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第16回  工房の龍玉  その1

長く苦しい旅の末、輝豸雄はやっと7つの龍玉を手に入れる事が出来た。
山奥の邑で見つけた玉もあった。
海底の洞窟に眠っていた玉もあった。
或る時は一人で、
また、或る時は廻りの仲間の力を借りて、
やっと、7つの龍玉を手に入れたのだ。

如何なる願いもかなえてくれる 神秘の玉 《龍玉》
それが、今、輝豸雄の手の中にある。

  「出よ、神龍」  輝豸雄は叫んだ。

     

初めて観る神龍は、思いの他小さかったが、
何か、威厳のようなものを感じて
近付く事が出来なかった。

神龍が云う  「願い事はなんだ」

輝豸雄の頭の中を、
今までの辛かった旅の思い出が、走馬灯のように駆け巡って行く。

暫しの沈黙の後、輝豸雄は 口を開いた。

  「お腹一杯、御飯が食べたい!」

  果たして、輝豸雄の願いはかなうのか?それとも、、、、、、、。
                                                   第17回に続く