Bon Voyage!
ASIA AT RANDOM

WONDER ISLAND BALI, again and again

2003年7月20-21日。2日ががりで南の島へ。

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7月20日(日)横浜→香港 「日本の方ですか?」

JR横浜駅から2時間で成田空港に着いた。午後3時39分。

いつものところでAIUの旅行傷害保険を作る。check-in luggage用に錠を買って取り付ける。航空券の受け取りは出発時刻の2時間前(つまり午後4時30分)からだが、かまわずカウンターに行く。しかし、その前の検査でライターが発見されて「荷物のなかではなく、身につけておくように」と言われる。私はタバコをやめているので、このライターは蚊取り線香やろうそくに火を点けるために持参したのであった。ふむふむ。検査官があまりに丁寧かつ慇懃で「ご協力ありがとうございました!」って敬礼されて違和感を覚える。

カウンターで航空券を受け取り、チェックインして席の確定まで済ませるが、check-in luggageだけはCXで手続きするんだそうだ。

そこへ行けば懐かしい猥雑な香港世界があった。

大家族なのか団体なのか、大きな荷物と駆け回るガキ共、遅々として進まぬ列。遂に窓口がひとつ増えたのでそちらに並び直してようやく完了。

機内用にevianを買い、セキュリティチェック、出国手続きを経てサテライトへ。ここでもどこかで見たガキが喜々として走り回っていた。それをニコニコと眺める家族。中国系の方々が子どもを可愛がるさまは、あるときは微笑ましいが、あるときは相当迷惑である。私は、かつて機内で自分の足の上を飛び回るガキで目が覚めた経験がある。それ以来CX(キャセイパシフィック航空)は避けてきたのであった。

漠たる不安を胸に機内へ。後部座席の乗客から順に搭乗する手はずなのだが、搭乗開始の15分前から並んで我先に乗る人々にとっては有名無実。EDカードと健康申告票をもらっておく。出国するかもしれないし。日本人CAに「日本の方ですか?」と確認される。もはやこんな仕打ちには慣れてしまったが。

7時前には離陸し、時計を1時間戻して午後10時前に香港に着陸。Transfer deskで航空券を見せたら有無を言わせず翌朝のデンパサール行きのチェックイン手続きが済んでしまった。で、出国しても空港内にいてもどっちでもいいんだそうだ。香港ドルに両替するのも面倒だし、市内へ出るにももう遅いし、Transit area内で時間をつぶすことにする。

webで調べておいた"shower & nap"ができるpremium loungeというところがあるはずなのだが・・。

そこへ行くにはセキュリティチェックを経てdeparture areaに入らないといけないのであった。ニュース映像で見たような検温チェックも受けてようやく目的のラウンジへ。

一番安い"shower & nap"では仮眠2時間なので、"overnight stay"にする。HK$350(約5600円)。ただし、個室ではなくパーティションと布で仕切られたベッドである。ファッショナブルなドミトリーとでも言うべきか。シンガポールのチャンギ空港にあるTransit Hotelならこの半分くらいの値段でツインルームが取れるのだが。

空港内全体の空調管理が行き届いているのか、熱帯の暑く湿った空気では全くなく、乾燥して涼しい。ネクタイをしていても暑苦しく見えず、リゾートファッションでも寒くはない。それはそれで自慢なのだろうが、鼻炎持ちで機内の低気圧と乾燥に耐えてきた私の身にはかなり厳しい。

text by Takashi Kaneyama 2003

7月21日(月)香港→ウブド 「ワヤン! ワヤン! オレだよ、オレ!」


ついつい写真を撮りたくなる空間ではある。香港空港のNWwing、gate60付近

朝の6時に起こされた。パッケージでは「2400-0600」が許された仮眠時間なのである。シャワールームはちゃんと個室で、中で着替えられるようになっている。機能的だが、味気ない。日本のサウナ経営者にこのスペースを与えたら、3分の1の客単価で数倍の収益をたたき出すと思う。

朝食もついている。フロント後ろのカウンターでサンドイッチ、クラッカー、コーヒー。コーヒーはネスカフェと粉クリームの瓶、お湯の入ったポットが供されて自分で淹れる。全体に新しくてキレイではあるが、魂が入っていない。

それは空港そのものについても言える。搭乗まで広い空港を歩き回り、珍しく撮影までする。しかし、人間が物語を刻む前の入れ物にしかまだ見えない。

デンパサール行きを待つ人々にアジア系の顔は少なかった。

やっと出発時刻が迫ってきた。指定されたゲートにいるのは、ほとんどが欧米からのリゾート客のようだ。

定刻の9時35分に搭乗開始、乗ってみれば6割くらいの混みよう。10時過ぎに離陸し、午後2時過ぎにはバリ島ングラライ空港に到着した。EDカードのフォーマットが変わっており、かなり書きやすくなった。イミグレでは滞在アドレスがいい加減でも、帰りの航空券を提示しなくても簡単に通過。

