臨床検査技師って知ってますかぁ? 
一般には、臨床検査技師は「検査をする人」と考えられています。たしかにそうです。でも、病気の原因も研究するし、そのために病理解剖(病気で亡くなった人の死因や病因、病態を究明するために行う解剖)を手伝うこともあります(実際に解剖するのは医師です)。さて、臨床検査技師の役割はなんでしょうか?
正解をまとめてみます。
臨床検査技師の仕事は、信頼性の高い検査データを迅速に医師に提供することである。そのために臨床検査技師は最低限、検査の臨床意義、正常・異常値、測定法(測定装置の使用法、保守法を含む)、検体の採取・輸送・保存についての知識を持っていなくてはならない。
臨床検査技師の固有の業務は、法律で示されている微生物学的検査、血液学的検査病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査および政令で定める生理学的検査である。なお、固有の業務ではないし、きわめて限られた条件の下においてのみだが、検査のための採血も行える。 |
臨床検査技師の仕事は、医師から依頼された検査を正確・迅速にこなし報告することで、その内容は法律と政令で定められている、というわけです。
検査技師の業務のところ、微生物学がはじめに書いてあることに注目して下さい。生化学検査はつけたしのように最後に書いてあります。これは、臨床検査発達の歴史に大いに関係あることなのです。詳しくはあとで話しますが、かつて伝染病が猛威をふるっていたころのなごりです。そして現在でも、微生物の研究や検査は非常に重要なのです。
うーん、みんなピンとこないようですね。じゃあ、なんのために検査するか思い出してください。
臨床検査の目的は
信頼性の高い患者の生体情報を迅速に臨床医に提供すること
により、患者の疾患の診断と治療に寄与すること |
日常診療における臨床検査の目的
- 確定診断(推定された疾患の確認と、程度の判定)
- 鑑別診断(他の可能性ある疾患の除外)
- 頻度の高い合併症のチェック
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医師が検査を依頼するのは、診断や治療のために正確な患者情報が迅速に必要だからです。臨床検査技師は、診断や治療に必要な検査結果を正確・迅速に医師に報告するのが仕事です。
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