ファイト!さんの雑感シリーズ「雑感3」

[ Top Pageへ ] [雑感シリーズIndex] [ ゲストブックへ ]



《お知らせ》

このページでは第21回〜第30回を「雑感3」として転載致しました。皆さんが新しい順にご覧いただけるように、新着分が上に来るように致しました。ファイト!さんへの激励、ご感想などはゲストブックにどうぞ!



雑感その30:TOBに思う


いつの間にやら「雑感」も30回目ですね。 最初のころと比べると、あまり進歩がないけど、まあトピック的には やや硬派路線、だけど視点は素人、それに加えて人間臭さが漂う感じ。 こんな印象ですね。

でも、一流コンサルタントのHPにファイト!のような素人でもカキコ できるんだからインターネットってやっぱり人々の間にある距離感をな くす効果もあるんですね。

さて、今日の「雑感」。
ついこの間、元通産官僚だったA氏が、B社に対してTOBをかけた ことが話題になりました。当時の株価800円に対して1000円で TOBをかけ、一時は1500円近くにまで株価は上昇。でも、結局 このTOBでは6.52%の株式しか集まらず失敗。

この原因は安定株主兼株式持合い相手である金融機関がTOBに応じ なかったことがあるようです。 ファイト!が今読んでいるプレジデントでは、はたしてこの金融機関 のとった行動は正当化できるかということを論じています。 同雑誌では3つの疑問をあげているが、ファイト!は特に最初の疑問 が印象的でした。

「TOBに応じて入れば25%のリターンが得られる。今後金融機 関がB社と取引継続することによって得られる利子や保険収入が、今 回放棄したキャピタルゲインより大きいことをどう説明できるのか」

これは、金融機関にいるファイト!にとっては思わず考えてしまう ものですね。現在のような低金利であれば、単純な貸出だけの取引で はせいぜい年間1%の利鞘を稼ぐのが精一杯。まあ、こういう問題は 実際に金額を算出して見なければなんともいえない問題ですが。 でも、TOBに応じなくても、マーケットで高値で売り抜ければ倍近 いキャピタルゲインも可能だったでしょうね。

ただ、おそらく金融機関は一時的な利益よりも長期的な展望にたった 考えをしたのではないでしょうか。25%のリターンを得ても、それ はそのときだけで、来年からはおそらくB社とは縁がきれるでしょう (TOBが上手くいってたら、逆にB社を取り込んだA社に感謝され て取引拡大となるかもしれませんが、、、、)。日本の金融機関は、 まさにGoing Concernというように企業とは永続的な活動をしてい くものと考えており(建前上は、、、)、長期的な取引関係維持の方 を選択したのでしょう。また、今の日本の金融機関の考え方からして もし、主力取引金融機関で、かつ大株主がTOBに応じていたらどう なるか?う〜ん、保守的な金融機関では考えたくもないことでしょう。

でも、こうした考え方ってやはり日本だけなんでしょうね。B社が あと25年も優良会社でいられる保証はどこにあるんだ?不確定な ものに期待するよりも今目の前の利益を確保する方が重要だ、という 欧米流(?)の考え方をする人は大勢出てきているし、今後はこうし た考え方が主流になっていくかもしれません。まあ、一般的な株主 には金融機関と企業との間のウエットな関係って見えない部分ですか らね(本当はそうあってはいけないのですが)。

でも、これが時代の流れなんでしょうかね?

(2000年3月16日)




雑感その29:知能と人間性について


ファイト!はいつも感じるのですが、知能と人間性といった場合、 両方備わっているのは確かに理想のですが、もしこの2つがない 場合はいったいどちらを先に学ぶべきかでしばし考えることがあ ります。

ファイト!のように知能よりも人間性を大切にしたいと考えてい る人間にとっては、突然いままで経験則からやってきた事柄が、 実はちゃんとした理論的背景があることを知ると、自分の知能の 低さに気がつき、勉強意欲がでてきます。ファイト!がなぜMBAを 取りたいかという点もここのところが一番の理由なのです。つまり、 いままでの経験から学んだことを一度理論的に、学術的に総括して みたい。そしてそれを踏み台にして更なる飛躍をしたい、と思って いるのです。

