科学的な努力(ITC)

 1998年9月3日、ブラジルの研究者ソニアは初めて画像の実験に取り組みました。彼女はある科学者の勧めがあって、実験にテレビを用いず、電子通信技術の測定用に使われる静電偏向型ブラウン管(テレビモニタは電磁偏向型ブラウン管)を用いました。以下はその機器の説明です(すみません、一部知識が足りなくて訳せません)。

 この設定ではテレビ電波が入ることは考えられないので、もし何か意味のあるものが映ったらそれは現在の科学を超える手段によって送り込まれたとしか考えられないと彼らは主張しています。しかし本当にそうでしょうか? これを見て衛星放送のCS放送が混入する恐れがあるのではと言った人がいます。うーん、CSのような微弱な電波をパラボラで増幅することなしに、しかも無指向性で受信するのは無謀です。とはいえ、混入の可能性が0かと問われると、「はい」とは言えません。だいたいにおいてすべての電磁波の影響を遮断することなんかできません。だから「何か映ったら即それが超常的」と考えるのではなしに、どんなものがどのくらいの頻度で映ったかによって判断されるべきでしょう。

 その日ソニアはビデオカメラでこのブラウン管の画面を映し、1300フレームの画像を直接コンピュータへ送り込みました。その中で最初にソニアの注意をひいたのはこの画像です。



 何に見えます? 正直言ってソニアが「テディベアが映ったのよ」と喜んでこの画像を送ってきたとき、私は悩みました。友達と一緒に遠くから見たり、角度を変えて見てみたり、でもなかなかテディベアには見えません。しかし彼女によれば、これがテディベアだとしてよいだけの情報があるということなのですが・・・

 この実験をした後で彼女はマリア・イネスに電話しました。マリアはとても広い家を持ち、三日後にひかえたANT(ソニアが始めたITCグループ)の会合のためにその場所を提供してくれることになっていたのです。ソニアは会合について打ち合わせをした後で、彼女が初めて得たトランスイメージについてマリアに話したところ、マリアはなぜかとても興奮し「それ以上言わないで!」と言いました。
 電話の何日か前、マリアは2年前に19歳で亡くなった息子パウロの部屋に入りました。その部屋はパウロが使っていたそのままで、彼が愛用していたテディ・ベアのぬいぐるみがおいてあります。パウロは一歳のときにもらったこのぬいぐるみをずっと大切にし、マリアに何度もこう言われたものでした。
 「パウロ、その古くてみっともないおもちゃをよこしなさいよ。ほんとに汚くなっちゃったわね。何でそんなものが必要なの。」
 しかし彼はどうしてもそのぬいぐるみを手放そうとはしなかったのです。
 マリアが思い出とともにそのテディ・ベアを抱きしめたとき、その目には自然に涙が浮かんでいました。パウロ、おまえが今も元気でいる証を何かもらえたらいいのに…
 ソニアがこの会話の後であの世の友人たちに画像について尋ねたところ、女性の声で次の答えが返ってきました。
 「Foi um presente do Paulinho(あれはパウロからのプレゼントだわ)」

 うむむ。感動的な話ではありますが、科学から遠ざかっていると言わざるを得ません。この頃の実験で得られた画像をもうふたつ紹介しましょう。ただしこれらは画像処理されて、映っているものが見やすく加工されています。

 この画像処理のとき、オペレータが意識的に、無意味な点の集まりからこのような加工をしてしまった可能性は無視できません。簡単にできてしまうことだけに、そういうことがあったかどうか、こちら側としては研究者の人間性から判断するしか正直言って方法がないのです。ブラジルに直接行けるほどのお金と暇があったらいいのですが。でも私がこの現場に行って、画像を受けるところから加工されるところまでをすべて監修し、不正はなかったと言っても、みなさんは信じないのではないでしょうか。私は彼女との付き合い、また一緒に協力している音声分析の世界的権威、関わっているサンパウロ大学の科学者たち、こういった人達を総合的に判断して、この実験に不正はなかったと思っています。ただしこれはあくまで、私の個人的な心証でしかありません。
 ソニアの実験結果はサンパウロ大学の大学院生によって検証され、テディ・ベアの画像を含む、全部で36フレームが確率を超えて意味がある、つまり偶然以上の点の集まり方をしていると正式に宣言されています。

