わんだふる ヴェトナム山岳地帯 (4)

  1.プロローグ 
  
2.ヴェトナムについて
  3.
ヴェトナムツアー概略
  4.成田からサパへ: 12月24日(土)〜25日(日)
  5.
サパと山岳民族の村(その1): 12月25日(日)〜26日(月)  
  
 5.1 山岳民族の村とサパ散策1 : 12月25日(日)
   5.2 チャムトン峠とカットカット村散策2 : 12月26日(月)
  5.サパと山岳民族の村(その2): 12月27日(火)〜28日(水) 
   5.3 サパ散策3: 12月27日(火)
   5.4 サパ散策4: 12月28日(水)
  6.サパからハノイへ: 12月29日(木) 
  
7.ハロン湾クルーズとハノイ: 12月30日(金) 
 
                                                       
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6.サパからハノイへ : 12月29日(木)

 12月29日(木)、これでサパ滞在は終わりで、ハノイへ向かいます。いつもより1時間早い5時30分に起床しました。天気はよく晴れ渡り、ファンシーパン山に連なる山々がとてもきれいに望むことができました(下の4枚の写真)。でもファンシーパン山は顔を見せてくれませんでした。ちょっとがっかりでした。朝食は6時30分にとりました。

ホテルから見た雲海(霧)に浮かぶファンシーパン山に連なる山々(右がファンシーパン山ですが、雲に隠れています)

 チェックアウトをして、7時30分にロビーに集合。全員でバスに乗ってラオカイに向かってホテルを発ちました。1時間ほどでラオカイに到着しました。ラオカイ駅の改札を通って、来るときと同じ寝台列車(我々のグループだけで1車両貸切となっていました)に乗車し、9時30分にハノイへ向けて出発しました。ハノイまでは紅河(ホン川)に沿っておよそ300km、時間にして約11時間弱の旅です(平均時速30kmくらいです)。車窓からのどかな田園風景を眺めながら、頭を空っぽにしてぼんやりと過ごしました。

おそまつなお話:
 前にも述べたように、ヴェトナム紙幣の”ドン(VDN)”は桁数が大きいので(1000ドンで約4.2円)、計算力がたいへん弱い私には、値段の数字がどうもピンときません。そこでラオカイ駅の列車の中で起きたおそまつなお話を披露します。

 あわただしく列車に乗って、席に座って少しくつろいで列車の出発を待っていたところへ、おばさんがやってきてコーヒーはどうかと聞いてきました。もちろん、コーヒーは大好きですし、かつこれからの長旅を考えて、コーヒー2杯をオーダーしました。おばさんは列車内の正規の?売り子と思っていて、私は何の疑念も持っていませんでした。値段は2杯で20,000ドン(約84円)というので、前払いしないといけないのかと思って財布を取り出しました。ところが、帰国間近なので、大きな紙幣と細かな紙幣しかありませんでした。どれを渡そうかと考えていたところ、おばさんは財布の中に200,000ドン(約840円)が2枚あるのを見つけて、それを指差し、私に渡すようにと促しました。私のプアな頭は回転しておらず、ついつい200,000ドン紙幣を1枚渡してしまいました。そのときはお釣りがあるのかなと思っていました。おばさんはそれを受取るやすぐに列車を降りて、構内?の売店へ行ってしまいました。

 ”あれ?何か変だな?列車内のコーヒー売りではないのかな?”とは思ったのですが、しばらく待っていると、おばさんがコーヒーを2つ持ってきました。お釣りはないようでした。だがここまでならまだ救えたのですが、おばさんは更なる策略を考えてきたようです。おばさんは、先ほどのお金は1杯分の代金であるから、さらにもう1枚紙幣を出すようにと言ってきました。最初に2杯オーダーしているので、それはおかしいのではないのと思ったのですが、しぶしぶおばさんの前で財布を取り出したところ、おばさんは財布から先ほど目に付けていた200,000ドン紙幣を1枚さっと抜き取り、列車からさっさと出て行きました。どうもだまされたようだと気付いたのですが、後の祭り。ちょうどそのとき列車がガタンと動き始めました。おばさんは天晴れな仕事をして、きっとほくそえんでいたことでしょう。一方、私のほうは本当に間の抜けたおじさんというところでした。まあ、2杯で1,680円のコーヒーは高かったですね。やや苦みの強いヴェトナムコーヒーの味でした。

 *帰ってから、インターネットでヴェトナムツアーの話を読んだのですが、やはりドンの桁数が大きくて不慣れな日本人が、タクシーの運転手に私と同様な手口でぼられたという話が載っていました。このような話が私だけではないということを知って、少しほっとしました。日本での振り込め詐欺の被害には呆れていましたが、どうも私も注意しなければならないほどもうろくしてきたようです。おそまつなお話でした。

ラオカイ駅前の広場 ラオカイ駅前 ホームで機関車をバックに こちらがハノイ行きの寝台列車
車窓からの紅河(ホン川)の眺め ハノイのレストラン付近の通り

 予定通り20時10分にハノイ駅に到着しました。すぐにハノイの中心街へ向かい、レストランで遅めの夕食(ヴェトナム風フランス料理?)を食べ、22時30分にようやくホテルに到着となりました。とても長い移動の旅立ったので、さすがに大変疲れてしまいました。ホテルはなかなか立派なホテルのようでしたが、明日はまた更なる強行軍となるため(5時30分起床)、荷物の整理をして、すぐに就寝しました。

7 ハロン湾クルーズとハノイ : 12月30日(金)