これまで同僚やClientsと接することで人間的な考えについては 入社したてのことから比べれば格段に成長することができました。 ある意味で人間的な泥臭い部分も見ましたし、人間の欲望、悲哀、 喜び、怒り等々目の当たりにすることで多くのことを学んできた つもりです。 でも、こうした経験をしてきたファイト!には何かが欠けている んですよね。

asktakaさんの言葉を借りればビジネスIQということでしょうか。 だからといって、ビジネスIQをおろそかにしてきた自分を非難し たり、後悔するつもりは毛頭ありません。なぜなら、今からでも ビジネスIQを習得することは十分可能だと考えているし、やはり 人間はある程度の水準の人間性をベースとするべきだと考えるか らです。

もし自分がビジネスIQについては習得し尽くしているけど、人間 性に関しては全くの無知だったらどうなっていたか? きっと無機質な人間になっていたのではないでしょうか。

やはり、ファイト!は人間性を重視したいです。ビジネスの世界で は確かにビジネスIQの重要性は万国共通ですし、だからこそビジネ ススクールがはやったりするわけですが、ただもっと根本にあるの は人間性だと思うからです。

でも、この人間性についてある程度おぼろげな姿を見ることができ たファイト!はここで一度ビジネスIQに接することで、自分のこれ まで学んできたことのまとめをしたいと考えているのです。

ビジネススクールも一昔前は、お金のことしか考えない人間の集 まりだなんていわれたこともありますが、最近では人間的なこと、 つまり対人関係や協調性なども重視するようになりビジネスIQと 人間性を兼ね備えた人間を輩出すべく努力しているように感じら れます。

今がファイト!にとってもっともいいチャンスだと思っています。 普通に考えるとやや遅い感じがしますが。

でも、確かに人間性は一生かかっても学び尽くせるものではないと 言う言葉は核心をついてますね。 だからこそ、人間には喜怒哀楽の感情が死ぬまであるのでしょう。 一方のビジネスIQ。これは頭のやわらかい若い時に学ぶのが有効で すが、ファイト!はたとえアナログ式の覚え方でも亀のごとく自分 の能力向上を死ぬまで続けていきたいと思っています。

人間は、70歳・80歳になると肉体的な衰えは出ますが、こうし た学びたいという気持ちは本人の意識でどうにでもなるし、やろう と思えば一生つづけることが可能だと思うからです。。 人間自分を成長させる努力を止めてしまえば、その時点で生きてる 価値がなくなると個人的には思うのですが(やや過激ですかな?)。

(2000年3月15日)




雑感その28:先ずはお返事など


「President」(2000年4月3日号)に見慣れない言葉が。 「EQ=心の知能指数」というものです。ビジネスにおける成功は 75%がEQの貢献によるもので、IQ(いわゆる一般的知能指数)の 貢献度は25%にしかすぎないとか。

IQは論理的思考、分析・洞察力、帰納と演繹、数的処理、言語表現 といった知的能力を測る尺度。 一方、EQは自分自身及び他の人たちの感情を認識し、自らをモティ ベートし、自らの感情と他の人たちの感情との関係を効果的にマネ ジするために必要とされる能力とか。

なんとなくイメージはわきますが今ひとつピンとこない。でも、要 するに対人関係に関する能力というもの。例えば、顧客の満足度を 高めるための応対とか。ひとつ具体例があげられています。

ある靴売り場で販売員はいつも4足の靴をもってくる。でも、なぜか お客はいつも4番目に勧められた靴ばかりを買うことに気が付いた。 販売員に聞くと「私どもはお客様のご希望を聞き、それに沿って3 足の靴を選び、ご希望に近いものから勧めます。その一方で、私ど もから見てお客様が必要とされているのではないかと思える靴を1 足選び、それを4番目にお勧めしているのです。」

さすがですね。そういえばファイト!がハワイのFoot Lockerに 行ったときも試着したいと言った靴に別のもう一足を持ってきたこ とがありましたね。レジのところで靴クリームまで勧められました が、、、。この人がEQを意識したのかどうかは分かりませんが、 昔の日本のように商品を陳列さえすれば物が売れる時代ではないし、 やはり供給側というよりも、需要側の心を読み能力も今後のビジネ スではますます重要となっていくんでしょうね。

でも、IQよりEQだと言われるとなぜかファイト!は自信が出てき ますね。(笑)

このEQについては「Working with Emotional Intelligence」 (Daniel Goleman著)に詳細が書いてあるらしいです。でも、 こうした本はコンサルタント向けかな?

