☆ ログハウス建築日誌(1) ☆

                                                    更新日: 2005年11月21日
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     *一部フィクションが入っていますことをお断りしておきます。        RETURN(ログハウス建築日誌Top)

01.旭日丘の土地との出会い:2004年09月26日

 久し振りに、旭日丘にあるFK不動産の物件を紹介する看板の前で、何かよい物件はないものかと見ておりました。このFK不動産は、当時住んでいたリゾートマンションの一室を購入したときの不動産屋で、ここ数年は時々訪れては、いろいろな物件を案内してもらっていました。当時の営業部長はいらっしゃらなかったのですが、社長とも面識があり、資金はほとんどないのに、あつかましくお邪魔をしていたということになります。

 この時も、営業担当者が私を見つけて、「どこか希望があればご案内しましょうか」と声を掛けていただきました。「買うかどうか分からないのですが、それでもよろしいですか」と、あつかましくもいつもの返答をして、何箇所か目に付いた物件を紹介してもらうことにしました。本当に買う場合でも、多くの物件を見て、比較し、相場をチェックすることは絶対に大事なことかと思います。特に、不動産は金額も高額で、失敗も許されません。また、私は山中湖に13年ほど通っていたので、土地勘はそれなりに持っておりましたが、初めての土地の場合は、特に入念なチェックが必要と思います。

 早速営業の担当者に車に乗せてもらい、あちこちと物件を案内していただきました。しかし、いつもの事でしたが、これはと思う物件は高嶺の花で手が届きません。かといって、安価な物件では、永住を考えた場合、これではいかがなものかと考えさせられてしまいます。ということで、私は希望としてはそこそこの広い土地にある中古のログハウスをと考えていましたが、これはといった物件はいつも見つからなかったのです。資金がないから、そもそも夢を追い求めていたに過ぎなかったということです。
 それで、「今日も申し訳ありません。希望を満たす物件はありませんでした」と言って車でFK不動産の事務所へ戻り始めたところ、営業担当者が、「事務所の近くに広い土地があるのですが、見てみませんか。土地は富士急の借地権ですが、300坪あります」との話がでました。私は、借地権付き土地はまったく考えていなかったことと、300坪の土地など思いも寄らなかったので、「まあ帰りの寄り道に、どんなところか案内でもしてもらおう」かという軽い気持ちで現場に連れて行ってもらいました。

 そこは、FK不動産の事務所から200mくらい南側を上がったところの東北の角地で、ほぼ長方形の平地(やや傾斜している)でした。南側の半分は、カラマツやミズキの大木が立ち並び、北側の半分は大きな木は切り倒されていましたが、潅木が生い茂り、中に足を入れるのも躊躇するような土地でした。場所や広さ、日当たり具合はまったく問題はなさそうなので、「おいくらですか」と恐る恐る問いただしますと、「xxx万円」と驚くべき格安の金額が返ってきました。(左の写真は12月撮影で、潅木等は刈り払った後の写真です)
 これにはびっくり!家内の顔を見ると、家内も驚いた様子!心の中を見透かされないように、冷静に「詳細を教えていただけますか」とお願いして、FK不動産の事務所へ戻り、お話を聞くことになりました。

 土地の借地権所有者の方が、ずっと家も建てることなく、最近になって販売に出された土地とのことでした。土地はまったく問題がありませんでした。問題はログハウスを新築するといくらくらい掛かるかです。ログハウスを新築することは夢のことと考えていたので、およその建築費もまったく知りませんでした。FK不動産のお話では、小規模のログハウスでも1000万円台の後半だそうです。当然私にはローンでも組まなければこんな大金は用意できません。「セカンドハウスでもローンは大丈夫ですか」とお聞きすると、営業担当者は「Yさん、まったく問題はありません。いくらでも大丈夫です。金融機関をご紹介します」との答えでした。いくらでも大丈夫と言われても、こちらはそろそろ先が見えてきており、退職後にローン返済に追われて、首吊りをするわけにもいきません。とりあえず、この日は「家でじっくり考えてからご返事します」と答えて、FK不動産を後にしました。

