電気の森 The Forest Of Electric + Electronic Technorogy by Otoshibumi Craft Lab [Official] [1999]
電気工事編 DKE-003
硬質ビニル電線管(VE管)配線の施設場所
Ver.2.2 (Preview Version) 2000/03/22版
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硬質ビニル電線管(VE管)配線の施設場所を法的な視点でまとめてみました。硬質ビニル電線管(VE管)を用いた工法は古くから用いられていますので、他の合成樹脂管のもとになっています。このコンテンツは、内線規定の「415節 合成樹脂管配線」をベースにしています。 |
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硬質ビニル電線管(VE管)配線の施設場所 |
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適用範囲 |
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適用範囲は、低圧(交流600V以下)の屋内、屋側、及び屋外(地中埋設を除く)配線です。 |
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ここでは、「絶縁電線(IV線)による配線」についてのみ扱います。電線管を用いた配線には、「絶縁電線(IV線)による配線」、「ケーブルによる配線」、「弱電流回路の配線」の3種類があります。「絶縁電線(IV線)による配線」とは、[電気設備技術基準・解釈]第177条の「合成樹脂管工事」と[内線規程JEAC
8001-1995]415節の「合成樹脂管配線」を示します。他の2つの配線については、別のコンテンツで扱うことにします。 |
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硬質ビニル電線管(VE管)配線は、古くから用いられている工法の一つであり、合成樹脂管配線の標準となる管である。 |
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合成樹脂管の代表が、硬質ビニル電線管(VE管)です。 |
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厚さが2mm以上の管を使用する場合の硬質ビニル電線管(VE管)配線の施設場所 |
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Table.DKE-003-1の「VE管(厚さ2mm以上の管)」の行を参考のこと。 |
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厚さが1mm以上の硬質ビニル電線管もあります。厚さ2mm以上の硬質ビニル電線管(VE管)が標準だと思ってください。 |
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合成樹脂管の標準が硬質ビニル電線管(VE管)です。施設場所は、この電線管を基準に特例を知ればよいようです。表に示すように、低圧配線では、マルチな配線方法です。 |
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Table.DKE-003-1は、私(Otoshibumi)が内線規定等の資料を参考にして、作り上げたものです。[内線規定JEAC 8001-1995] 400−3 施設場所と配線方法 (4-1表、4-2表)の表から、合成樹脂管配線の部分だけを取り出し、「コンクリート内への埋込み」の列を追加したものです。 |
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[参考] [内線規定JEAC 8001-1995] 400−3 施設場所と配線方法 (4-1表、4-2表) [電気設備技術基準・解釈 H9 H10 H11] 第174条 低圧屋内配線の施設場所による工事の種類 [旧・電気設備技術基準] 第189条 低圧屋内配線の施設場所による工事の種類 |
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Table.DKE-003-1において、「○は、施設できる」、「×は、施設できない」ことを意味しています。○×については、内線規定で該当する項目があり、私自身が納得したものについてのみ記入しています。?は、内線規定上で該当する項目が見つからないものを示しています。 |
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表内の数字は、内線規定の条を示しています。ここで示される条を根拠に、施設できる、できないを決めています。 |
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厚さが1mm以上の管を使用する場合の硬質ビニル電線管(VE管)配線の施設場所 |
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Table.DKE-003-1の「VE管(厚さ1mm以上の管」の行を参考のこと。 |
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以下のような条件の場所での利用が可能である。 露出場所又は点検できるいんぺい場所であって、乾燥した場所に人がふれるおそれがないように施設する場合(屋内配線の使用電圧が300V以下の場合に限る)。 |
