☆ ログハウス建築日誌(7) ☆

                                                     更新日: 2006年02月11日
                                              
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17.その後: 2006年01月

 2006年の元旦を山中湖のログハウスで迎えることができました。振り返って見ると、結構たいへんなプロジェクトでしたが、とにかくこうやって新年を迎えることができ、とてもうれしい気持ちでした。1日は早朝に本栖湖畔の竜ヶ岳に登って、ダイアモンド富士を見る予定でしたが、あいにく天気が悪いため、あきらめました。その代わりといっては何ですが、紅富士の新年の朝風呂に行って、ゆったりとしました。


 2日(月)は、懸案の?看板と郵便ポストができあがり、入り口に設置しました。家の名は”
Yのログキャビン”です。午後から雪が降り始め、大雪となりましたので、東京へ帰ることにしました。水周りの凍結防止を、マニュアルにしたがって慎重に行いました。来週来たときに凍結していたらどうしようととても不安になってしまいます。また、結露のほうも心配でした。来週は竣工パーティです。

 1月6日(金)、夜に山中湖へ入ったのですが、午後から雪が降ったようで、約10cm積もっていました。本当に今冬は寒くて、雪が多いようです。

 1月7日(土)、朝はマイナス13度になり、とても冷え込みが厳しいでした。寒い中、松本さんをはじめ、山崎さん、市場さん、沙原設備工業の宮原さん、電気工事のXXさん、それにログハウス松本を紹介していただいた加藤夫妻とお孫さん2名、さらには友人の北村君まで駆けつけてくれました。私どものためにお休みのところ来ていただき、本当に感謝・感謝です。といっても、山中湖ではあまり用意もできず、簡素な竣工パーティとなってしまい、申し訳なかったのですが、ビールや日本酒を飲みながら、和気あいあいとログハウスのことなど、会話を楽しむことができました。私のほうもこれで本当にプロジェクトが終了したという実感が湧いてきました。

 1月8日(日)は、富士急へ竣工届けを提出しました。庭に木々を数本植えて、その植栽報告をしなければならないのですが、冬は山中湖の土は凍ってしまうので、植栽はできません。そのため、春まで待ってもらうことにしました。とりあえず、これで富士急への手続きは完了です。下水道料の支払い方法の件がよくわからないのですが、適当に請求してくることでしょう。ちなみに、上水道は富士急の設備で、下水道は山中湖村の設備となっています。

 1月9日(月)、1F寝室の東北コーナーが結露しているのを見つけました。壁のコーナーの部分と床のコーナー部分がぐっしょり濡れていました。例のリビングルームの天井の方は今のところ問題が再発していないのですが、また少し心配になりました。とりあえず、ログハウス松本に電話を入れて、報告し、様子を見ることにしました。また、このあたりは原因等をできるだけ明らかにしておきたいと思い、後日ログハウスの結露に関する質問書を作成し、ログハウス松本に郵送しました。他方、私のほうでも、インターネットでログハウスの結露に関する情報を集め、研究しました。ただ、類所のケースについては1件しか見つからず、そのほかは窓ガラスの二重化などの一般的なことに関する記事がほとんどでした。

 1月10日(火)、設計士と山梨県都留建設部が来て、建築の現場確認をしていったようです。合格とのことで、近々合格しょうが出るとのことでした。これで、住宅金融公庫のほうもほぼクリアできそうですが、ただ、17日(火)が住宅金融公庫の融資契約の締め日とのことなので、間に合うかどうか微妙なところです。

 1月13日(金)、法務局吉田出張所へ行き、念願の保存登記承認証(権利証)を受領しました。保存登記の登録料は9900円で済みました。
 続いて、富士吉田市役所へ行き、森の推進課に建物完了届け(完成した建物の四方からの写真を添付)を提出しました。これで、こちらも手続きは完了です。更に、山中湖村役場へ行って、何か手続きをする必要があるか問い合わせたのですが、何もないとのことでした。ただし、固定資産税算出のために、秋頃に建物の検査に訪問するので、そのときに立ち会うようにと言われました。また平日に東京から来るようにとのことですが、行政のウィークエンドサービスを行ってもらえないのでしょうかね。

 1月14日(土)、ログハウス松本から質問書について説明を受けました。リビングルームの天井については、年末に対処した後は今のところ問題はないので、引き続き様子を見ることにしました。また、1F寝室の東北コーナーの結露は、今朝はたいして濡れていないので、これも様子を見ることにしました。こちらは、どうも狭い部屋で人が寝るので、温度と湿度が高くなるのが原因のような気がします。特に窓ガラスは全面結露してしまいます。玄関の窓ガラスを除いては、他の部屋ではおおきな結露は見られません。