 30日(金)、今日は世界遺産であるハロン湾クルージング観光、そこからハノイへ戻ってきて水上人形劇の観劇、そして帰国という、連日の強行軍となります。5時に起床し、5時30分には朝食をとって、7時ホテルを出発しハロン湾に向かいました

 なお、途中トイレ休憩をかねてABC(Army Business Center International Joint Venture Company)というショッピング施設に立ち寄りました。ヴェトナム人ガイドによりますと、ABCはアメリカのヴェトナム侵略戦争でアメリカ軍が撒いた枯葉剤の影響で障害を持った人たちの働き場であり、そこで障害者たちがクラフト製品を作成し、販売している施設だそうです。”Army”とあるのは、軍か管理しているからとのことでした。作業している場所は見学できましたが、個人の写真は撮らないようにとのことでした。作業場の隣が大きなクラフト製品等の売場になっています。もちろん、障害者の作った作品ばかりを売っているわけではなく、観光客目当ての高価なものも売っています。おそらく売上げの利益が障害者のために使われるものと思います。私は、このような施設が現在でも運営されていることを初めて知りました。また、ガイドによると、今でm毎年残された地雷などで子供が10人くらい負傷しているとのことでした。私自身の無知、無関心、あるいは過去にヴェトナム侵略戦争に対してたいして役にも立たなかった自分のことなどで、私はとても恥ずかしい思いをいだきましたが、またアメリカ(帝国主義)による暴虐非道な侵略戦争にあらためて強い怒りを感じました(なお、日本も同じようなことを中国、朝鮮等で行ったので、えらそうなことをアメリカに対して言えることではないのですが)。アメリカはヴェトナム侵略戦争における敗北にもかかわらず、現在も世界中のあちこちで好き勝手なことをやっていることに対しても、強い憤りを覚えるものです(とはいえ、現ヴェとなく共産党政府は、アメリカとの友好関係に苦心しているようで、何か不条理な感じもします)。というわけで、ちょっと重い気持ちでこのABCを去りました。

朝のハノイのホテル前通り ABC(Army Business Center) 枯葉剤による障害者の作業場

 現在ヴェトナムには高速道路がないそうで、一般国道を通ってハノイから東へ約180kmの道のりを約4時間掛け、ようやく11時過ぎにハロン湾の乗船場に到着しました。ハロン湾は世界遺産にも登録されており、”海の桂林”とも称され、大小2000以上もの石灰岩でできた奇岩が湾内に浮かぶようにたたずんでいます。

 
ここでも天気は霞んだ曇り空で、時々薄日が射すといった感じでした。でも標高0mの海なので、サパのような肌寒さはありませんでした。港にはたくさんの大小の観光船が浮かんでいました。基本的にはスクリューで動く船ですが、風がよいときには帆船として動かすそうです。11時30分に乗船し、ハロン湾をクルージングしました。途中、小さな島に上がって、そこにある大きな鍾乳洞(ディエンクン洞窟)を見学しました。すばらしい大きな洞窟でしたが、カラフルなライトアップがなされており、ちょっと興ざめな感じもありました。船の上では海鮮料理のランチが出ました。以下にクルージングの写真を掲載します。お楽しみください。

場船場 クルーザー 湾に浮かぶ大小のクルーザー
ディエンクン洞窟1(巨大な鍾乳洞ですがわかりますか)
海の桂林・ハロン湾 ちょっと態度がよくない?
自然の造形美をご覧ください

 約3時間のクルージングを終えて、14時30分に下船しました。さあこれからがまた大変です。ハノイへ戻って水上人形劇を見なければなりません。交通の渋滞も予想されます。下船後直ちにハノイへ向けて出発です。バスのドライバーも必死の様子です。途中、ABCとは異なるおみやげセンターに立ち寄り、おみやげ(ヴェトナムコーヒーなど)を買い求めました。渋滞があり、少し遅れて夕方6時30分ころハノイ市内のレストランに着きました。

 そこで慌しく食事をとって、またバスに乗って近くの水上人形劇場へ行きました。水上人形劇はたいへん人気があるようで、劇場の前は人であふれていました。8時から1時間ほど観劇しました。水上劇は伝統ある民俗芸能ということでしたが、言葉が分からないので、日本の歌舞伎や能を観ているようで、内容はよくわかりませんでした。それでも、コミカルな人形の動きなどもあり、それなりに楽しむことができました。写真も撮ったのですが(カメラの持ち込みは有料でしたが、安いものです)、暗いのと、遠くからの撮影のため、うまく撮れませんでした。9時に観劇が終わり、外へ出ると、まだまだ多くの人が出歩いていました。まるで、”夜の銀座”のようでした。ヴェトナムもすごいですね。ホーチミン市はもっとすごいのでしょうか?

水上人形劇(写りが悪いですね) ハノイの夜の賑わい

 劇場を出てすぐにハノイ空港へ向かい、着いたのが夜の10時でした。本当に慌しいですね。これで、ヴェトナムツアーが終わりです。ヴェトナム侵略戦争への思いが心の奥に引っ掛かりますが、結構当初の思い通りツアーを楽しむことができました。ここで、出発時と同様、成田、関空、中部および福岡の各グループごとに別れ、成田組は0時10分発のヴェトナム航空で成田に向かいました。成田の到着は、今度は予定より早く、31日(土)の日本時間6時40分でした。

 これで、ヴェトナム・ツアーの報告を終わります。最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

                                                                   2012年2月13日 完


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