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「硬質ビニル管の厚さは、2mm以上とすること。」が原則です。「厚さ2mm以上の管」が電気工事で使用する硬質ビニル管の「標準」と考えた方がよいでしょう。一方、VE管は、「厚さ1mm以上の管」もあります。このことは、電気設備技術基準・解釈第177条、内線規程JEAC 8001-1995 415-3に記されています。電気設備技術基準・解釈では、「この限りではない」とサイズの指定はありませんが、内線規程JEAC 8001-1995においては、「管の厚さを1mm以上とすることができる」と記載されています。 |
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本コンテンツの「厚さが1mm以上の管は、2mm未満1mm以上の管である」と解釈してください。 |
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この管の利用については、電気用品取締法が昭和61年3月に改訂した際、厚さが1.15mmのものまで認められることになったそうです(これ以前は「厚さ2mm以上の管」のみが認められていた)。電気設備技術基準・解釈第177条第2項第3号はその使用の制限をくわえるためのものです。 |
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「厚さ1mm以上の管」は、存在するのでしょうか。電気設備技術基準・解釈ではこの工法で用いる合成樹脂管は、電気用品取締法の適用を受けるものを使用するように指示しています。電気用品取締法では電気用品の技術基準を設けていて、電気用品の規制をしているのですが、「1mm以上の管」の存在が記載されていないのです。見落としていない(私が参考にしたのは、平成10年3月改正版です。)と思います。上記のように、昭和61年3月改訂により1.15mmのものまで認められたと記載してある文献はあるのですが、それ以後の改訂で削除されてしまったのでしょうか?ご存じの方、是非、教えてください。 ちなみに、メーカーの方に(電工師匠が)問い合わせてみました。積水化学工業(株)と三菱樹脂(株)では製造していない(1999/12現在)そうです。 |
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現在、この工法を採用する人はいないかもしれません。1mm以上の電線管を用意して、施工するにしても条件があります。ならば、2mm以上の硬質ビニル管を用意して、多くの施工場所を選べる方がよいと思われるのですが、いかがでしょうか。 |
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[参考] [内線規定JEAC 8001-1995] 415−3 合成樹脂管及び附属品の選定B [電気設備技術基準・解釈 H9 H10 H11] 第177条 合成樹脂管工事 第2項三号 [旧・電気設備技術基準] 第193条 合成樹脂管工事 第2項三号 [電気用品の技術基準 H10/3] 別表第二 1.電線管類(3)合成樹脂製電線管 |
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Table.DKE-003-1 硬質ビニル電線管(VE管)配線の施設場所
硬質ビニル電線管の名称 |
施設の可否
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屋 内 |
屋 側 屋 外 |
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露出場所 |
いんぺい場所
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点検できる
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点検できない
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乾燥した場所
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湿気の多い場所又は水気の多い場所
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乾燥した場所
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湿気の多い場所又は水気の多い場所
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乾燥した場所
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湿気の多い場所又は水気の多い場所
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コンクリート内への埋込み
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雨線内
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雨線外
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VE管(標準) |
○
400-3 |
○
400-3 |
○
400-3 |
○
400-3 |
○
400-3 |
○
400-3 |
○
400-3 |
○
400-3 |
○
400-3 |
VE管 |
○
415-3 |
×
535-1 |
○
415-3 |
×
535-1 |
?
|
×
535-1 |
?
|
?
|
?
