イスタンブル−istanbul
イスタンブール

スルタン・アフメット地区

ブルーモスク、アヤソフィア、トプカプ宮殿など、名高い建築物が集まっている地域。
エミノニュから路面電車で5分、徒歩だと急な坂道を登るので20分ほどかかる。
観光の所要時間は人によってまちまち。午前中に一気にまわるツアーもあるが、
ひとつずつゆっくり見ようと思ったら、この地域だけでも3日は必要。
この地域にはお土産店や旅行代理店が豊富。と同時に客引きも非常に多い。
1泊500円くらいから泊まれる安価なホテルもいくつかある。


       
●アヤソフィア(博物館/月曜日休館・有料)

360年にコンスタンティヌス2世が築いたセント・ソフィア大聖堂(ハギア・ソフィアに捧げる聖堂)は、404年の反乱で焼失。415年にテオドシウス2世によって再建されたが、これも反乱のために焼失。現在の建物は、537年にユスティニアヌス1世が再建したものがもとになっている。

 

 
     
1453年にオスマントルコが占領し、アヤソフィアがモスクに造り替えられた。メッカの方向を示すミフラーブが建物の中心から多少ずれているのがその証拠。写真の円盤は初代カリフ、アブー・バクルの名前。

 

 
     
階段ではなく、細長い登り廊下をぐるぐると登ると、漆喰の下から発見されたモザイクを見ることができる。

表の混雑に比べ、博物館の中はかなり静かでうす暗い。そして冬は寒い。聖堂入り口向かって左に、2階への入り口扉があるが、12〜13時ごろは、ランチタイムのため扉が閉ざされていた(1989年)。

 



●スルタン・アフメットジャミィ<ブルーモスク>(モスク/無料)

モスクの中は、青色がきれいなイズニック産のタイルを多量に使用していることから、ブルーモスクと呼ばれている。スルタン・アフメット1世によって1616年に完成したこのモスクには、6本のミナレットが備わっている。

モスク内部は、全体が鮮やかな青というよりはくすんだ感じ。でも一つ一つのタイルをよく見ると、それぞれの場所によって模様が統一され、実に見事。普通のモスクなので、礼拝時間(特に金曜日)は観光客の入場が制限されることもある。床には一面に立派な絨毯が敷き詰められているが、夏は蚤に注意。

 



●ヒポドローム(屋外)

スルタン・アフメットジャミィの前の広場には、3本のオベリスクが建っている。B.C.198年から古代の競馬場があった場所で、コンスタンティヌス1世時代から後は、馬車競技だけでなく、国民会議場や処刑場としても使われた。

写真はテオドシウスのオベリスク。390年にエジプトから運んだ。が、60mのオベリスクは途中で破損し、上部だけが残っている。オベリスクの基部にはテオドシウスの功績が刻まれている。

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左は蛇の柱。B.C.479年にギリシャがペルシャに勝利した記念に、デルフォイに建てられたものを、コンスタンティヌス1世がここに移した。柱の上部に蛇の頭があったが、その一部は考古学博物館に展示されている。

右はコンスタンティヌスの柱。石を積み上げた造りで、碑文にコンスタンティヌス1世の名があることからこの名で呼ばれている。

競馬場をしのばせるものはなにもない。オスマントルコになってから、その石材はスルタン・アフメットジャミィに使われたと言われている。ちょっとした広場なのでくつろぎたい気持ちになるが、観光業の方々は決してほっといてくれない。

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●トプカプ宮殿(博物館/火曜日休館 有料)

1478年、メフメット2世によって建造され、その後オスマントルコのスルタンの居城として19世紀まで使用された。巨大な宮殿の大部分が、現在博物館となっている。台所、ハレム、陶磁器のコレクションなど、ものすごい量の展示物と建物がある。写真はハレム内にあるアフメット3世の食堂。

ハレムは、英語やトルコ語のガイドがつきツアーが組まれ、決まった時間に団体で入場する。この博物館は、古代の南極を表しているとして有名な古地図を所有しているが、展示されているのを見たことはない。

 



●考古学博物館(博物館/月曜日休館 有料)

1881年にトルコの考古学者が作った博物館。オリエント各地から集められた発掘物が豊富。アレクサンドロスの石棺(実際には別人のもの)が有名。この博物館は、古代オリエント博物館、装飾タイル博物館(チニリ・キョシュキュ)が付属している。

ほとんどの展示物には英語表記もある。この博物館は、小学生の社会科見学団体が次々とやってくるので、いつも結構混雑している。

 



●イェレバタン・サライ<サルヌジュ>(博物館/火曜日休館 有料)

コンスタンティノープル時代に作られた地下貯水池。水道橋を通って運ばれた水がためられていた。1980年代になって、水を抜いてみたら写真のメデューサが発見された。なぜはしらの基石として使われているのかは不明。

中はライトアップされ、大音響でクラシック音楽が流れているが、あまり音はよくない(1991年)。イスタンブル市内には、他にもいくつか枯れた地下貯水池が残っていて、管理人に頼むと鍵を開けてくれる場所もある。

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●海の城壁(屋外)

トプカプ宮殿からマルマラ海沿岸に残る城壁。いくつか有名な門が残っているが、破損が激しいため、どこからどこまでが古代で、なにが近代のものかは区別しにくい。オスマントルコ時代の宮殿や厩もあったらしい。

 

その他の博物館やモスク

●モザイク博物館(有料)
ビザンティン帝国時代の大宮殿跡に残されたモザイクを展示。スルタン・アフメットジャミィの南東。

●トルコ・イスラム博物館(有料)
オスマントルコ時代のコーランや細密画など、美術工芸品を展示。古代競馬場をはさんでスルタン・アフメットジャミィの向かい。持ち物はクロークに預ける。

●キュチュク・アヤソフィアジャミィ(喜捨がわりに絵はがきを買う)
小さなアヤソフィアと呼ばれる、元聖堂がモスクになったもの。小さいが建物の保存状態はよい。