荷物をピックアップして税関に申告書を手渡し、手招きする両替商たちの窓口を通り過ぎ、出迎えの人波を脇目にATMへ。しかし、なぜかPLUSで引き出せず、VISAでとりあえず30万ルピアをゲット。チケットタクシーでウブドへ。115,000ルピア(約1700円)。

私の記憶にある値段より2倍以上も上がっている。

空港からのタクシーは前払いの規定料金定額制だから、これはバリ島全体の物価上昇の前触れでもあった。タクシー窓口では頼んでもいないのに世話して荷物を持つおしかけポーターにつきまとわれ、タクシー乗車時に2000ルピア(約30円)だけ渡す。最近は、こういう輩にも優しくなった、というか面倒くさくて札で解決するようになってしまった。ちなみに1円は約67ルピア、1万ルピアは約150円というのが覚えやすい換算レートである(事前に確認していた最近のレートだが、3年前とほぼ同じ)。

約1時間でウブドに着いた。道路があまりによくなっていて、驚愕した。バトゥブランやマス、プンゴセカンあたりでは道に穴があいていたり路肩が崩れていたり、泥が飛び砂が舞うのは普通だったのに、いまやキレイに舗装されている。かつてはその穴や傾きで、場所を判別していたのに、まるで別の土地みたいだ。

プリアタンを回ってジャラン・ラヤ・ウブドを西へ、そしてあの道を南へ。その途中でモートル・バイクで出かけるワヤンを見つけた(以前の旅行記を参照すると登場する。私のウブドでの定宿のおにいちゃんである)。

タクシーの車内から手を振ってワヤンを引き返させる。

めでたく目的の某Homestay前でワヤンに再会。そのままno.7のコテージに投宿。「いつまで?」とか「いくら?」とかの質問もなしで泊める方も泊める方だが、泊まる方も泊まる方である。

コーヒーのセットをもらい、さすがに日程と値段を確認。10日ほどいて、少しほかへ行ってまた戻って、帰国する。70,000ルピア/泊(約1,050円)で。値段はともかく、日程がそういうあやふやなことでいいのしかしら? と思うが、私自身が決めかねているので、とりあえずいいのだ。

ワヤンはパサールへ行く途中だったそうで、私が「DeltaDewata(というスーパーマーケット)へ行く」と言うとモートル・バイクで送ってくれた。

DeltaDewataは様変わりしていた。

中央に果物その他セール商品が山積みされ、観光客目当てとおぼしき木彫りや本、カセットテープがそれぞれひとつのコーナーに昇格していた。そして何より巨大な冷蔵ケースに生鮮食品が!

しかし私はそれには目もくれず、蚊取り線香の10個入り格安パックとろうそく2個、大きめのタオル2本、プラスチックのコップ1個と1500mlのミネラルウォーターを購入。値段の合計は計49,090ルピア(約736円)、タオルが1本20,800ルピア(約312円)もした。タオルは日本から持ってくるのを忘れたのだが、他も含めて「ここで買えばいいや」と思っているのでたいしたことはないのである。

なお、10ルピアというのはほとんど流通していない。100ルピアでも、レストランなどではおつりとして返って来ない方が多い。だが、こういうスーパーでは「100ルピア持ってない?」と請求される場合が頻繁にある。今回も私は5万ルピアと100ルピア札を差し出して1,000ルピアをお釣りとして受け取った。

宿まで歩いて帰る。道はキレイに舗装されたが、橋から投げ捨てられたゴミで谷は埋め尽くされていた。バナナや椰子などの自然素材なら、捨てても土に還るが、プラスチックは還らない。しかし、人々は以前の習慣そのままにゴミをそこかしこに投げ捨てる。

宿のテラスにて明日からの予定とすることのリストを作るが、あっという間に終わる。

早い夕食を摂りに外へ。凧がたくさん空に揚がっていた。

"cafe Tegal"にマディはいなかった。ナシ・ゴレン、シーフード・チャプチャイ、ビンタン・ビールの大瓶で47,000ルピア(約705円)。ここも2倍以上値上がりしているようだ。

ウブド名物だった側溝の穴も、メインロードではほとんどふさがり、怪我をすることもないだろう。・・っと油断していたら暗闇に大穴が開いていた。まだまだ整備途上であるようだ。「危ない!」と思いつつ、心のどこかで安心した。

やっぱり、ウブドはウブドだ。

photography and text by Takashi Kaneyama 2003


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