わんだふる 小笠原アイランド(1)

はじめに

 3月28日(火)から4月2日(日)の6日間、小笠原アイランド(父島)を旅してきました。ここは、結婚した当時、家内と旅行計画を立てチケットまで買ったのに、家庭の事情で直前に断念したところです。いつもの山旅とはイメージが違うのですが、まだあまり多くの人が訪れていないところでもあり、ちょっと紹介をしてみようと思います。なにしろ、交通機関は週1便の「小笠原丸」のみで、片道25.5時間を要する船旅です。よほど時間をもてあましている人でないと行けないですよね(私自身は、何故か最近は時間をたっぷりともっています)。それでは、東京都の南端の離島、「東洋のガラパゴス」の旅をご一緒にお楽しみください。
 なお、途中で写真を挿入したり、文章の一部を書き換えたりすることがあるかと思いますが、ご了承ください。

                                                          2006年6月29日(木)

     
1. 竹芝桟橋を出航 (3月28日(火))
     
2. 小笠原父島島内観光 (3月29日(水))
       3. 自然観察トレッキング (3月30日(木))
    4. 島内ぶらぶら歩き(アオウミガメ) (3月31日(金))
     5. ホェール・ウオッチングと南島訪問 (4月1日(土))
        6.  帰路 (4月2日(日))

 <行程概要>

 今回のツアーは、富士急とラベルのツアー
「一度は訪ねてみたい大自然 小笠原のたび6日間」に参加したものです。といっても、添乗員を入れて10名の少人数のツアーで、個人旅行的なものでした。行程(予定)は以下のとおりです(実際は、天候のために日程が変更になっています)。
 3月28日(火)、午前9時に浜松町駅からあるいて5分くらいのところにある竹芝桟橋に集合します。9時30分頃、竹芝桟橋より小笠原海運の
「小笠原丸」に乗船します。「小笠原丸」は定員がおよそ1000名で、外洋に出る船ということで、さすがに大型の客船です。私どもは安いパックツアーですので、当然2等船室となります。ちょうど午前10時に竹芝桟橋を出航し、一路南に向かって巡航します(右の地図を参照)。当然第1日目は船中泊となります。翌29日(水)、午前11時30分、小笠原諸島の父島の二見港に到着し、下船します。
 29日(水)の午後は、専用マイクロバスに乗って島内観光です。島は小さいので、ほぼ村内すべてを回ることになります。宿泊は”ホテル”という名がついていますが、民宿あるいは小さな旅館といったところです。
 一夜明けて、30日(木)は、旅のハイライトで、午前はクルーザーに乗ってホエールウォッチングと南島(みなみじま)散策、午後は森の散策(ジャングルフィールドツアー)です。南島は父島の南端にある小さな島ですが、とても魅力のある島です。
 31日(金)は、1日フリータイムですが、夜はナイトツアーということで、グリーンぺぺ(夜行性のキノコ)やオガサワラコウモリの観察となっています。
 4月1日(土)は、出航日ですが、午前中はフリータイムとなっており、13時30分、東京から乗ってきた小笠原丸に乗船し、14時ちょうど二見港を出航、一路北へと向かいます。当然来たときと同じく、船中で1泊し、翌2日(日)、15時30分、竹芝桟橋に到着となります。
 5泊6日の船旅で、2泊は移動時の船中泊のため、実質は3泊4日の小笠原滞在の旅ということになります。いやはや、本当にゆったりとした船旅でした。









1.竹芝桟橋を出航 (3月28日(火))

 朝9時頃、浜松町駅から歩いて、竹芝桟橋に到着した。ここでグループの人と落ち合い、小笠原丸に乗船、船は予定通りちょうど10時に出航となった。ここ1週間の天気はあまりかんばしい予報ではなかった。今朝の空は曇り空であり、風もあまりなく、何とかもちそうである。船は東京湾をゆっくりと航行し、三浦半島を通り、房総館山沖を通って太平洋に出る。太平洋に出ると、冷たい風がやや強く、甲板に出るととても寒くて、長くはいられないくらいであった。25時間の航海なので、船内でゆったりと過ごすしかない。本を読んだり、椅子にボケーっとして座っているしかなかった。食事の時間がちょっとした楽しみといったところで、こういった旅もなかなか良いものといえる。でも、たいくつでしたね。
 夜の10時頃には、明日の天気がよいことを祈って、船室の床の上で寝た。

 翌朝7時に起床した。甲板へ出てみると、曇り空で、風がかなり強く、波も高かった。どうも昨夜は低気圧が通過したようで、雨が降り、風も強かったようである。でも、小笠原に近づく頃には、徐々に日が差すようになってきた。