 1月16日(月)、まだ住宅金融公庫からの竣工時現場審査合格通知が届いていなかったのですが、融資契約の締め日が明日17日なので(これを逃すと半月ほど待たなければならなくなります)、電話で融資契約が可能か問い合わせてみました。やはり、担当者の回答は書類が届いていないのでは、たとえ現場審査が終わっても、融資契約はできないとのことでした。まあ、これは当然でしょうね。
 ところが、夕方になって、住宅金融公庫の担当者から電話があり、山梨県都留建設部より竣工時現場審査合格通知が届いたので、明日来てくれれば融資契約を締結することが可能である旨の連絡がありました。本当に親切な担当者ですね。銀行よりも顧客サービスがよいように思いました。もちろん、明日公社へ伺うことにしました。夜自宅へ帰ってみると、自宅にも合格通知書が届いていました。

 1月17日(火)、住宅金融公庫へ行き、融資契約を結びました。本当に、ぎりぎりの滑り込みセーフといったところでした。これで、ログハウス松本に約束どおり工事代金の残金を支払うことができます。ほっとしました。That’s Endです。


18.ログハウス松本との1年間4か月を振り返って: 

 2004年9月26日に旭日丘の土地と出会って以来、およそ1年4か月の月日がたちました。土地(借地権)を購入しようかと迷ったのが今でも鮮明に思い出されます。また、土地(借地権)を購入した後も、ログハウスの建築をどこに依頼しようかと、あちこち歩き回ったことが思い出されます。ログハウス松本との出会いも偶然でした。結果的に見れば、とてもよい出会いではなかったかと思っています。この私の1年4か月のログハウス建築プロジェクトを振り返りながら、簡単な感想を以下に述べてみます。

1.土地(借地権)の購入が良かったかどうかは未だによくわかりません。将来の山中湖での生活の可能性を取得はしたのですが、現実を見ると近い将来も含めて先がよく見えていません。家庭のこと、仕事のこと。健康のこと、将来の生活費のことなどなど、不安なことばかりです。でも、この土地がきっとよいきっかけを作ってくれるのではないかとただ信じるばかりです。FK不動産の営業担当者には感謝したいと思います。

2.ログハウスメーカーの選定はとても難しかったです。合い見積もりをお願いし、最適な業者を選択することは必須とは思いますが、正直言ってログハウス建築についての知識がない場合、何を基準に選択したらよいのか分かりません。地元の業者でかつ地元でのログハウスの経験が豊富であるということは必須条件かと思いますが、業者の技術力があるかとか、丁寧な施工をするかとか、信用があるかといったことはよくわかりません。価格も安ければ良いといったものではないはずです。最後はインスピレーションによる決断のように思いました。私の場合、結論的に言えばログハウス松本はたいへんよい選択であったと思います。

3.建築業者の選択のほかに、設計・施工管理をどうするかといった問題があります。私の場合はログハウス松本に設計・施工管理を含めてすべて一括の契約をしましたが、設計そのものや建築確認申請は知り合いの東京の設計士にまかせっぱなしであり、また施工管理という面でも知識は十分ではなかったように思います。厳しい言い方ですか、ログハウス松本は建築のみの請負業者であったと思います。しかし、これは個人のログビルダーにお願いしするときに認識していたことなので、こちらの負担は大変でしたが、やむをえないものだったと思っています。ただし、施工管理については、お金があるなら第三者に依頼するのがベターかと思います。

4.ログハウス松本を選択して良かった点のひとつに、米ヒバの生木の皮はぎがあります。これはは貴重な経験であり、楽しい思い出です。また、ログ材によるベンチ作りは、チェンソーや電気カンナの使い方を教わり、すばらしい記念碑を残すことができました。おかげで、独自で米ヒバのログ材を利用して、看板と郵便ポストも作ることができるようになりました。これは感謝です。

5.こちらが毎週のように現地に行ったこともあるのですが、毎週松本さんをはじめ、大工さんや他の業者の方と親しくなり、楽しい会話ができたことも良かったと思っています。これをもし任せっぱなしにして、月に一度くらいの訪問であったら、こういったコミュニケーションができなかったのではないかと思います。そういう意味でも、毎週現地に来て、建築の傍らで木を切り倒したり、木の根を掘り、土地を耕したり、野菜を栽培したり、門柱を作ったりしたのも、ログハウスの建築とは直接関係はないのですが、よい思い出となっています。ログハウス建築がとても身近に感じられ、旅行に行ったようなたくさんの思い出ができました。