02.煩悶の日々と土地(借地権)購入の決断:2004年09月26日−10月24日

 帰ってからが大変でした。「家でじっくり考えてからご返事します」と答えたものの、土地(借地権)はなんとかなるが、建物の予算の見通しがまったくありません。家内はお金の心配などは気にしないのか、「お父さん、このチャンスを逃したら一生ログハウスには住めないわよ」と私を”脅迫”します。こういうときは女性は強いですよね。私と言えば、ログハウスに住んで隠遁生活をすることが夢でしたし、そのときも早く山中湖に住みたいものだと考えておりました。しかし、先立つものがありません。会社ではいつ肩たたきをされるかわかりませんし、また給与も毎年下がるばかりです。こんな状況でローンを組んだら、2・3年後には恐ろしい現実が立ちはだかるのは目に見えています。(右の写真も12月撮影です)

 困ってしまいました。翌週も、翌々週も、その土地を眺め、「欲しいなー」と思い、またFK不動産に立ち寄っては、「私のような資産レベルでもログハウスを建てることができるのか」と相談しました。家内は、「このチャンスを・・・」とか、「決断しなさいよ」とかと言って、私を煽ります。
 土地については、借地権が気になりました。所有権なら問題はないのですが、当然金額がかさみ、私では手が届きません。でも、借地権では購入金額は相対的には安くなりますが、当然所有権はなく、毎年富士急に借地料を支払わなければなりません(富士急の借地権別荘地は、富士急が山梨県の土地を別荘地用の借地として借り、その借地権を富士急が再度販売するといった形態になっています)。借地権は20年間で、借地料は210円/m2、共益費は5円/m2で、他に契約更新(名義変更)料が900円/m2かかります。20年後の契約更新手数料は1区画あたり50,000円で、相続時でも100,000円です。これならば、当時保有していたリゾートマンションの管理費等とくらべても、維持費としてはそんなに高いとはいえないと考えました。

 結局、最後は、「建物の方はいつか何とかなるだろう」といった楽観的かつ無謀な考えに立つとともに、「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」のたとえを思い出して、「夢の世界を現実に手繰り寄せよう」、「さあ、ルビコン河を渡ろう」と自分自身に勝手に言い聞かせ、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、土地(借地権)の購入を決意しました。これが10月11日で、忘れることの出来ない決断の日となりました。契約締結までの経過はおよそ以下の通りでした。

 11日:契約関連書類の受取り
 12日:契約関連書類の送付と予約金の振込み
 19日:土地(借地権)代金を振込み
 20日:富士急リゾートへ借地権名義変更料を振込み
 24日:土地譲渡契約の締結(FK不動産)
 11月24日:土地賃貸借契約の締結(富士急行)・・富士急の手続きはいつも時間がかかります

03.さあ、大変だ、大変だ・・・:2004年11月−2005年02月

 普通は、土地を買えば、次にどんな家を建てようかと夢が膨らむのでしょうが、私の場合は、夢どころか、現実が重くのしかかってきて、仕事上の悩みと重なって鬱状態のような気分になってしまいました。すぐに建物を建てる必要はないのですが、よく考えてみれば(よく考えなくても当たり前ですが)、現在のリゾートマンションの部屋を持ち続けていると、管理費の支払いと地代の支払いが二重にかかり、非常に負担が重くなってしまいます。また、会社を首にならなかったとしても、定年退職はもう目の前です。退職したらとてもローンを貸してくれそうもありませんし、借りたとしても順調に支払いすることはおぼつかないと思います。退職金は出るには出るのですが、スズメの涙程度で、ローンの返却にはとても足りません。

