オケ練習の面白さ 〜カウボーイと内臓〜
by クーカ @ Mn.II




 オケの練習は私にとっては難しく、思うように弾けない事が多いのだが、全体練習はいつもいろいろと面白い。オケ全体の音を聴く事自体すごく楽しいし、練習を重ねるにつれオケの音の雰囲気が変わってくるのを実感するのも面白いし、また、初めは弾けなかった箇所が弾けるようになった時、喜びが身体の底からじわ〜っと湧いてくる感じ。嬉しいものだ。そんな訳で、月2回の全体練習をいつもとても楽しみにしている。
 そのオケの練習の中で、最近、私が面白いなぁとしみじみ感じているのは「音をイメージする事」「イメージを音にする事」である。
 全体練習の時は、いつも指揮の吉田さんからいろんな音のイメージが伝えられる。「もっとフワッと」「音を短く切って跳ねるように」などは比較的音にしやすいが、難しいのは「絶望的な感じで」「柔らかいけど強さのある凛とした音で」など繊細なイメージが伝えられる時だ。しかし、これが面白い。初めは「えっ、そんなイメージの音どうやって出すの?」と思うのだが、「こんな風に」と実際に弾いて聴かされると「おお、なるほど」と感じ、とにかくそれを真似て弾いてみる。すると、ちょっとイメージに近付いた音が出るようになる。ただイメージするだけでその音が出せるようになる訳ではないし、そこには様々な試行錯誤が必要なのだが、まず音をイメージする事はとても大切だと感じている。「桜ノサダメ」では、中盤のマンドリンの演奏に「音が空からパラパラとこぼれ落ちてくる感じ」というイメージが伝えられた事があった。その時、その言葉が私の中に1つの映像を作り出し、その映像と音楽がぴったり寄り添うのを感じて、なんだか感動してしまった。難しいのだが、あのイメージの音が出せるようになりたいと、日々練習している。
 だが時々、ちょっと違うイメージが湧いてきてしまう事もある。これも「桜ノサダメ」だが、ある時ベースの音に対して「そこはもっと孤高な感じ。ハイロンサム。」という指示があった。ハイロンサム・・・私の中で即座にその言葉が具体的にイメージされた。それは・・・ロンサム・カウボーイ。しかし「桜ノサダメ」でカウボーイ・・・なんか違うと思いつつ、そのベースの音を聴くと私はなぜかカウボーイをイメージしてしまう。風に吹かれて夕日を背に立つカウボーイ・・・。ちなみにこの時、私のパートは休みなので、ロンサム・カウボーイをイメージした演奏はしていませんのでご安心を。
 前回の全体練習で伝えられたイメージも印象的だった。「このラストは盛り上がって、力を出し切って欲しい。やり残しがないように全てを出し切って。・・・もう、内臓を吐き出すような気持ちで。・・・何もそこまで言う事ないか。(笑)」いや、まさか誰も内臓を吐き出したりはしないのだが、それぐらいの気持ちで、それぐらいのイメージを自分の中に持って弾いてみるという事が大事。このイメージが伝えられた後、みんなの演奏にカッと気迫が・・・。
 100人のメンバーが内臓を吐き出すような演奏をするのは「航海王子」のエンディング。みなさん、どうぞ7月29日の本番演奏を聴きに来て下さい。もしかすると、私たちの気迫の「内臓」を感じてもらうことが出来るかも知れません。楽しみでしょ?



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