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8. レオノーラ・パイパー、強力なアメリカの霊媒

「私は最近流行の、自分に説明できないものをすべて詐欺としてしまうような愚は犯したりしない。」
C・G・ユング


ヴィ:今までに生きた最も劇的で傑出した心理霊媒の1人に、アメリカのボストンにいたレオノーラ・パイパー夫人がいます。彼女を調査した後でそれが偽物だと言う者は誰もいませんでした。それどころか、最も筋金入りの心を閉ざした懐疑論者さえ、彼女の霊媒行為を認めたのです。

 彼女がトランス状態に入ると、支配霊−フィニューイ医師という名の他界の知的存在−が彼女の体を支配し、亡き人々について実にたくさんの正確な情報と、彼ら自身のメッセージを伝え始めます。彼女が霊媒として何十年にも渡り恐ろしいほど正確であったことを示す例は何千とありますが、そのひとつとして聖S・W・サットン夫人が列席した1893年の交霊会をあげましょう。

 サットン家の人たちは、リチャード・ホジソン(後述)の報告によれば、大いに知的な人々でした。彼らは可愛がっていた女の子を最近失い、我が子と連絡ができるのを期待しながら、パイパー夫人の交霊会に参加したのです。ホジソンは速記者を用意し、サットン家の少女についてパイパー夫人を通して述べられたことを書き取りました。この記録は後生の研究者のために、SPR(イギリスサイキック調査協会)の記録文書保管所に残されています。

 パイパー夫人は、サットン家の人たちと彼らがとても大事にしていた娘との間に、コンタクトを確立することに成功しました。霊媒を通して来る情報は、他界に住む少女が地球側に暮らす両親と実際に交信していることを、疑いの余地なく指し示しています。その情報のいくつかを示しましょう;


 サットン夫妻はコンタクトした相手が彼らの小さな娘であることを完全に確信し、彼女が彼らを元気づけるために言った言葉に幸せを感じたのです;

「私は幸せよ...私のためにもうこれ以上泣かないで」


O:いい話じゃないか。たとえ偽物霊媒でも、こういう霊媒ならいてもいいな。

ヴィ:どういう意味です?

O:そのサットン夫人というのは「聖」がつくくらいだから、地元の有力者だったんだろう。そういう人が娘をなくした。となれば、パイパーとかいう霊媒は当然自分のところに依頼が来るのを予想して、早速、人を雇ってその少女のことをさんざん調べた。その結果として、依頼人に満足を与えることができた。こういう仕掛けでしょ。

ヴィ:教授の言う通りだとすれば、パイパー夫人は依頼人の情報を手に入れるためにかなりの金額と時間を使っていますね。なにしろこのサットン夫人の件は、たくさんあった交霊会の中のほんの一例なのですから。

O:当時、有名だったとすれば、それなりにお金を取っていただろう。

ヴィ:いや。彼女は基本的にお金を受け取っていません。それに、事前に通常の手段で情報を仕入れた可能性は、後に述べるホジソンの調査によって否定されます。また、彼女はこんな能力も示しています。

 パイパー夫人が持っているとされた非常に重要な技能に、2つの知的存在が同時に彼女を通して交信しているようにみえる能力があります。イギリスサイキック調査協会(SPR)の調査官リチャード・ホジソンは、SPR への報告のひとつで、トランス状態のパイパー夫人を通して他界の知性が出席者と交信している一方で、彼女の手は全く関係ない事柄についてのメッセージをホジソンに書き送っているのを目撃したと述べています。

O:ほー、ずいぶんと芸達者だな。でも言っていることと全く関係ないメッセージを書き続けるくらいなら、ちょっと練習すればできそうじゃないか。

ヴィ:初めは教授のように、パイパー夫人の霊媒能力についてたくさんの批判と懐疑心がありました。けれども長い年月に渡って、死後の世界からの情報とメッセージを首尾一貫して正確に伝え続けているうちに、やがて、SPRでも二番目に疑り深かったリチャード・ホジソンでさえ公式にパイパー夫人の霊媒能力は本物であることをしぶしぶ認め、彼女を通してくる情報は他界の知的存在から来ていることも事実としたのです。

