[自動化の意義]
臨床検査の自動化は、単純作業を機械に任せ、作業の効率化・均一化を図ることができるならば、人間はもっと別の、人間の判断の必要な問題に取り組む時間が増やせるのではないか、また、まわりを見回す余裕ができれば、検査業務全体の品質向上を考えることもできるようになるのではないか、という発想である。怠け心から仕事を楽にしようとしているわけでも、レベルの低い検査技師や素人に検査させることを目指しているわけでもない。 |
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緊急検査については、こんな話があります。 ICUにある検査装置のデータがおかしい、不安定だとセールスマンが工場に怒鳴りこんできました。ICUだけに、データが出ませんでしたでは済まないので、しょっちゅうサービスマンが呼びつけられているらしく、他の仕事ができない、どうしてくれるんだというのです。 ところが、よく話を聞いてみると、その装置は保守がまったく行われていないことがわかりました。「ICUは24時間体制だし、メンテナンスの暇なんかない。しかたがないだろう」と、セールスマンは言います。 しかし、これはセールスマンの考え違いなのです。ICUはたしかに忙しいけれど、急を要する重体の患者を扱うICUだからこそ、検査機器の管理・保守など万全の体制を整えておく必要があります。メンテナンスの必要な機器なら、その余裕をなんとかしてひねり出さなければならないのです。 思うに、このICUの機器管理者は、正しい保守の情報を与えられていないのではないでしょうか。なにかあったら飛んできますから、とセールスマンに請け負われて、本当にメンテナンスのいらない機器だと信じ込んでいるのかもしれません。管理者の自覚不足、勉強不足といえばそれまでですが、ICUだからしかたがないと本末転倒の考え方をするセールスマン自身も勉強不足です。 保守管理をやらざるを得ないからこそできるだけ簡単に扱える機器を選ぶのです。また、真にメンテナンスフリーの機器が存在したとしても、壊れていないかどうかの確認は最低限必要なのです。 |
[用語解説]
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[検査におけるマンファクター]
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[検査流れと検査技師の仕事(チェック項目)]
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