 とはいえ、いつまでも悩んではいられません。”サイ”は投げられたのですから、我が家の新規プロジェクトを立ち上げなければなりません。プロジェクトの目的は2つ。第一は、リゾートマンションの部屋を売却する。第二は、私の予算内でログハウスを建ててくれる建築業者を探すの2つです。

 第一のリゾートマンションの部屋の売却ですが、当然FK不動産に売却の仲介をお願いしました。冒頭にも述べましたように、この部屋はFK不動産から購入したものです。建物はやや古いのですが、ていねいに使っており、即使用可能なので、何とか売れるのではないかとのお話でした。ただし、季節が冬に向かうので、場合によっては来年の春過ぎになるかもしれないとのことでした。第一点はとりあえず一安心となりました。

 第二の私の予算内で請け負ってくれる建設業者ですが、
FK不動産はログハウスの建築も行っているので、FK不動産に相談しました。FK不動産はある大手のHKログハウス販売会社と提携しており、最初にそちらを紹介されました。そのHK販売会社のログハウス展示場が山中湖にあり、そちらを見学させてもらいました。そこにはログハウスが5、6棟建っており、どれも素敵なログハウスでしたが、当然のことながら価格は高く、私にとっては高嶺の花でした。富士山麓のハイキング仲間にその展示場に勤務しておられる人がおられたので、ちょっと相談してみたのですが、数%くらい値引きできるとのお話でした(FK不動産は値引きのことなどは話してくれませんでしたが)。どちらにしろ、私には縁遠い話でした。それで、FK不動産には、FK不動産の”標準モデルのログハウス”で見積もりをお願いしました。建設はFK不動産の関連建設業者が請け負うとのことでした。
 他方、ログハウスとはどんなものか、一般的な価格はいくらくらいなのか調査をし、場合によっては相見積もりをする必要があると考えました。まずは、ログハウス関連の本を購入し、ログハウスの”いろは”から勉強しました。この本の中で、全国規模の大手ログハウスメーカーBF社を知りました。もうひとつは、甲府の建設業者YH社が目に留まりました。山梨県内でかつ比較的山中湖に近いところでログハウスを扱っている業者はYH社しか見つかりませんでした(その時は富士吉田市周辺のログハウス建設業者は見当たりませんでしたが、最近1、2社あるように聞いております)。(右写真は、2005年1月2日の撮影です)

 更に、富士山麓ハイキングの仲間で、鳴沢村の富士桜高原別荘地に住んでいる方に、「ログハウスを建ててくれる業者を知っていたら教えてください」と尋ねたところ、富士河口湖町勝山在住の個人の
ログハウスビルダーMさんを教えていただきました。

 見積もりを依頼するにあたっては、こちらのログハウスのイメージを伝える必要がありました。それで、FK不動産の”モデルログハウス”?をベースにして、左下のようなスケッチを描いて、各業者に私のログハウスイメージを伝えました。

 平面図とおよその部屋割りの図も描きました(下の中央と、右の図、上方が南です)。1F(8mx6.5m)は、田の字型の部屋割りとし、南側の2部屋はオープンスペースとし、そのうちの一部屋のコーナーはキッチンとしました。もう一方の部屋は2Fまで吹き抜けとしました。1Fにはもうひとつ寝室を設け、他にトイレ、バス、洗面所が付きます。2Fは屋根裏部屋となるわけですが、ドーマを付け、2部屋と納戸を設けました。ただし、一部屋は吹き抜けに面したオープンルームです。

 こんなイメージのログハウスを胸に抱いて、各業者を訪問し、いろいろと相談してみました。
 
 FK不動産以外の業者のプロファイルは以下のとおりです。

 
大手ログハウスメーカーBF社は、東京渋谷に大規模なログハウス展示場をもっておりましたので、さっそく展示場を訪問してみました。初めて間近に見る本格的なハンドメイドのログハウスには圧倒されました。価格も高いものから安いものまであり、検討の余地がありそうに思いました。それで、営業担当者に見積もりをお願いしました。2週間後には見積もり結果を伺いに再度展示場を訪問しました(ここは、営業担当者は自宅まで訪問して営業活動をすることはないとのことでした)。価格的には私の支払い能力ぎりぎりの価格でした。とりあえず、相見積もりのひとつとさせてもらいました。

