BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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11月12日・マンチェスター/リヴァプール「ついにやられた」

リヴァプールへ。

マンチェスター・ピカデリー駅でテキトーにホームに出たら、そこがまさにリヴァプール行きが出るホームだった。幸先よし。

リヴァプールに着いて、すぐにパレードに出くわした。V-day、要するに戦争に勝った記念日で、毎年11月11日に近い日曜日にパレードがある。もうかなりの年だろう爺さんが背筋を伸ばして行進するさまは、ちょっと気が引き締まるものがある。


"We don't forget, and remember those who would not grow old, ..."

それはともかく、まったく訳もわからずに歩き出す。地図もないが、何となくにぎやかなところに出て「Cavern Walk」というサインの方向に行ってみたらMathew Streetを見つけた。Beatlesが初期に出演していたCavernのあった(いまはライブディスコとして復活しているが)ところだ。

いちおう、ツーリスト・インフォメーションにも行ってみようとしたらリヴァプールのオフィシャルショップを発見。マフラーと"You'll never walk alone"のCDを買う。インフォメーションでは地図をもらい、"Beatles'Liverpool complete guide"を買う。ライムストリート駅まで戻りアンフィールド・スタジアムへのバスを確かめる。情報とはまったく違うではないか。下見に来てよかった。が、キックオフまでまだ2時間あるので、ふたつのカテドラル(アングリカンとカソリック)でも見るか、と歩き出したら雨になり、しかも登り坂でけっこう遠く、しかも日曜日でバス便は数が少なく、スタジアム行きのバスに乗れたのは2時35分、キックオフの25分前だった。

急いては事を仕損じる。

で、スタジアムにはキックオフ直前に着いたのだが、「チケット?」と聞く輩がいない。やっと見つけたと思ったら騙された。なんと昨シーズンのチケットをつかまされてしまった。ううう、ついにやられた。しかも、25ポンドに値切ったのに、40ポンド渡したらおつりどころか、そのまま逃げて行きやがった。

怒りと後悔と恥辱にまみれつつ、気を取り直してチケット売場で情報収集。サポータークラブのメンバーのおじいさんによれば、ここでメンバーはチケットを引き替えるのだそうだが、今日は「sold out」の掲示がないから、まだチケットは残っているんじゃないかな、ということだった。ほら、あの子が売りつけようとしているのは有効じゃない券だ、騙されるんじゃないよ。

そうだ、最初から正攻法で真面目にここに来ればよかったのだ、私が悪うございました。

というわけで、列が遅々として進まず、挙げ句の果てに別の窓口に並び直した末になんとかメインスタンドの席を正規の23ポンドで入手、キックオフ25分後にようやく試合を見ることができた。ぜいぜい。

さて、そんな苦労をした試合についてのレポートはこちら。

スタジアムからバスと鉄道を乗り継いでマンチェスターに帰る。リヴァプール・ライムストリート駅では列車案内の表示が故障していて、白板にマジックで手書き、駅員が個々に質問に答えて対応。いやはや、最近はこんなことばっかりだ。マンチェスター行きは5番ホームから7番ホームに変更になり、それも出発時刻の4分前にアナウンスされるのでまた混乱。もちろん列車は遅れてやって来て遅れて出発。

で、マンチェスターではまた中華街に行き、昨日満員だった<Little Yang Sing>でお食事。なんとか20ポンド以内におさめる。

photography and text by Takashi Kaneyama 2000

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