パルミラ
博物館、ベル神殿などはチケットが必要。他の遺跡はどこを歩こうと自由。
強烈な日射しと乾燥のため、日中は人通りが少ない。
観光客で最も混雑するのは夕陽が沈む時間。
最低1泊、できれば2泊必要。

 

●記念門ローマの影響を強く受けていたパルミラの入り口には、この凱旋門型記念門が建ち、ここから列柱道路が始まる。
●四面門
エジプトのカルナックからわざわざ運んだ石で作られた門。砂漠を横断するキャラバンから税金を取り、また交易品の交換基地としてなりたっていたパルミラは、このような大事業すら可能なほど豊かであった。

●円形劇場2世紀ごろに造られた劇場。ペトラやギリシャの劇場に比べたら圧倒的に小さくて目立たないが、保存状態はよい。現在ここでは毎年春にフェスティバルが開かれるらしい。  
●列柱道路
列柱道路の柱には、当時の諸王、勇士たちの石像が飾られていた。ごろごろと遺跡が転がっているパルミラで、最も歩きやすい道。遠くからでもよく見えるので、道しるべの役割もしていると思う。
●ディオクレティアンの城塞
列柱道路を端まで歩くと、この城塞あたりに出る。背景にアラブの砦がそびえている。この辺までくる観光客が少ないせいか、遺跡内でベドウィンの一家が住み着いていた。
●アラブの砦
パルミラ遺跡で唯一目立つイスラム時代の建造物。オスマントルコ初期のもので、パルミラを見下ろすように、山の頂上に建っている。タクシーの運転手に砦まで行けないかと聞いたら、きっぱり行けないと言われた。崩れそうな砂山に見えるので、きっと今は上れないものだと信じたが、後に徒歩でも行けることがわかり、悔しい思いをしている。

●博物館
ここでも主な発掘品はヨーロッパに運ばれたが、それでもパルミラで発掘された石像、コイン、装飾品など、展示物はかなり豊富。午前中のすいている時間に行ったせいか、係員が古代のコインを売りに来た。国外への無断持ち出しは禁止のはずである。
<開館時間>8:00〜13:00 14:00〜16:00 火曜日休館
●ベル神殿
パルミラの中で、建造物としての形が最も保たれている遺跡。ベル(バアル)神は、この地方では性交渉によって豊穣を生む神として崇拝されたらしい。一方バビロンでは太陽と朝日と春の日の神。
休館日はないが、開館時間は博物館と同じ。
ベル神殿の至聖所、神像が安置されていたところの天井。黒くすすけているのは、生け贄を捧げた跡だと思いこんでいたが、20世紀はじめまで、人々がここに住み着いていたらしいので、その影響かもしれない。
●エフカの泉
シリア砂漠のオアシスであるパルミラには、このような地下水が存在した。現在でもこの泉は貴重な水源。地下水路の入り口には鍵がかかっているが、シャーム・パラスホテルの泊まり客はサービスで開けてくれる。砂漠を歩いた跡にここで泳ぐと気持ちよかったが、貴重な水をむやみに汚していいのだろうかと気になった。

●墓の谷
転々と残る塔墓は身分の高い家族が利用した共同墓地。塔の保存がよいエラベルの墓、壁画がきれいな3兄弟の墓などがある。墓群の範囲は非常に広いうえに、有名な墓は鍵がかかっているので、どこにいるのかわからない管理人を見つけて開けてもらう。
●オアシス農園
シリア砂漠を通ってパルミラに向かうと、遠くからでもこのナツメヤシの林が見える。農園の中は干し煉瓦の塀が迷路のように続いている。ナツメヤシはこのまま食べたり洗剤に加工したりする。町中や道路沿いでも売っている。