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第60回  工房の 夏休みの自由研究 完結編

「でもさぁ、今回の事についてだけ云えば、
 オレは悪くないからなっ!
」
「そうそう。」
「うーん、、、。」
「だって、そうじゃないかよォ。オレは嘘なんて書いてないんだからさ。」
「そーだ、そーだ。」
「でも、普通は信じないよ、あんな観察日記。」
「何云ってんだいっ。輝豸雄だって見て知ってるだろうにぃ。」
「そうだけどさぁ、、、、、。」
「でもさぁ、傑作だったよな、あの時のセンセイの必死な顔!」
「うんうん。」
「絶対本当だって云ってるのに、『本当なら学校に持って来い』だもんなぁ。
 大人げなかったね、センセイも。
」
「でもさぁ、本当に連れて来なくてもよかったんじゃないの?」
「何だよォ、それじゃぁ輝豸雄はオレが学校で嘘つき呼ばわりされても
 良いっていうのかよっ!
」
「そうだよ輝豸雄くん、嘘つきは善くないよ。」
「でもさぁ、、、、。」
「何だよォ?」
「センセイたち、何処に行っちゃったんだろう?」
「さあな。一人二人は下敷きになってるかも?」
「クラスのみんなは?」
「輝豸雄が大きな声で『逃げろ!』って騒いでいたから、無事なんじゃないの?」
「うんうん。」
「みんなの自由研究も潰れちゃったね。」
「オレが潰したんじゃないからな。」
「うんうん。」
「まぁ、学校も潰れちゃったから、、、、。いいけど。」
「これから、どうする?」
「そうだなぁ、コイツも落ち着いたようだし、一度家に連れて帰るわ、オレ。」
「それが良いね。」
「うんうん。」


    

「それにしても、大きくなったねぇ。」
「毎日、ペディグリーチャム50缶やったからな。」
「ごっ、50缶!?」
「おいしそうだねぇ。とってもいい匂いがするよっ。」



「じゃ、オレ帰るわ。」
「バイバ〜イ。」
「さいなら〜。」
「そう言えば、輝豸雄!おまえの自由研究って何だったのさ?」
「いっ、いやぁたいした物じゃなかったからさ。」
「そうかぁ、潰しちゃってごめんな。」
「ううん、大丈夫、気にしてないから。」
「じゃ、明日な。」
「うん、明日ね。」
「あした〜、あした〜。」



 輝豸雄が、夏休みの自由研究を提出していなかったのは、紛れもない事実である。

                                                   第61回に続く