6.建物自体は、例の結露による漏水を除けば、100%以上の満足です。特に、ログハウス松本が、私どもの当初の想定より多くの付加価値を提供してくれました。たとえば、棟木・母屋木の米ヒバログ使用、ポーチの追加、広いデッキなどたくさんあります。これは本当に感謝しております。ただし、ログハウス松本にとっては、たいへんなコストオーバー要因であったと思います。

7.金額的には、若干契約時の金額より増えましたが、私としてはほぼ予算内で収まりました。これもログハウス松本に感謝です。他の業者では、今回のようなログハウスは不可能であったかと思います。

6.問題点としては、以下のようなものがありましたが、何とかクリアできたと思っています。

1) 設計において、設計士とのコミュニケーションが十分にできなかったように思います。図面はそれなりによく見たのですが、理解できない専門用語があったり、デザインや立面図、平面図等は当然相談して決めたのですが、詳細な設計図面については説明をしてもらえませんでした。恐らく、設計図面の詳細については一般的には説明をしないことが多く、またそれを求めるお客もいないのかと思いますが(ログハウス松本は、私を細かいことを気にする客だと言ってます)。でも、ログハウスは在来軸組工法やツーバイフォー工法とは違って、構造や防水・寒冷地対策などがいろいろとあるようなので、設計士(あるは代わって建築業者)として客に十分な説明をするべきかと思います。

2) また、設計時点でログハウス松本に一部の仕様内容の変更を口頭でお願いしたのがあるのですが、図面等に記述していなかったために一部トラブルがありました。ログハウス松本からは、内部工事についてはその場で何とかなると言われたのですが、結果的には忘れてしまったり、追加料金がかかったりしてしまったものがあります。仕様については、必ず図面等で確認しておく必要があります。当たり前のことですが、なかなかできないことでもあります。なお、今回「仕様変更管理表」を作成し、運用しましたが、それらについては仕様変更内容をお互いに書面で確認したので、誤解が生じるようなことはありませんでした。

3) ログハウス松本から、スケジュールや当面の作業内容についての情報提供がありませんでした。あったとしても、立ち話程度で、いつごろどんな工事をやるのかよくわかりませんでした。当初私の作成したマスタスケジュールもほとんど見向きもされませんでした。建築工事は天候に大きく左右されるので、作業内容を約束することはできないと思いますが、予定はやはりきちんと客に伝えるべきと思います。このような習慣はないのでしょうね。

4) 3.でも述べましたが、建築以外にも、官公庁等への手続きなどについての情報提供があるとたいへん助かったと思うのですが、今回はそのようなサービスが不十分な気がしました。こちらは、建物を建てるのが初めてで、それも居住地と離れていたので、何を、いつ、どこで、どのようにしたらよいのかよくわからず、情報取得に余計な時間が取られ、結構つらいものがありました。もちろん、これらは契約の範囲ではないといってしまえばそれきりで、やむをえないといえばやむをえないのですが。無理な話なのでしょうね。

5) 納期が遅れたこと自体はあまり問題ではないのですが、11月になって松本さんが他の工事を手がけ始め、こちらは2人だけになって遅れてしまったのはちょっと問題があります。そのため、最後の仕上げ工事が慌しく、何かやっつけ仕事をやっているように見えました。実際は問題はないとは思いますが、建物は見えないところが多く、気になってしまいます。

6) 一部当初の設計・仕様と違った造作部分がありました。もちろん、ほとんど機能には関係ないのですが、工事の後半になって、ログハウス松本より口頭で仕様の変更が提案され、あまり意味もわからず了承してしまいました。ほとんどコスト削減が目的でした。まあ、こちらは機能そのものにほぼ問題ないので、安くお願いしたのだからやむをえないと考え、問題にはしませんでした。

7) 結露による漏水は大問題でしたが、とりあえず対策を施してもらい、また保証に関する覚書を締結したので、現在はOKと考えています。


 以上ですが、再度ログハウス松本に感謝をしたいと思います。このように、私どもにとって初めてのログハウス建築が竣工にこぎつけ、週末にはとても快適なログハウスでの生活が実現しました。120%以上の満足度です。できるだけ早く山中湖に定住すべく努力しようと思っているこのごろです。本当にありがとうございました。
    
                                                         2006年2月11日 完了


  
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