 もうひとつ、イタリアのマルチェロ・バッチの話を書きましょう。彼は残念ながら2005年10月に他界しました。
 マルチェロ・バッチは1990年頃から死ぬ前まで、ノルメンデというメーカーの真空管ラジオを用いて、多いときには70人ほどを前にして何度も公開実験をやっています。彼の研究に何度も同席しているイタリアの超心理学者パオロ・プレシによれば、1974年に初めて同席したときは他の研究者と同じレベルの品質でしたが、78年にはすでに大きく明瞭な、ITC声としては異例なほど品質の良いものとなっていたそうです。典型的な実験の流れを書きましょう。
 実験が始まり録音用のテープレコーダ(アナログとデジタル各一台)にスイッチが入れられるとバッチは真空管ラジオをセットし始めます。彼はラジオを短波放送に切り替え、7メガヘルツから9メガヘルツの間を「最適のホワイトノイズ」を求めてゆっくりと調整していきます。この作業は通常15から20分続きます。そしてバッチはこう言うのです。「感じる。来る!」 その瞬間彼は調整を止め、ホワイトノイズは竜巻のような、波のような音に変わります。少しして雑音はなくなり、声が聞こえ始めます。そしてその声は列席者たちと話し始め、声の中のいくつかはまるで列席者の知っている故人のように、会話するのです。
 ラジオは専門技術者によって何度も調べられています。でもそう言った専門家の虚をつくのがトリックなのでしょうね。ここまではラジオに本当にわからないように細工して、列席者たちの情報をあらかじめ調べておいて、関連した故人たちの声がどうだったかも調べておいて、それをまねできる人を見つけて、これでなんとかできなくはないでしょう。組織ぐるみの愉快犯として。でも、原子核物理学と無線保護システムのマリオ・サルバドール・フェスタ教授は、実験の際にラジオ周辺の電磁場を「放送を受信しているとき」「スイッチを切っているとき」「超常的な声を受けているとき」の3パターンに分けて測っています。それによると「スイッチを切っているとき」と「超常的な声を受けているとき」の差がなかったというのです。これはつまり、無線的なトリックで超常声を聞かせるのが難しい、それをやるには現代の標準的な機器では測れないほど微弱な電磁波で実現しなければならないということです。

 2004年12月5日に行われた実験は記念碑的なものでした。その日イタリアのグロセットにあるマルチェロ・バッチの研究室には37人の出席者がいました。その中には各国の超心理学者、ラジオ関係の技術者などもいます。以前の実験でフェスタ教授とラジオ技師のフランコ・サンティが、ラジオから短波放送受信に必要な二本の真空管を取り去ったことがあります。それでも声は続きましたが、批評家たちはまだ残っている三本の真空管で他の周波数帯を受信し音を出し続けることは可能だと反論しました。そのため今回の実験で彼らはバッチとあらかじめ打ち合わせし、5 本すべての真空管を実験中に抜いてみることにしていました。ラジオから聞こえる超常的な声と、出席者たちとの間で奇妙な会話が一時間くらい続いてから、フェスタ教授とサンティは慎重に真空管を引き抜いていきました。しかし、すべてを抜き終わっても声は同じ音量・品質で続いているのです。
 次に歴史的な出来事が起きました。超常的な声が一瞬休んだとき、マルチェロ・バッチがいったい何を考えたのか、突然ラジオのスイッチを切ったのです。正面の電源ランプが消えてから11秒後(テープレコーダの録音によって確認された秒数)、口笛のような、鞭がしなるような音が聞こえ、次にバッチの実験でコンタクト開始にいつも聞こえる竜巻のような音が聞こえ始めました。目に見えない通信者の声は、スイッチを切ってから21秒後にまた始まり、それから23秒間、口笛のような雑音を伴いながらもそれまでと同じ明瞭さで続きました。声が終了してからも口笛は6秒間残り、最後の声のあたりから聞こえ始めた竜巻のような音は12秒間かけてだんだんと弱まり、そして無音になったのです。

 さて、これが本当だとすると、とりあえず超常的なことが起きていたのは間違いないですよね。それとも今回の37人の列席者たちが共謀して、確かにそんな実験だったと嘘をついているのでしょうか。それでも口うるさい人たちはこういうのでしょう。自分が用意したラジオで実験してもらわないと信用できない、と。しかし残念なことにバッチは最近他界してしまいました。この現象はバッチに付属して起こり、同じラジオを用いていても彼がいないと現象は起きなかったのです。

 マルチェロ・バッチの実験は、イタリア・フランス・ブラジルが協力し合うITCに関する科学的研究の一環として、長年の間科学の目にさらされ続けてきました。このプロジェクトに参加しているのは次の人たちです。バッチ亡き後、これから一番検証される対象となるのはソニア・リニャルディの実験結果でしょう。

<イタリア>マルチェロ・バッチ、超心理学者パオロ・プレシ、生心理人工頭脳工学研究所のダニエル・ギュラとミケーレ・ディニカストロ

<フランス>フランス各地をITCに関する講演をしながらまわっているITC研究者ジャッキー・ブラン-ガリン、音声分析の技術者ジェラード・フェランディ

<ブラジル>ソニア・リニャルディ、音声分析の技術者クラウディオ・モニ、音声認識の専門家エウヴァルド・カブラル教授


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