(2000年3月14日)




雑感その27:再び女性の社会進出


前回の雑感を書き終えたあと、正直言って書き直そうか、悩みました が。きっと相当の反発が来るだろうなぁ〜と。

>Minaさん
ファイト!はてっきりA銀行だと思ってましたよ。三和の合併は やはりという感じです。これで、三和のリテール戦略が固まった 感じですね。でも、合併して上手くいった銀行って今までない、 というのは極論ですが、現実はそれに近いのが実態のようです。 この分野はファイト!の専門ですから、いずれあらためて。

>asktakaさん
どうも最近「雑感」を書かないと眠れなくなりました。asktakaさん の術中にはまってしまったようです(笑)。 さて、昨日の続き。ファイト!の女性観について。 女性の社会進出が遅れている、という点についてはほとんどの人が 異論はないと思います。また、これが採用制度・女性に対する固定 観念等に起因することも納得いただけると思います。

でも、なぜこういったことが続いているのか。鳴り物入りで男女雇 用均等法などが出てきましたが、現実問題としてあまり変わったと という印象は正直言ってありません。

実は、今日ファイト!の会社の女性2人に女性の社会進出という言 葉を聞いてどう思うか聞いて見ました。

Aさん:「社会進出?いまのままでいいですよ。あんまり難しいこ      としたくないし。それよりも早く結婚して会社辞めたい      ですよぉ〜いい人いませんかぁ〜」

Bさん:「いつも悩みますよね。私自身は男性に負けないと常に意      識して仕事をしています。やはり、男性の見る眼は厳し      いし、女性だからといって甘えられませんから。でも、      現実問題としては、取引先にいっても女性かぁ〜とあか      らさまに言う人がいるなど、どんなに努力しても報われ      ないんですよね。」

さて、Aさんは入社5年目の一般職。Bさんは入社7年目の総合職の 女性です。人間いろいろな考えの人がいますから、この2人の意見 がすべてではありません。でも、女性の考え方・悩みをよくあらわ しているのではないかと思います。

Aさんは、おそらく結婚願望が強く給料の下がった会社を早く退社 してカッコイイ男性と幸せな結婚を望んでいる。自分が会社の中で 出世しようなんて思っていません。

Bさんは、キャリア志向強く、男性に負けないようにと常に意識し ながら、自己研鑽にも励み男性勝りの成績を残すものの、いくら 自分が努力しても周囲の目は厳しく、自分が認められないという 疑念を抱きつづけ、最近転職しようか少々悩んでいます。

まず、Aさんについて。ファイト!はこの人はこの人なりに夢を持 っているわけで、これを非難することはできないと思います。女性 の社会進出というのは何も会社で女性が高い地位を得るだけの意味 ではないと思います。幸せな結婚をして家族と笑いながら生活する ということは決して女性が社会進出していないということにはなら ないのでしょうか?「社会」という言葉は何も会社の地位を示して いるわけではないと思うのです。例えば、子育ての終わった女性が ボランティアで地域社会で活躍するというのもある意味で社会進出 ではないでしょうか。でも、男性が家事を行うと「家庭に入る」と 言います。これは日本語の表現がもともとおかしいと思います。

次にBさん。この人は会社の中で男性優位社会のある意味で犠牲者 となっている人です。まず、理想から言えば、Bさんが自ら男性を 意識するのをやめること、それに対して男性側もBさんを女性だと 特別視するのをやめること。会社はそうした意識改革を促すための 制度上の改革(採用制度の統一・男性と同じ基準を用いた女性の管 理職の登用、優秀な女性の中途採用等)を行うことが重要だと思い ます。ファイト!個人的には、今いる会社で思うのですが、男性は 女性に対して、女性は男性に対して少し遠慮している傾向がありま す。よく言えばお嬢さん・お坊ちゃんタイプが多すぎるのでしょう。 これはお互いに意識改革が必要。

