を開けた。

  

  其処に現れたていたのは、眩いばかりの 御馳走 だった。
  一口食べてみる。
  美味しい。  今まで食べた事が無い味だった。
  食べた、輝豸雄は 我を忘れて食べた。
  一心不乱に食べた。 美味しかった。
  
目の前の溢れんばかりの御馳走を頬張りながら、
輝豸雄は、もう一度、7つの龍玉を集める事を決心していた。

もう一度神龍を呼び出して、
「今度は、フランス料理をお腹一杯食べるんだっ!」 輝豸雄は、そう 心に誓っていた。

                                                   第18回に続く