 リチャード・ホジソンは今までのすべての霊媒たちの評判をくつがえそうとしていたため、SPR の指導者層はパイパー夫人の正体を暴くのは彼だろうと期待していました。彼はSPR によって特別に選ばれ、かなり早いうちからパイパー夫人を調査するために派遣されています。しかしホジソンはそれまで、他の霊媒の調査において証拠を正しく取り扱わず、心霊関係のすべてを否定する、反心霊の偏見に基づいた調査を行ったのです。彼はパイパー夫人を調査しに旅立つ前、彼女がどんな風な手口で巧妙なトリックを仕掛けているのか、もしくは彼自身の言葉によれば、パイパー夫人がどのように「前もって共謀者に聞いておくといったような通常の手段でもって」情報を仕入れているのかを暴きに行くと述べています。

 彼は調査に入ると私立探偵にパイパー夫人を尾行させ、彼女が家以外で誰に会ったか報告してもらい、彼女の手紙を検閲し始めました。ときには誰にも知られていない偽の人間を作り上げて、その人を彼女の交霊会に招き、夫人がその架空の人物について何を言うか確かめ、その他にもパイパー夫人が本物の霊媒でないことを証明するためにできる限りのことを行いました。後には、彼女を身の回りの人から引き離すために、単独でイギリスに招待しています。滞在中の行動はすべて前もって計画され、生活には常にSPRのメンバーが同行し、SPRの管理下で88回の交霊会が持たれました。それでも、信じられないほど正確な情報がパイパー夫人を通じて流れ続けたのです。

 彼は調査の最初の報告として下記の言葉を残しています;

「私はまったく何も証明することができない・・・。詐欺を証明することができない、不正行為をしていると証明できない、パイパー夫人がトリックを用いたことを証明できない、しかし・・・・・・私以外の誰も信頼しないで欲しい、とにかく私を信じて、この件に関する真実を握るのは私だけなのだ・・・」


 次にホジソンは、彼女の支配霊フィニューイ医師は、パイパー夫人の人格が「分裂した」ものだと論じ始めました。フィニューイ医師は自分がこの地球に住んでいたとき、どこの誰であったのか明らかにすることができなかったので、彼は本当の存在ではあり得ないとしたのです。他にもフィニューイ医師がもう1つの名前、スクリヴィルを持っていたことを認めたこと、彼が哲学上のいくつかの質問に答えることができなかったことから、ホジソンは彼を人間として過去に存在したことはないとしました。ホジソンはフィニューイの存在を打ち消すことによって、パイパー夫人の能力をすべてテレパシーで説明しようとしたのです。

 この類の個人的な、故意に不利な方向を目指す、確証のない主張は、反論として不適当なものです。さらに、弁護士の資格を持つほど学問を積み重ねたホジソンが、フィニューイが哲学上の質問に答えられないからと言って、フィニューイの存在に異議を唱えたことは道理にかなっていません。まず問題にしなければならないのは、伝わってきた情報が正確であったかどうか、そしてそれが他界の知的存在から来たかどうかであって、パイパー夫人の支配霊がどれくらい哲学を知っているか、あるいは彼の名前がフィニューイとか他の何かであるというのは関係のないことです。

 心を閉ざした懐疑論者はパイパー夫人の信用をくつがえすのに失敗すると、今度は彼女がトランス状態、つまり全く意識がない状態にあるときに、交霊会の出席者たちの心を、またそのとき何百マイルも離れたところにいた人たちの心を読んでいると主張し始めました。イギリスのSPRを代表する懐疑論者のホジソンのような人が、次には一度もテレパシーの考えを受け入れたことのないフランク・ポドモアが、パイパー夫人の死後の世界に関する情報が客観的で誤解の余地がないものであるのがわかると、「これはテレパシーに違いない」と主張し始めたのはとても異常なことだったと言えます。

 パイパー夫人についての論争はすでに終わっています。ある日、ホジソンの友人の一人ジョージ・ペルーが突然の死を迎えると、彼は支配霊フィニューイ医師に取って代わり、トランス状態のパイパー夫人を通してその存在を顕しました。これでホジソンは、亡き友人に向かって、彼らの関係について何千という質問をすることができる特殊な地位を占めることになったのです。何年にも渡ってパイパー夫人−もっと正確に言うなら、彼女の体を借りたジョージ・ペルー−は、ホジソンの何千もの質問に正確に答え続けました。

 例えばホジソンは何カ月かに渡って、延べ150人以上の人たちをトランス状態のパイパー夫人に紹介しました。このうちの30人は生前のジョージ・ペルーと面識があり、他の者たちは一度も彼に会ったことがありません。ジョージ・ペルー(パイパー夫人)は正確に、彼が知るすべての出席者を識別することが可能でした。ほとんどの人が座り込み、パイパー夫人を通して話をしてくるジョージ・ペルーと、まるで生前の彼がそこにいるように思い出話に花を咲かせました。彼の唯一の間違いといえば、とても幼い頃の姿しか見たことのなかった女性を識別するのに失敗したことだけなのです!