でも、現実にはこれは大変難しいことです。Bさんの周りの数人が 理解をしてくれても、あとの大勢はまだまだこの仕事は男にしかで きない、という固定観念を持っていますから。そこでBさんのよう な人は欲求不満がたまり転職の道を選んでしまうのでしょう。

では、Bさんを助けるためにはどうしたらよいのか。難しい問題で す。先に述べたような方法が理想なのですが、悲しいかなやはり転 職するしか今はないというのが正直なところです。 これについては、ファイト!をはじめ男性の皆さんは大いに反省す べきでしょう。これを読んで、オレはちゃんと理解しているよ、と いってる人でも所属する会社の中で声を大にして「女性の社会進出 を認めろ!」と叫んでいる人はほとんどいないでしょうから。

要するに、ファイト!は女性の社会進出といってもいろいろな意味 があるし、大方の人が考えている社会進出とは別の道を選ぶ女性も 大勢いる。また、会社の中での女性進出という意味では、理想形は 描けるが現実は厳しく、これを男性がもっと理解しない限り優秀な 女性は外資系等に転職していく流れは変わらないということです。 ファイト!は理解しているかって?努力します、、(アセアセ;)

でも、Minaさんのような優秀な女性MBAを中途採用して、いわば ショック療法で改革を進めるというのはなかなかいい案ではないか と思いますが。う〜ん、こんどファイト!の会社でも提案してみよ うっと!

(2000年3月13日)




雑感その26:女性の社会進出


来週「閑話休題」をお休みするとちょこっと書いたらなんか予想以上 の反応で少々ビックリです。別にたいしたことを書いているつもりは ないのですが。でも、読んでくれている人がいるだけで満足ですね。 これで原稿料が取れれば言うことなしなんですが、、、(笑)。

今日の雑感。女性の社会進出について。 ファイト!の会社にも女性の総合職がいます。でも、同期でまだ残っ ているのは数人でしょうか。ほとんどが結婚と転職。 なぜ、日本の会社では女性の進出が遅れているのか。現状を思いつく ままに書いてみましょうか。

1.総合職・専門職・一般職など女性だけの採用制度
2.結婚したらすぐに退職するだろうという固定観念
3.子育てのための長期休暇
4.マニュアルどおりの仕事は得意だが、臨機応変な対応が不得意
5.体力的に男性に劣る

これを見た女性の方からはいろいろな意見があると思いますが、一般 の企業の男性はこうした見方をしているのが現実です。

1については制度上の問題。男性の一般職ってあまり聞いたことがな いですよね。男性から見ると、総合職と一般職の女性が同じ職場にい ると、どちらが「役に立つか」。後者です。異動のほとんどない一般 職の女性の方が今いる職場の業務内容に精通していることが多々あり ます。

2はあえて言いません。これに反対する女性は大勢います。でも、そ れ以上の女性が現実に寿退職しています。やむにやまれずというかも しれません。でも、男性にはそれが見えない場合がほとんどです。

3も同じく。これは制度上育児休暇が認められていますが、1年間の 長期に渡り職場を離れられることは会社のとって大きな痛手であるこ とは、どの会社の口に出しては言いませんが本音の部分でしょう。

4は理由は良く分かりません。ただ、受験勉強なんかでも女性の方が 一般的によい点数をとるのを考えれば、こつこつと根気よく物事に対 応するのは女性の方が得意なのではないでしょうか。但し、その場そ の場の状況に応じて臨機応変に対応することはやや苦手のような感じ です。 5はこれはどうしようもありません。でも、最近は女性よりも弱い 男性は結構いますが。

ではどうすればいいのか。やはり男性のこうした考えを改めさせる こと、それを助けるための制度作りを行うこと、女性側にも甘えを なくすように啓蒙することetc...

でも、最終的にはやはりその会社のトップの考え方次第ですよね。 こうした意味で日本の金融機関はまだまだの感じです。女性の登用 で人気のあったA銀行も超保守的なB銀行に事実上取り込まれてか らは、めっきりと女性の活躍の話は聞かなくなりましたからね。 ファイト!の会社、、、、。やはりまだまだ日本の会社ですね。

さて、以上のことはあくまでも一般論。ファイト!自身がどう考えて いるかは次回。

(2000年3月12日)




雑感その25:企業の本当の「価値」とは?


