わんだふる 鳥海山の花 (2)

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      1. 鳥海山 (7月12日(金))
      
2. 鳥海山から月山 (7月13日(土))
      3. おまけ苅田岳 (7月14日(日))

2.鳥海山から月山 (7月13日(土))

 朝起きると、風はやや弱くはなっていましたが、濃い霧がかかっていました。残念ですが、尾根伝いの下山(行者岳、伏拝岳、文殊岳)は諦め、前日と同じ千蛇谷コースを下山することにしました。千蛇谷に降りると風はなくなりましたが、やはり霧で辺りはよく見えません。でも、時々霧が薄くなると、周りの尾根などがちょっぴりと見えることがあり、ついつい「もう少し晴れろ」と念じてしまいました。
 ところが、七五三掛を過ぎると、突然霧が晴れ上がり、昨日は尾根筋かと思っていたところに、大草原が広がっていました。エー?こんな広い草原があったのー?それもすばらしいお花畑でした。ハクサンイチゲが一面に咲いていました。その中にかわいいコイワカガミを見つけたので、スケッチをしました。御浜小屋に着く頃には天気も回復してきており、土曜日ということもあって、おおぜいの登山客が登ってきました。でも、今日の山頂小屋はきっと満員で、ゆっくりと宿泊というわけにはいかないと思いました。(山登りは、是非金曜、土曜の日程をお勧めします。最近は予約がないと泊めないという小屋があるようです!!)

 御浜小屋から駐車場までは、周りの景色を見ながらのんびりと下りました。昨日はまったく見えなかったのですが、鳥海山の広大な裾野が見渡せ、うれしくなるとともに、昨日の霧が恨めしく思ってしまいました。
 お昼頃には駐車場に着き、昨日登った鳥海ブルーラインを下りました。海岸近くに町営?の温泉を見つけ、早速からだの疲れを癒しました。

コイワカガミ ハクサンイチゲのお花畑 雪田とニッコウキスゲ
 天気は快晴で、時間もまだたっぷりとあったので、宿泊のあてもなく、ちょっと心配だったのですが、月山の麓までいってみることにしました。昨日来た道を戻り、山形道に乗り、鶴岡ICで降りました。市内は道案内の標識が少なく、ちょっと迷ってしまいましたが、ようやく羽黒山方面の道を見つけることができました。羽黒山の麓、羽黒神社の近くから山道に入るのですが、道が尾根筋の道で、非常に狭い上に、結構大型のバスが通っており、注意深い運転を強いられました。
 夕方5時頃、ようやく月山8合目(標高約1400m)の弥陀ヶ原の駐車場に到着しました。ロッジがあったので、宿泊ができるか聞いたのですが、宿泊はやっていないとのことでした。ロッジはお土産しか売っておらず、また食料はおやつ以外まったくなく、食事無しの車中泊は辛いなと思っていたところ、親切にもロッジのお兄さんが、「弥陀ヶ原を歩いて15分くらいのところに宿泊所があるから、電話で泊まれるかどうか聞いてみたら?」と教えてくれました。土曜日に予約なしで泊まれる山小屋とはどんなところなのかちょっと心配でしたが、とにかく電話をしてみると、OKとのことでした。とりあえず、車中泊は避けられると思い、一安心というところでした。
 広大な弥陀ヶ原の草原を少し登りはじめると、やがてきれいな建物が見えてきました。そこは、山小屋というより、りっぱなロッジといった感じでしたが、着いてみると出羽三山神社の月山御田原参篭所という宿泊施設でした。しかし、参篭所といっても、建物の前に小さな祠?があり、神官や巫女さん(料理もしていましたが)がいる点を除けば、ほとんど山小屋と同じでした。
 小屋に着いたときは少し暗くなり始めていましたが、月山の広い裾野と山頂を見ることができました。明日の天気を期待して、ビールで乾杯となりました。山小屋は、土曜日にも関わらず、非常に空いており快適でした。さらには、食事がとてもおいしかったことを報告しておきます。山小屋で、天ぷらや山菜、ソバなどが出され、びっくりしてしまったくらいです。皆さんも、月山へ行くときは是非宿泊してみてください。(実は、鳥海山の山小屋も参篭所なのですが、食事がご飯と味噌汁と数種のつけもの類だけといった内容で、こちらにもびっくりしたところでした。でも山頂の小屋なのでしかたがないのかとは思います)。
 夜になると風が出始め、雨が降り始めました。やばいなと思いながらも、疲れていたためか、すぐにぐっすりと寝入りました。


3.おまけ苅田岳 (7月14日(日)) 

  早朝から、外でおおぜいの人の声が聞こえ、目を覚ましました。窓から雨が降る外を除くと、多くの白装束を着た人が小屋の前におり、祠に向かって参拝したり、お土産を買ったりしているではありませんか。とても驚きました。どうやら、観光バスできた参拝者のようでしたが、月山の頂上まで行くのかはよくわかりません(頂上へ行くにはちょっと軽装でした)。
 今日は雨も止みそうではなく、さらに悪化しそうなので、朝食(これもおいしかったです)後、すぐに駐車場へ戻り、下山をしました。下界へ降りると曇り空ではありましたが、雨は降っていませんでした。どうも鳥海山といい月山といい、意地の悪い山々のようです。もう少し笑顔で迎えてくれても良いのではないかと思ってしまいました。つくづく残念でした。
 再び、鶴岡から山形道に乗り、車を走らせると、天気が回復してきました。このため、また悪い癖が出て、蔵王連峰に寄り道をすることにしました。山形蔵王ICで降りれば良かったのですが、寄り道の決断を躊躇したため通り過ぎてしまい、宮城川崎ICまで行き、そこで山形道を降りました。そこから、青根温泉を通り、蔵王エコーラインに入り、こまくさ平へ行きました。ここは、苅田岳の荒々しい絶壁が見られるとともに、可憐なコマクサが保護されていました。ここからさらに苅田岳の頂上直下のパーキングエリアまで行きました。車を降り、少し登ると、火口の淵になり、昔蔵王スキー場の山頂駅からスキーを担いで登り、見た覚えのある「お釜」が眼下に見渡せました。とても感激しました。寄り道して良かったと思いました(ちょっと単純ですかね)。
月山弥陀ヶ原参篭所 苅田岳

 この後は、急いでエコーラインを下り、遠苅田温泉を通り、白石ICから東北自動車道に乗り、東京へ戻りました。

                                                            2002年8月20日 完


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