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条件1 人が触れるおそれがないように施設する。屋内配線の使用電圧が300V以下の場合に限る。
■ [参考] [内線規定JEAC 8001-1995] 415−3 合成樹脂管及び附属品の選定 B
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硬質ビニル電線管(VE管)配線:施設場所の制限 |
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硬質ビニル電線管(VE管)配線は、合成樹脂管配線の一つです。よって、施設場所に制限があります。 |
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重量物の圧力又は機械的衝撃を受ける場所 |
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硬質ビニル電線管(VE管)配線は、重量物の圧力又は機械的衝撃を受ける場所に施設してはならない。ただし、適当な防護装置を施す場合は、この限りでない。 |
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コンクリート内の埋込みは、重量物の圧力又は機械的衝撃を受けるおそれがある場所とみなさない。 |
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合成樹脂管は、(金属管に対し)柔らかい材質であると認識をもって下さい。強度が弱いと思って下さい。 |
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[参考] [内線規定JEAC 8001-1995] 415−2 施設場所の制限 [電気設備技術基準・解釈 H9 H10 H11] 第177条 合成樹脂管工事 [旧・電気設備技術基準] 第193条 合成樹脂管工事 |
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地中埋設 |
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地中埋設に、合成樹脂管配線(絶縁電線(IV線)による配線)はできない。 |
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電線管を用いた配線には、「絶縁電線(IV線)による配線」、「ケーブルによる配線」、「弱電流回路の配線」の3種類があります。「絶縁電線(IV線)による配線」とは、[電気設備技術基準・解釈]第177条の「合成樹脂管工事」と[内線規程JEAC
8001-1995]415節の「合成樹脂管配線」を示しています。この工法によって地中埋設工事はできません。地中電線路では、感電防止のため、電線にケーブルを使用することになっています。 |
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[参考] [内線規定JEAC 8001-1995] 820−1 地中電線路の施設方式 1項 [電気設備技術基準・解釈 H9 H10 H11] 第134条 地中電線路の施設 第1項 [電気設備技術基準・省令 H9 H10 H11] 第21条 架空電線及び地中電線の感電防止 第2項 |
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Version情報
Ver.2.2 (Preview Version) 2000/03/22版施設場所の制限について、追加しました。内容を見直し、追加・修正をしました。Ver.2.0 (Preview Version) 2000/03/15版タイトルを「硬質ビニル電線管(VE管)の施設場所」から「硬質ビニル電線管(VE管)配線の施設場所」に変更しました。内容を見直し、追加・修正をしました。コンテンツ全体をVer2.x仕様(図を入れ、見やすさを検討しました。)に変更しています。Ver.1.6 (Preview Version) 2000/01/12版
前のバージョンでは、「管の選定」について記載しましたが、独立させました。CD管とPF管についてまとめる時に問題が生じました。今回は、CD管とPF管との整合性をとるためのupです。メーカーカタログを眺めたところ、電線管を用いた配線には、「絶縁電線(IV線)による配線」、「ケーブルによる配線」、「弱電流回路の配線」の3種類があることを発見しました。整合性考え、条件を付けることによって、誤解のないような表現でまとめてみました。Ver.1.4 (Preview Version) 2000/01/05版
Ver.1.2の内容が膨らんだため、コンテンツは3つに分割することにしました。このコンテンツでは、硬質ビニル電線管の施工場所だけを扱うことにしました。「CD管」については「No.0007 コンクリート埋設専用電線管(CD管)の施工場所」に、「PF管」については「No.0008 合成樹脂製可とう電線管(PF管)の施工場所」にまとめました。Ver.1.2 (Preview Version) 1999/12/08版
Ver.1.2のあやふやであったところをすべて修正しました。「Virsion情報」の新規追加、「このコンテンツを利用される方へ」、「参考文献」を追加・修正しました。Ver.1.0の内容が膨らんだため、コンテンツを3つに分割し、「合成樹脂管配線の施工場所 その2」としました。Ver.1.0 (Preview Version) 1999/12/01版「合成樹脂管工事の施工場所」として初upです。
このコンテンツを利用される方へ
■ このコンテンツは、プレビュー版です。正規公開版は、Ver.3.x からを予定しています。内容に関して間違いがあるかもしれません。ですから、100%信じることはおやめ下さい。コンテンツの内容について、間違いにお気づきの方はご連絡いただければ幸いです。コンテンツに反映させたいと思います。このコンテンツが正確になるよう努力していきます。
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参考文献
■ このコンテンツは、次のコンテンツの文献を参考に作成しています。これらの文献にも必ず目を通して、私のコンテンツをご利用ください。
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電工師匠 M.Saito
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