>gattacaさん
これは「財務レバレッジ効果」の問題ですね。まあ、財務分析の本を 読めば大体書いてありますよ。会社を見る上でひとつの指標だけで 判断するのは所詮無理な話。でも、IRで株主重視をアピールするに は株主による投下資本の効率性を示せるという意味ではいいかもしれ ません。でも、見る人は分かりますよ。会社を見る上でROEがすべ てではないことは。

さて、今日の雑感。
企業の価値は何で決まるかということについては、asktakaさんやMina さんからご意見をいただきましたが、いろいろあるものです。 ファイト!のように金融機関にいると、企業審査というのは大変重要な 仕事です。例えば貸出。営業担当者がClientのところで資金ニーズを ヒアリングします。このヒアリングを基に担当者が一次審査というわけ で稟議書を書きます。このときの重要事項は4つ。経営者・業況・資金 使途・償還方法(担保)です。当然ながら、これらをコンパクトにまと める訳ですが、これがなかなか難しい。当然、業況を見るには収益性と か一般的な財務分析手法が取られます。異常値がでればその理由を再度 ヒアリング。資金使途についても細かく調査します。償還方法について は資金繰り予測等ももらって確実な回収ができることの裏付けをとりま す。

こうしてやっと稟議書を書いて部内で課長→部長、案件が金額的に多い 場合などはさらに審査部、役員といった具合に流れます。

さて、長々と書きましたが何が言いたいのか。 確かに会社の「価値」といった場合には、ある財務分析数値が用いられ ますが、ファイト!のような仕事をしていると、数値だけでは測れない ものも考慮して会社の「価値」として見るようになってしまうのです。 例えば経営者。これは数値では測れません。実際会って話をすると大体 その会社のこと(「価値」?)が分かります。なぜかは言葉では言い表 わせませんが。社長の理路整然とした考え方、物腰等々。

ただ、難しい問題は数値化できないということ。ビジネススクールなど ではこうした数値化できない部分の評価方法はどのように教えているの でしょうかね。ROEが高いから良い会社だと断言できますか? 確かにその会社の「価値」を見る上での参考にはなります。でも、 経営者にリーダーシップがなくてたまたま運がよくて今期のROEが いいだけかもしれませんよね。

こうして考えると、会社の本当の「価値」を知るのは結構大変なこと ですよね。でもいえることは、単なる数字だけでは企業の本当の「価 値」を理解することはできないということではないでしょうか。

(2000年3月11日)




雑感その24:先ずはお返事など


日本を代表する経営者の一人であるとファイト!が思っている新生 銀行(長銀)の頭取となる八城氏の書いた本を半分ぐらい読み終え ました。「八城政基 MBA講義」(日経BP社)という本ですが、昨 年八城氏が青山学院大学のMBAコースで行った講義をまとめたもので す。内容は、八城氏の経験談から日本とアメリカの経営手法の違い などを分かりやすく書いたものです。

この中で、コンサルタントの使い方なんていうのもありましたね。 日本の会社は漠然とした目的でコンサルタントに依頼をする傾向に あるし、コンサルタントが非常にいい意見を出してもリーダーシッ プのない会社が多いのでその意見も実行されないで終わってしまう。 仮に実行されてもいろいろなところで摩擦が起きると八城氏は言い切 っています。

ここでもやはり日本の会社のトップのリーダーシップが問題にされて いますね。 日本の会社でははなぜリーダーシップが育たないか。ファイト!のい る会社で具体的に考えてみるといくつか気が付くことがあります。

1.そもそもリーダーを育てるという意識がない。八城氏のいたエッソ ではある程度の年齢になるとふるいがかけられ、幹部候補には社長に なるための教育がなされるとのこと。日本にはほとんどない。 →平等主義、出る杭は打たれる社風

