もどる
第61回  工房の 子熊3人北海道ツアー  その1

其の話をくま旦那から聴いた時、
輝豸雄たち3人は、自分の耳を信じられなかった。

ほ、本当ですかぁ?
 「ホント?
  「まじぃ?」   3人は驚いていた。

「本当だとも、
 夏休みの間、3人とも一生懸命働いてくれたから、
 その御褒美に、と 、思ってね。」
「2泊3日のツアーだから、ゆっくり、と云う訳にはいかないだろうけど、
 3人で、行っておいで。」

だ、旦那さまぁ〜
 「だ、旦那さまぁ〜
  「だ、旦那さまぁ〜

3人の瞳は、こころなしか潤んでいるようにも思えた。

「あっ、そうそう、其のツアー、明日の朝5時集合だから、
 寝坊しちゃだめだよ。」
え〜っ!
 「え〜っ!
  「え〜っ!




その夜、3人は寝床の中で明日から始まる旅行の事を話し合った。

ねね、
北海道といえば、
 やっぱり、牛乳だよね。
 牛、丑、ウシ、うしだよね〜。


そうかぁ〜?
そうかぁ〜?
 
 「北海道といえば、
 やっぱり、ガリンコ号だよね〜。


 「そうかぁ〜?
 「そうかぁ〜?
 それに、そいつは2号機だろうに。


 「く、詳しいね。

北海道といえば、
 やっぱり、札幌時計台だよね〜。


そうかぁ〜?
そうかぁ〜?
 それに、正しくは、
 札幌市時計台 じゃないかよォ。
 現存する機械式塔時計の中で、
 日本一古いって云うだけじゃ
 オレの魂は燃えないぜ。


く、詳しいね。
じゃ、じゃ、

北海道といえば、
 やっぱり、クラーク像だよね〜。


そうかぁ〜?
そうだよね。

オレは同じクラーク像なら、
 北大キャンパスの中の方がいいなぁ。


く、詳しいね。
く、詳しいね。

でも、ツアーだから、オホーツクには行けそうもないね。
そんな事はないよ。二日目の自由時間を使えば日帰りも出来なくはないはずだよ。
おぉ、!そっそうか、じゃ検討しようぜっ。

   旅行の打ち合わせはいつ果てる事無く続いた。
   元机上旅行部だった頃の血が騒ぐ輝豸雄だった。


                                                   第62回に続く