 これらの交霊会によってリチャード・ホジソンは非常に深い感銘を受け、今までの報告において彼がどのように間違っていたかを詳細にまとめ、今や完璧に死後の世界が実在することを受け入れたと書き送ることになりました。実際、ホジソンはその報告書の中で、彼は他界の知的存在と交信をし、彼自身がそこに着くのが待ち遠しいとまで述べています。彼は死後の世界が確かに存在することを次のように語っています;

「・・・現在、前述のページで私が参照してきた主だった『交信者』は、紛れもなく彼らが主張するとおりの個性を示す実体であることに、疑いの言葉を挟むことはできない。彼らは我々が死と呼んでいる変化を切り抜け、いわゆる生者であるパイパー夫人のトランス状態にある生体を通じて、直接我々と交信してくるのだ。」


 才知に長けた有能なアメリカの霊媒パイパー夫人は、心を閉ざした不正直で否定的な懐疑論者を相手に、何度も繰り返し勝利してきました。数人の最も傑出した科学者、学者たちが、科学的にパイパー夫人を調査した後に、彼女の霊媒能力は死後の世界の存在を、絶対的に揺るぎなく証明したことに満場一致で同意しています。ノーベル賞を受賞したリシェ教授の心霊現象に関する権威ある本「Our Sixth Sense(我々の第六感)- 1927」からいくつか引用してみましょう。

 世界でも最も注目すべき、科学的思考に長けた心理学者であり、超心理学の生みの親とも言えるマイヤーズ教授はこう述べています;

「私にメッセージが伝えられた時の状況を考えると、パイパー夫人がその知識を前もって得るのは不可能なはずだ。」


 もう一人、世界中にその名を知られる物理学者オリバー・ロッジ卿はこう述べました;

「トランス状態のパイパー夫人が伝える多くの情報は、我々がいつも使っている普通の方法によって得られたものではない。これは通常の感覚手段によって得られたものではないことを私は確信した。」


 合衆国のウィリアム・ジェームズ教授は、当初は筋金入りの懐疑論者で、その時代の人々を刺激する知性に満ちた偉人たちの一人でした;

「私はパイパー夫人が、目を覚ましているときにはどうしても手に入れることのできない知識を、トランス状態になると得ていることに、絶大なる確信を持っている。」


 合衆国のハイスロップ教授は、長年の間、反心霊主義を宣伝してきた最も頑固な心を閉ざした懐疑論者でしたが、やがてパイパー夫人の霊媒能力の真実性を認めました。彼はホジソンのように改心し、死後の世界を受け入れたのです。

 さて教授、このパイパー夫人についてはどう思いますか?

O:ああ、終わった。ずいぶん熱心に話してたな。で、ヴィクター、ちょっと聞きたいんだけど。

ヴィ:なんですか?

O:君はこんな夢物語を本当に信じてるの?

ヴィ:教授、あなたはSPRがどんなに疑い深くて慎重で、信頼できる団体か知らない・・・

O:ああ、知らないよ。とりあえず話を聞いている限りでは、心霊かぶれのいいかげんな団体に思えるな。

ヴィ:はっきり言って、SPRは心霊に対して一番手厳しく、むしろ否定的な団体です。この団体は今でもありますから訪れてみてくださいよ。そこで「spirit(霊)」などという言葉を出したら、何を馬鹿なことを言っている、とでもいう感じでほとんど相手にされませんから。そして、そのSPRの中でもひときわ分からず屋だったホジソンが、パイパー夫人は本物だと認めたのは非常に意義のあることです。

O:て言っても、ほとんど100年前でしょ。協会を立ち上げたばかりの頃は、科学の目を持たない変な会員もたくさんいたんじゃないの。

ヴィ:それならそれで、ある程度経った段階で初期の記録は信用できないものとして、抹消されるか、特別な分類になるでしょう。

O:きっと人手不足で、過去の文書を管理しきれていないんだよ。

ヴィ:教授、そうやって難癖をつけていられるのも今のうちですよ。

弁護士の論じる死後の世界


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