2.若手の登用がない。 →年功序列制の弊害。

3.リーダーになってやるぞという気持ちになれない。 →硬直的な賃金体系と組織。

4.研修をはじめとする研修制度の不備。 →場当たり的な研修制度。

5.部長・課長・担当というラインの硬直性 →すべてが規定に定められた意思決定手順に従う。若手の優れた提言 にフィルターがかけられてしまう。

6.若手の勉強意欲の減退 →いくらやっても報われないという気持ち、終身雇用制の上にいる 安心感。

7.保守的な考え方 →表面的にはどんどん意見をだしてくれといいながら、本音では 意見を出して欲しくないと思っている上司達。

思いつくままに書いてしまいましたが、ファイト!のいる会社の 不平不満ばかりになってしまうので止めておきましょう。でも、 こうしたことって、大方の日本企業にはあるんでしょうね。 おっと、いろいろ書きましたがいい面もファイト!の会社には ありますので誤解のないように。でも、不平不満の方が気持ち的 には大きいかなぁ〜

でも、ファイト!は微力ながらこうした社風を自分の手で変えて みたいと思いますね。そのためにもあと5年間は集中的に自分の 能力を高めることに時間とお金をかけようと思っています。 若い日本人サラリーマンよ!(ファイト!も一応「若い」部類と 思っています。)今こそ旧態依然とした会社体質を改善するために 立ち上がろうではありませんか!

(2000年3月10日)




雑感その23:企業価値とは?


3月9日付の日経夕刊に「不足するM&A専門家」と題してGEキャピタル 会長デニス・ダマーマン氏の言葉がありました。 専門家の不足は理解できるし、これ自体はたいした記事ではないので すが、日本人には痛い言葉が最後に。

「日本企業は会計・財務の情報公開に積極的になりつつあるが不十分。 買収される企業の実際の資産価値には不透明なところが多い。不透明 なままであれば投資家は取引しない。売却したい日本企業にとっても 不透明性が企業価値を下げかねない。」

ファイト!にいわせれば、不透明性が企業価値を下げている、とはっ きり言いたいところですね。日本のClientと取引していると、結構 粉飾に近いことも平気でやっていたりします。ファイト!はこのため 企業審査をするときは常に企業の実態バランスを作るようにしていま す。こんなことをすると、これは営業用資産だから原価主義でいいん だ、と反発する企業もあります。確かに認められた処理方法ですが、 海外から見ればこれが「不透明性」のひとつの例として見られている のでしょう。でも、保有不動産の損失計上ルール。結構、ファイト! のClientをはじめ、不動産を多く保有する会社はあせっていますね。 こうした会社は「不透明な会社」なのかな?

企業価値というのはなかなか一言で言い表せないものですよね。例え ばソフトバンクの時価総額が全国第2位になったと思ったら、このと ころの下げで今日は第4位になったとか。金融機関としては、この会社 を評価するのは非常に難しいというのが正直なところです。将来性? でも、将来子会社の株式が上昇するかもしれないという期待感による ところが大きいですよね。プレステ2が空前のヒットとなり、親会社 ソニーもその恩恵がもたらされる結果、利益がこれだけ上昇する見込み だとか、具体的にいわれればなるほどと思うのですが。

確かにファイト!自身もインターネット財閥構想を掲げるソフトバンク に対しては期待感はありますが、具体的な利益計画とか知っているわけ ではありません。あくまでも期待感。

こうして考えると、企業価値ってなにを尺度に考えるのが正解なのか 最近つくづく考えます。asktakaさんが以前の「今日の話題」で書かれ た米国の会社ベスト10。あれが尺度なのか?あるいは時価総額? 社員の離職率?新卒の就職ベスト10?いい意味での知名度? まあ、最後にはその尺度をどこに置くかは自由だが、その尺度の置き方 によって結果は常に変わるということでしょうかね。

(2000年3月9日)




雑感その22:地下鉄事故とマスコミ


今日のビッグニュース。東京の地下鉄日比谷線「中目黒」駅での脱線 事故。死者が3人でたとのこと。今日はそのニュースがどのテレビも トップニュースでしたね。

でも、電車の車両がまるで水あめのようにぐちゃぐちゃになっているの を見てちょっとショックです。嫁さんが独身時代(ず〜っと大昔です) にあの路線はよく使っていたそうです。原因はまだ良く分かっていない ようですが、どうも車両に問題があったようですね。

