封書版・民事管理事務局

■ペンネーム「遊夢」さんからの投稿です。

 我が家にもやってきました。怪しげな封書
 何度か経験があるせいか、封筒を見た瞬間にピンと来てしまいました。
 住所は完璧なんだけど、名前がカタカナだし…
 差出人の住所氏名が書いてないし…
 
 というわけで、原文ママベタ打ちします。
 
 
 訴状受理通達書
 
 この度、貴方様が運営会社ないし契約会社に対して未納料金もしくは一方的
な契約破棄が行われている事から指定裁判所に「民事訴訟」を目的とした訴状
が提出され、裁判が受理したことを通達させていただきます。
 
 以降、下記に設けられた裁判取り下げ最終期日を得て訴訟の開始とし、裁判
の日程を決定させていただきます。裁判の取り下げを行うのであれば、裁判取
り下げ期日内に必ずご連絡下さい。連絡無しにこのまま放置されますと裁判放
棄となり原告側の主張が全面的に受理され、裁判後の処置として給与の差し押
さえ、及び動産物、不動産物の差し押さえを執行官立会いのもと強制的に履行
させて頂きますので裁判執行官による「執行証書」の交付を承諾して頂きます
ようお願いすると同時に、債権譲渡証明書を一通郵送させて頂きますので、そ
ちさをご確認下さい。
 
 裁判取り下げに関するご相談は当局で請け賜りますので、当局職員までお問
い合わせ下さい。尚、書面での通達とさせて頂きますので、個人情報保護の為、
必ずご本人様から御連絡お願い申し上げます。ご本人様の確認が取れない際、
詳しい内容をお話できない場合がございます。
 
 尚、当局は原告側からの起訴通達、また起訴の正当性を確認する機関ですの
で当局が貴方に対し起訴を提起し、料金の請求を行うことはありません。予め
ご了承下さい。
万が一、身に覚えが無い場合、確認の為早急にご連絡下さい。
 
 受理番号 A3890-15
 訴状提出日 平成18年2月13日
 訴状受理日 平成18年2月20日
 裁判取り下げ最終期日 平成18年3月15日
〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1−15−3
代表 TEL03−3462−6464
電話受付時間 9:00〜17:00 土・日・祝日を除く
 
           民 事 管 理 事 務 局
 
 
 そして最後に、それっぽいハンコが押してありました。
 色々な突っ込みは管理人さんにお任せするとして、学習塾で中学生の作文を添削している私から一言言わせてください。
 
 読点を打つ場所と、文の区切り方がおかしいところがあります。
読点は、音読したときに息継ぎをするところにつけましょう。
 
 というわけで、『債権譲渡証明書 一通』が郵送されてくるのを待ってみたいと思います。

■封書ですか。「封書版・民事訴訟通達管理事務局」以来二つ目の標本です。
 このご時世にコストアップとは、豪勢ですね(笑)。なりふり構っていられないのだったら、こんなに喜ばしいことはないのですが・・・どうだろう。文面を作っていて、ハガキ一枚におさまりきれなかったから封書にした、って理由だったら情けなすぎる・・・。
 
 スペースに余裕があるからか、山ほど蛇足がついていて楽しい文章ですね♪ はじめて見るフレーズも沢山あるので、ツッコミ甲斐がありそうです。
 でも、正直なところ私もそんなにきちんとした日本語を綴っているとは思えないからなあ(汗)。遊夢さんに心ゆくまでズバズバ添削して貰いたかったかも・・・そして、それをお手本に・・・(笑)
 
 気を取り直して。イキナリ初っ端から「貴方様」だし。お役所の文章で「貴方様」はどうよ。
 
・「運営会社ないし契約会社」・・・訴状が提出されているっていうのに、なんでハッキリ書けないのさ。・・・って、煮え切らない詐欺だなあ。きちんと設定を決めてからハガキを出してください(笑)。
 
・「指定裁判所」・・・それって、何? どこにあるの? 美味しいの?
 
・なんで「民事訴訟」ってわざわざカギカッコがついているの? 「執行証書」もそうだけど、カギカッコの効果が全然無いんですけど。って言うか、センス悪すぎです。
 
・「訴状が提出され、裁判が受理」!!(爆笑) 受理するもの間違ってます! 大丈夫か(笑)
 
・「最終期日を得て」・・・誤植?
 
・訴訟が開始してから「裁判の日程を決定」?・・・えーっと、裁判制度を理解していますか? って、無理か・・・。
 
・裁判の取り下げを被告が行っちゃダメですから。無理ですから。
 
・うおおおおっ、裁判が受理(って何よ:笑)されているのに「原告側の主張」はまだ受理されていなかったのか!!(大爆笑) 凄いぞ、民事管理事務局!
 
・「執行証書」の交付を承諾しなかったら、どうなるんだろう・・・。
 
・「債権譲渡証明書」って誰が誰に何を譲渡するの? 誰が証明するの? いつ送られてくるの? わっかんねー。
 
・「ご本人様の確認が取れない際、詳しい内容をお話できない場合がございます。 」・・・これは今までになくスマートな物言いですね。ちょっとは頭の良い奴が犯人グループの中にいたのでしょうか。その頭、もう少し使い方を考えた方が・・・
 
・「原告側からの起訴通達」って・・・言いたいことは解るんだけど・・・別に原告が存在するんだぞ、原告が起訴したのを通達するだけなんだぞ、と言う気持ちは解るんだけど・・・
 
・で、他のハガキのツッコミにも何度か書いてますが、民事裁判の「起訴の正当性」は裁判を通じて明らかにされますので。そこんとこヨロシク。
 
 いや〜、いいものを見せてもらいました。今日一日楽しく過ごせそうです(ぉぃ)。
 ぜひ是非、『債権譲渡証明書 一通』が郵送されてきたら教えてくださいね!
 
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 また、架空請求ハガキの名称を並べてみました。「架空請求ハガキ考」でそのバカさ加減を堪能してくださいね。

(2006.4.22)