その壱拾(マリオネットの巻/コスモスの散歩道)

湯淺隆

コスモス(k/cosmos)。ひとつの宇宙が咲く。その野を行く我もまた、ひとつの宇宙である。かつて、「いちめんの菜の花」(注)は、発色する黄色が圧倒的なボリュームで命をアピールしてきた。が、いちめんのコスモスの花の点在は、そのひとつひとつが命で、広大無辺・無限大の宇宙からすると、いかなる花も平等に存在を咲かせる。秋の桜、コスモス。さあ、涼やかな風に吹かれ、唯一無二の我が宇宙を抱き、毅然と「無限」を散歩しようではないか。(注/98年、CD「ユーラシアン・ラプソディー」に収録)


番外編2(灰谷健次郎の巻/拝啓、太陽の子)