あの路線は銀座・霞ヶ関・六本木と首都圏の重要地点を通過しており 埼玉、神奈川からの通勤客も多いとか。そういえば、オウム事件での 舞台ともなりましたよね。

朝のラッシュ時には2分間に1本の電車が走っている。つまり、1分間に 一回はすれ違っているという計算。いやはや、この過密ダイヤで事故が 起こらないのはさすが日本の鉄道はすごいと思っていましたが。やはり 今回も単純な点検ミス、つまり人為的な事故だったのでしょうか。 いくら技術力があっても最後にはやはり人ですよね。 でも、死者や重傷者がでたことは大変悲しいことですね。なくなった方 にはご冥福を。

ニュースではこの事故がいろいろ報道されてましたがちょっと気になっ たことがひとつ。口ひげをはやしたキャスターの有名人気ニュース番 組。自社の女性社員がたまたま事故のあった列車に乗り合わせており そのときの状況を番組の中で聞いていました。まだショックも覚めやら ぬ女性に向かってどんな状況だったとか、どこに乗っていたのとか、 そこまでは良かったのですが、最後の方で「いまの気持ちは?」 なんとも間抜けな質問です。つい朝事故にあい、目の前で人が死んだ 場面に出くわした女性に対していくら自社社員とはいえ、ちょっと ひどいんじゃないのとちょっと腹立たしくなりました。

日本のマスコミはやはり言論を武器にした暴力集団ではないか、という 疑念をいつも持っているファイト!にはこの疑念を確信に変える一コマ でした。 みなさん、一般論としてこうした日本のマスコミってどう思います?

(2000年3月8日)




雑感その21:書く技術など


>ゆうたろうさん
コンビニと郵便局の議論、面白い区分けですね。参考になります。 ファイト!の知る限り、やはり地方での郵便局の力は絶大なものがあり ます。なにせ集票マシーンですからね。どんな田舎に行っても必ず郵便 局はありますし、そういうところの局長さんは地元の名士ですから。 でもほとんど世襲制のようですが。

>asktakaさん
ファイト!も花粉症がひどいのです。眼は何ともないのですが、問題は 鼻。むずがゆいし、くしゃみはでるし。鼻をかんだり、ごしごししてい たため今日はとうとう鼻血がでました、、、、。でっかいマスクをする のもイヤだし、、、、。Clientに薬を紹介されたので明日買ってこよ〜 そうそう、あとひとつ。辛口asktakaさんの日本の金融に関する辛口意 見をぜひ聞かせてもらえませんか。やはり、中にいると外の意見という のは新聞・雑誌意外はなかなか聞こえてこないんですよ。ズバッと切る 感じの辛口意見を新聞・雑誌とは異なった角度で聞かせてもらえれば 勉強になりますので。機会のあるときに今日の話題にでも。

今日の雑感。
最近本を読んでいます「考える技術・書く技術」(バーバラ・ミント 著、ダイヤモンド社)。asktakaさんがコンサルタントの提案書につ いて教えてくれないので、ますます興味が湧きマッキンゼーで活躍し たミント氏の本を買ってしまいました(笑)。 なにせ、今仕事をしながら本を4冊並行して読んでいるのでなかなか 進んでいないのですが、この本簡単なことなんですがよく理解できま すね。

この中にあるピラミッド原則。小学校や中学校の国語の作文で習った ような気がするのですが、こうして一冊の本に書かれて読むとなるほ どとあらためて学ぶことが多いですね。 いまこうして書いている文章はあくまでも思いつくままに書いている ので、これは悪文の典型です。まして、「読み手」を意識して書いて いないですからね。

「雑感」「閑話休題」を書き始めて(特に前者)、新聞や雑誌等の記 事を非常に注意深く読むようになりました。いい表現があれば、それ をファイト!の辞書にインプットするようにしています。また、いい 考え方も同様。これによりわずかな期間ですが、物事の見方が随分と 広がりました。

近い将来MBAに挑戦する段階でこうした訓練は非常に役に立つと思いま すし(エッセイ等)、さらに言えば将来の自分にきっと役に立つと思い ますからね。 その前に、「雑感」「閑話休題」の内容をもう少し論理的に、かつ高度 なものにしないといけませんね。でも誤字・脱字を直すほうが先かな?

(2000年3月7日)


雑感シリーズIndexへトップ・ページへ


このページは GeoCitiesです 無料ホームページをどうぞ