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<3.> 11月12日:LIVERPOOL「You'll never walk alone」

リヴァプール対コヴェントリー・シティ

11月12日(日) アンフィールド・スタジアム午後3時キックオフ

キックオフの25分後。

チケット窓口に並んでいるあいだに、一度大歓声が聞こえたので、たぶんすでにリヴァプールが得点している。

席はメインスタンドの中段、ほぼゴールの真横という端っこ。しかしプレーはよく見える。前の連中がおとなしく座っていれば。

これがまた、とてもメインスタンドとは思えない、野次と怒号が渦巻き、みんな熱くなりやすいのであった。ちょっとでもチャンスになりそうだと、すぐに立つので、おちおち座っていられない。野次がまた汚い。味方の選手であろうと(あるいは味方だからか)、ミスや怠慢プレーには放送禁止用語で罵倒する。私のすぐ後ろの女性など、金切り声でいちいちパス、クリア、審判の判定に「コメント」するものだから、うるさくてかなわない。

オーウェン対ハッジ

さて、注目はオーウェンが故障から復帰して本調子かどうか。対するコヴェントリーのムスタファ・ハッジ(モロッコ)がどんなプレーを見せるか。ふたりとも10番を背負い、フランス98で評価を上げた同士だけに刮目していたわけだが。

オーウェンは積極的に飛び出すのだが、プレーの精度が低い。簡単なダイレクトのパス交換もミス、GKとの1対1でもシュートをはずしてしまった。

コヴェントリーではムスタファ・ハッジが目立たず、むしろ7番の選手の動きがよい。ゲームはややリヴァプールが優勢ながら、どちらも最後の詰めに精彩を欠いて前半終了。

ゴール、ゴール、ゴール!

そうして後半はゴールラッシュが始まった。しかもリヴァプールはこちら側のゴールに3回も得点してくれて嬉しい限り。


オーウェンが切れ込む。

後半5分(以下の計時は自分の時計による)、FKからまず1点(たぶん2点目)。10分、コヴェントリーが見事なミドルシュートを決めて1点返す。スタンドは静まり返る。

15分、オーウェンが決定的チャンスでシュートがわずかに枠の外。20分、コヴェントリーのシュートをリヴァプールのGKがファインセーブ。22分、オーウェンが交代でアウト。後半36分、CKからゴール! これで3−1(たぶん)。41分、またもゴール! とうとう4−1。

スタンドはお祭り騒ぎ、勝利を確信して人々が帰り始める(道路が込むのか、けっこうさばさばと帰る人は多い)。44分、これでもか、とまたまた波状攻撃。47分、試合終了。

スコアほどの内容の差はなかったが、セットプレーで入れられて点差を広げられたのがコヴェントリーには痛かった。まあ、中盤の支配力はどちらもあまりなく、決定力の違いかもしれない。

なお、期待していた"You'll never walk alone"は聞けなかった。こいつはチームが苦況にあるときに鼓舞する歌だから、当然こういう派手な勝ち試合では聞けないとは思うが。それだけが残念。

(翌日の新聞による得点経過:オーウェンが開始5分で3回もペナルティエリアに侵入してシュート。そしてついに[たぶん14分ころ]、GKにはじかれたオーウェンのシュートをマカリスターが押し込んで前半は1−0。後半開始6分、マカリスターのFKをジェラードがヘディングでゴール。その5分後、以前はリヴァプールにいて現コヴェントリーのトンプソンが30ヤードのシュートを決めて2−1。ヘスキーがそのあとCKからのヘッド(82分)と5分後のチップキックで2点を追加して4−1、リヴァプールは3位に浮上。・・・とうことだそうです)

LIVERPOOL 4-1 COVENTRY CITY

photography and text by Takashi Kaneyama 2000

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