 波がなければ、小笠原の近くでクジラを見ることができるということであったが、今回は残念ながら見ることはできなかった。父島の二見湾に入る頃には、島の船が小笠原丸を出迎えにやってきた。なかなかのパフォーマンスで、こちらもようやく小笠原に来たという実感を得ることができた。
 予定通り、11時半に、小笠原丸は小笠原父島二見港に着岸した。


2.小笠原父島島内観光 (3月29日(水))

 船を降りると、現地のツアーガイドが挨拶に現れ、早速島内半日観光へ出発となった。
 最初は、二見湾のすぐ裏にある三日月山(204m)へ車であがり、ランチ休憩となった。空は曇り空で、風がとても強く、風をよけてランチを食べた。この山頂からは、波がなければクジラを観察することができるとのことであった。陸上からホウェール・ウオッチングできるところっはあまりないとのことだった。
 まわりは、タコノキやトラノオランなど、亜熱帯性の植物があり、はるばる小笠原島に来たことが実感された。早速、外来種のグリーンアーノル(爬虫類)を観察できた。これはオガサワラゼミなどの小笠原固有生物を絶滅させようとするほどの勢いで繁殖しているとのことだった。

 この後、再び二見湾へ降りて、ビジターセンターを見学した。それから、市街地を抜けて、山へ上がったり、扇浦海岸、小港海岸等へ行った。車で連れて行かれるので、どこがどれやらよく分からなかった。ドライブ観光の悪いところですね。
 亜熱帯気候らしい写真がたくさん撮れたので、主なものを掲載しておく。

 観察できた植物の名前を挙げると以下のとおりである。木本では、モクマオウ(マツ科)、リュウキュウマツ、ギンネム、ホウオウボク、タコノキ、ガジュマロ、デオゴ(ビーデビーデ)、モモタマナ、テリハボク、スノハギリ、マルハチ(シダのような葉を広げた木)など。草本では、トラノオラン、オオバナセンダングサ、ホナガソウ。

 夕方、扇浦海岸沿いのホテル(民宿)に到着した。ここで、小笠原での第一泊となった。









小笠原の南洋踊り 三日月山からの二見湾 対岸の兄島 タコノキ
トラノオラン 野生化したノヤギ モモタマナ(小港海岸)

3.自然観察トレッキング (3月30日(木))

 父島の第2日目は、自然観察トレッキングに参加した。天気は雲が多かったが、晴れで、強い日差しもあり、まあまあのハイキング日和といったところであった。ただ、相変わらずの強風には悩まされた。
 ガイドは、私も会員であるNACS−Jの自然観察指導員であった。ガイドは、当初参加者は高齢者なのであまり歩かないようにと言われてきたようだが、参加者は”山歩きが大好きな”高齢者ばかりであることが分かり、急遽コースを変更して、あちこちと山の中をガイドしてくれた。といっても、島自体が小さいので、トレッキングというよりは、散策といったほうが適していたようである。
 詳細な山の地図もなく、観光パンフレットを見ながら移動したので、どこをどう歩いたかははっきりとはわからなかったが、輝く海原を眺めたり、いろいろな亜熱帯性の植物を観察することができた。以下に写真を掲げるが、地名や植物名など間違えるとまずいので、よくわからないものは名前を記入していない。
 観察できた植物の名前を掲げる。イソフジ、ベンガルボダイジュ、トックリヤシモドキ、ハマゴウ、フヨウ、ムニンネズミモチ、アカテツ、イワザンショウ、タチテンノウメ、ヒデノキ、タコヅル、マルハチ、トベラ、ノボタンなどである。

二見湾1 二見湾2 海1 海2
初寝浦 花1 花2 花3
花4 花5 鳥2

マルハチ 亜熱帯林1 亜熱帯林2(ランチ) 亜熱帯密林3
巨木に登る

 夜は、小笠原ナイトツアーがあった。目的は、グリーンペペとオガサワラオオコオモリの観察である。グリーンペペとは小笠原固有種であり、正式名ヤコウタケといい、夜に黄緑色に発光するきのことのことであるが、残念ながらよく見ることができなかった(一度だけ、一瞬光ったのが見えたが)。オガサワラオオコオモリも小笠原固有種とのことであるが、こちらも遠くに動く姿が見え、泣き声も聞こえたが、よく観察することはできなかった。海岸にも出てみたのですが、曇り空で、風が強く、とても南国の満天の星空を見るといったムードではありませんでした。明日のホェール・ウオッチングと南島見学が心配です。


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