 次に、
甲府のYH建設業社を訪問しました。ところがここはログハウス建設の実績がないにもかかわらず、最近大分・日田の林業組合と契約してログハウスの建設・販売に取り組み始めたばかりとのことでした。そこで、日田林業組合のログハウスのパンフレットを見せてもらったのですが、ログ材がラミネート材といって材木をログ様に貼り付けた材が中心でした。私は、”本物”のログ材で建てたものでなければ、ログハウスとは言えないと考えていました。ところがひとつだけ、丸ログ(マシーンカット)を使ったログハウスがありました。それは当然価格はたいへん高く、とても手が届きそうになかったのですが、とりあえずあつかましくも営業担当者に見積もりをお願いしました。

 三番目は、
ログハウスビルダーMさんです。Mさんに電話をかけ、山中湖で落ち合い、Mさんが建設したログハウスを見学させてもらいました。ひとつは、富士急別荘地内で、私の土地から山のほうに登ったところにあるHさんのログハウス。それから富士桜高原で当時建設真っ只中のログハウス(ここは何度か足を運び、ログハウス建設の現場を観察することができました)。もうひとつ、上九一色村のドクタービレッジ内のログハウスも見学しました。Mさんは個人業者で、彼に請負ですべて依頼しても大丈夫かなという不安がありましたが、実直な人柄に惹かれたのと、個人ログハウスビルダーが建てるログハウスというものに興味が湧いて、見積もりを依頼することにしました。

 これで終わりと思っていたところ、12月の新聞で
全国的ログハウスメーカーFJ社の格安ログハウス販売の広告を見つけました。早速、東京神田のFJ社を訪問しましたが、営業担当者から「今すぐに予約をしないと、販売枠がなくなりますよ」と言われ、何か変だなといった疑念が湧きました。しかし、”格安”が気に入ったので、とりあえず「展示モデルハウスを紹介していただけませんか」とお願いしたところ、現在人が住んでいる川崎のログハウスを紹介されました。それも営業担当者同行ではなく、指定された日時に私が訪問するようにとのことでした。それで、そのお宅を訪問してみましたが、造りそのものも今ひとつで、かつ会社の販売方針が気に入らなかったので、ここはすぐにやめてしまいました。

 これとは併行的に、東京後楽園の
住宅金融公庫を訪問し、セカンドハウスに対して融資が可能なのか確認しました。というのも、個人のセカンドハウス建設については、ほとんどの金融機関が融資をしていませんでした(建設業社を通せば別ですが)。大手銀行は本当にリスクのとり方ができないようですね。相談に行って、「セカンドハウス」というと、即座に「融資は出来ません」の返答でした。一方、公庫では「住まいる特別融資」という個人のセカンドハウス向け融資があるのが分かりました。しかし、一般的には借地に建てる建物には融資をしないとのことでした。私は、富士急の営業担当者から、山中湖の富士急別荘地では公庫融資を受けている人がいるという話を聞いていたので、担当者に確認をお願いしたところ、全国で数箇所、大きな別荘地については融資が可能で、山中湖富士急別荘地はそのひとつとのことでした。これはGOOD情報でした。

 ここで、各業者の見積もりの比較評価をお話しようかとも思ったのですが、何か差し障りのあることでも書いてしまうと問題がで生じるかもしれませんので、やめることにします。もし何か知りたいことがありましたら、メールでもください。できるだけご相談にのるようにします。

 ということで、最終的に私が選んだ業者は、FK不動産ではなく、
ログハウスビルダーMさんこと、松本孝志さん(ログハウス松本代表)でした。
  
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